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自転車同士の事故では、左方優先は過失にならないことも。

自転車同士の事故の場合、車と違い過失割合の相場があるとも限りません。
そのため裁判になると、ビックリするような過失割合になることも。

もう一つ問題があって、道路交通法違反が過失に見られないケースもあります。

交差点で自転車同士が衝突

判例は大阪地裁、平成31年3月27日。
信号がない交差点で、双方に一時停止の規制がある。
優先道路はありません。

事故現場は、北西から南東に向かう歩車道の区別がない道路(本件道路、幅員約4.6m)に、北に向かう道路(南北道路、幅員約5.4m、一時停止規制あり)と東に向かう道路(東西道路、幅員約5.3m、一時停止規制あり)が交わる変形交差点。
住宅を建設中のため見通しが悪く、カーブミラーがあるものの視界は不良。
特に自転車の場合には、ミラーで視認することは困難な状況です。

文字からイラスト化してみました(正確性は保証しません)。

原告は南北道路を南進、被告は東西道路を西進。
双方ともに一時停止義務違反で交差点内で自転車同士が衝突した事案です。

優先道路ではないので、道路交通法としては左方優先。

(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
一 車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車

左方から進入してくる自転車の通行を妨げてはいけないわけですが、過失割合は50:50
左方優先については、過失とは言えないと判示しています。

原告には左方優先の規制に反した事実が認められるものの、自転車の運転に当たっては、免許制度がないこともあり、同規制が必ずしも遵守されている現状にないほか、自転車は自動車に比して低速で走行するものであり、運転操作も容易であるから、回避措置も容易であることを考慮すると原告が左方優先の規制に反したことを大きく評価することはできないすることはできないというべきであること、他方、本件事故の衝突地点は、本件交差点の中央よりも南東側にあり、原告が本件交差点に先入した、あるいは、原告が本件道路を進行してきたのと同視し得るともいえなくもないことを考慮すると、本件事故の過失割合は、原告5に対し、被告5と認めるのが相当である。

大阪地裁 平成31年3月27日

左方優先の原則は、必ず過失として評価されるわけではないというところです。

原告は時速30キロ以上で立ち漕ぎしていたのでは?とか、被告は時速6キロ程度だったのでは?とか、被告が携帯電話を操作していたのでは?などの主張に関しては、立証されておらず主張は採用されていません。
立証義務は当事者にあるのですが、事故の態様と衝突して倒れた場所などから、立証してないため却下。

何を言いたいかというと

左方優先の原則が過失とされていないわけですが、だからそんなもんを守る必要はない、などとバカげた話をしたいわけでは当然ありません。笑。
免許制ではない自転車とはいえ、見通しが悪い交差点に入るときには危険があるのは分かること。
双方に一時停止義務があるのだから、一時停止して左右を確認してから進入すれば、何ら事故は起きていないわけです。

一時停止は、「止まれ」と誰でも分かるように書いてあるわけで、「自転車だから」と甘くみて突破すれば事故リスクが上がるのは当然のこと。
一時停止を守らずに、たまたま事故が起きなかったからセーフみたいな感覚になりがちなのがママチャリです。

事故を起こさないためにルールがあるのだから、守らない人がいたら事故が起きる。

ちょっと前に、YouTubeで堂々と逆走やふらふら運転をしている動画をアップしていた人がいましたが、

普段あまりユーチューブとか見ないので有名な方なのかどうかは知りませんが。 一応ね 多摩の方に住んでいたことがあるのでこのあたりも...

たまたま事故が起きなかったからセーフとか、きちんと前をみて逆走したからセーフとか、意味がわからない結果論で不問にするのがおかしい。
ふらつきながらじゃないと登れないなら、降りて歩いてください。
こういう小さな違反が大きな事故に繋がるので。

一時停止についても同様。
何か難しいのかな?
「止まれ」と書いてある場所で止まる行為が。

自転車道などインフラ整備すれば違反が無くなると信じてる人もいますが、違反を減らし事故を減らす効果は否定しません。
しかし、このような生活道路に自転車道や自転車レーンを作れる可能性はゼロなわけで、根本的な順法精神がないと話にならないわけです。
左方優先については、免許制ではない自転車に求めるのは酷かもしれないけど、「止まれ」で止まって確認してから進行すれば済む。
見通しが悪いところは確認してから進むという大原則ですね。




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