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タクシーが突如車線変更&減速。ロードバイクが巻き込まれた事故。

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ロードバイクに乗っているとき、警戒する車両ってありますか?
私の中では、危険度MAX認定しているのは、ゴミ収集車です。
なんかやたらと強引な追い越しするし、突如停車したりする。

 

時間に追われて余裕がないんだろうなと思って見てます。

 

次にトリッキーな動きをしがちなのは、タクシー。
歩道にお客さん見つけたのはいいんだけどさ、左車線に進路変更するなら、ウインカー出して左後方をちゃんと確認してから寄せてくれ。
進路変更とウインカーが同時だと、ロードバイクはパニックに陥ることも。

 

今回はそんなタクシーとロードバイクの判例です。

タクシーが進路変更しロードバイクと衝突

判例は令和2年10月21日、東京地裁。
原告はロードバイク、被告はタクシー。
まずは事実認定。

原告自転車は、ロードバイクであり、本件事故当時の速度は時速約30キロであった。原告は、ヘルメットを着用していた。

 

被告車両は、本件道路の第2車線を通行して本件交差点に進入し、そのまま同交差点を通過した。その際の速度は、時速35キロないし40キロ程度であった。その後、被告は、本件道路の左側の歩道上に見込客を見つけ、被告車両の進路を第1車線に変更した。被告がウインカーによる合図を開始したのは、第1車線と第2車線の間に設けられた線上に被告車両の左側が乗った頃である。被告車両は、そのまま被告車両を減速させつつ第1車線に進入したところ、上記ウインカーによる合図を開始して約2秒後に、原告自転車が被告車両の後部左側に衝突した。その時点での被告車両の速度は、時速約20キロであった。

 

原告は、当初、本件道路の第1車線を通行していたが、本件交差点に進入する際に一時的に第2車線に進路を変更し、被告車両に後続する形になった。その後、再び第1車線に進路変更し、さらに前方の停止車両を避けるために第2車線に進路変更しようとしたところ、被告車両が第1車線に進路変更してきたため、本件事故が発生した。

事故現場は交差点から約35m地点とあります。
タクシーが35~40キロで第2車線を通行していて、第1車線に進路変更しながらウインカーを出し、かつ減速(20キロ程度)。
そのタイミングでロードバイクは路駐車を避けるために第2車線に進路変更しようとして衝突。

 

文章からイメージ図を起こしてみました(正確性は保証しません)。

進路変更しながらウインカー・・・
道路交通法施行令では3秒前合図を義務付けてます。

同一方向に進行しながら進路を左方に変えるとき。→その行為をしようとする時の三秒前のとき

ちなみに食べ物を地面に落としてから3秒以内であれば食べても大丈夫というローカルルールがありますが、あれはもちろん道路交通法施行令における「進路変更」から来ていると噂されています。

 

過失割合ですが、ロードバイク:タクシー=10:90です。
事故の原因は、「タクシーの不適切な進路変更」だとしてます。

 

これは当たり前ですね。
3秒前合図の義務も果たしてないし、進路変更する際の注意義務違反は明らかですから。
ロードバイクについた過失10%の理由はこちら。

被告車両は本件交差点通過後、本件衝突までの間一貫して原告自転車に先行する位置関係にあったものと認められる。また、被告車両は進路変更に際し合図も出している。そうすると、原告が先行する被告車両の挙動に注意を払うことで本件事故を避けることができたものと認められるから、原告にも一定の過失がある。

 

令和2年10月21日 東京地裁

事故回避義務違反として10%、ロードバイクにも過失をつけてます。

 

ただしこの事故ですが、争点は実はちょっと違います。
タクシー側の主張は、ロードバイクの一方的な衝突事故でタクシーは無過失の主張。
さらに原告が過去にタクシー事故を3件経験していることから、意図的な接触であるとの主張。

 

つまりは「わざと衝突」だと主張しているわけです。

 

これについては、裁判所が一蹴しています。

被告らは、原告が運転する自転車とタクシーが関係する交通事故が過去にも3件存在することなどから、本件事故は原告が意図的に発生させたものである旨主張する。しかし、本件事故は、被告車両が急な進路変更や減速をしなければ生じないものである。また、本件事故は片側3車線の道路の第1車線において生じたものであるが、午前8時5分という時間帯も考慮すると、事故により転倒した場合には、後続車両と接触する危険性もあった。原告がそのような危険な行動をすべき理由は見当たらない。また、被告らは原告が不当な物損請求した旨主張するが、そのような事実は認められない。

 

令和2年10月21日 東京地裁

判例を見ているとそこまで複雑な事故には見えないけど、なぜ示談ではなく裁判なのかの理由がここにあるわけです。

 

確かに、この時間帯に当たり屋行為をすると死にます。

タクシーは

全てのタクシーがそうだとは言いませんが、客を見つけて左後方の状況を確認せずに左寄せしてくるケースは残念ながらあります。
これも見方を変えれば、どこからでも乗車可能なシステムが悪い気がしないではない。

 

先日のバスの判例では、バスのほうが道路交通法違反の程度が大きいにも関わらず、ロードバイクの過失が大きくなってます。

 

路線バスを自転車が追い越そうとして接触した判例。
ロードバイクに乗っていて注意しなければならないのが路線バスの存在。 バス停で停車していた路線バスを自転車が追い越そうとしたときに、路線バスが動きはじめて接触したという判例があります。 路線バスとロードバイクの接触事故 判例は東京地裁 平成2...

 

この判例との大きな違いがあるとすると、ウインカーを出してから衝突に至るまでの時間経過なのかなと思うのですが、バスの判例ではバス発進から衝突まで7秒あることから、回避可能性を重視した判決になっている。
今回の判例では、先行するタクシーが合図を出して2秒後に衝突。

 

民事は道路交通法違反を争っているわけでもなくて、事故の予見義務と回避義務違反を争うわけですが、突如減速するタクシーはだいたいはこんな感じです。
ロードバイク側は10%とはいえ、先行車両の挙動に対しての注意義務違反になるわけで、平たく言えばある程度の予測運転技術は必要になるかと。

 

当たり屋呼ばわりされたり気分は悪いでしょうけど、そもそもタクシーがおかしな進路変更しなければ起きなかった事故。
けどそれでも0:100にはなりませんので、おかしな動きを警戒して事故を防ぐしかないわけです。

 

ちなみにこの判例、たぶん提訴から判決までかなり時間がかかってます。
コロナ初期は、首都圏の裁判所は緊急性が高い破産案件やDV関係以外は、強制的に延期されたはずなのでその影響なのかも。
私も東京高裁の控訴審、強制的に期日取消喰らいましたが、そんな中でも「判決出た!」とか言う人もいらっしゃるので、どのような裏技を使ったのか教えて欲しいくらいです。

 

裁判ってクソ長い上にかなりダメージ受けるので、事故に遭わない、仮に事故に遭っても話し合いで解決できたほうが幸せかと。
「そんな道路交通法の義務はない!」とか吠える人もいますが、避けられる事故は避けたほうが幸せですね。
わざと逆走自転車に突っ込むような人種は、理解し難い。
わざと逆走自転車に突っ込むような人種は、正義感ぶっているだけで心は貧しいと思う。

 




コメント

  1. kueharaaz より:

    ここしばらく注目していたブログです。
    自分の路上での感じ方、考え方を見直すきっかけとなりました。
    最後の一文は至言ですね。
    これからも期待しています。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      まあ、世の中いろんな方がいますが、自転車同士の事故について面白い判例を見つけましたので、後日アップします。

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