カーボンのシートポストは振動吸収性が上がるのか?【質問いただきました】

カーボン製のシートポストについて質問をいただきましたので回答いたします。
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アルミフレームに乗っています。
お尻に伝わる振動が強いので何とかしたいのですが、カーボンのシートポストに変えると結構変わりますか?
振動が少しでも減ってくれたらいいなと思っています。
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回答いたします。

カーボンという素材

まずカーボンという素材から考えていきましょう。
よく、【カーボンは振動を吸収する】と言いますよね?
確かに、素材的にはアルミよりも振動吸収がいいと言われています。

カーボンのメリットですが、比重が軽い、つまりは軽量でありながら強度が高いということが挙げられます。

こういう風に書いていくと、アルミのシートポストよりもカーボンのシートポストのほうが振動吸収は良さそうに思えます。
実際のところ、どうでしょうか?

カーボンのシートポスト

まず結論から書いてしまいますが、カーボンのシートポストに変えたとして、明確に【振動吸収性の違い】を感じることはないです。
私もアルミとカーボンのシートポストを同じバイクで試したことがありますが、振動吸収性の違いを感じたことは一切ありません。

知人などに聞いても、振動吸収性が上がったと言っている人に出会ったことがありません。
厳密には一名だけ【何か乗り心地が良くなった気がする】と言っている人はいますが、その人が最終的に出した結論は【気のせいかも(笑)】ということでした。

でもネット上では【カーボンのシートポストに変えるのは軽量化と乗り心地アップに効果あり!!】などと謳っている記事もありますよね。
それは書いた人の価値観なので、その人にはもしかしたら明確な乗り心地の違いとして感じているのかもしれませんが、ぶっちゃけて言うならば【高い金出してカーボンのシートポストを買ったんだから当然違うだろ!!】という思い込みも入っているような気がします。

もちろん、最終的には感じ方はその人次第なので、そう感じているならそうかもしれません。
ですが私の周りでは、カーボンシートポスト⇒振動吸収性が向上、という人は皆無です。

そもそもですが、カーボンの振動吸収性というのは、要はシナリがあるから振動吸収するんだと思います。
シートポストって、そこまでシナリがないんじゃないかと思うのです。
シートポストの半分くらいはフレーム内に入っているわけで、フレームに固定されているような形なのでフレーム内に収まっている部分が大きくシナルかと聞かれると微妙です。
フレームのシートチューブから飛び出ている部分がそこまで大きくシナルかと聞かれると、これまた微妙な気がします。

同じ素材で同じ直径の棒なら、長ければ長いほどシナリがあるのはわかると思います。
短いとシナリをほぼ感じなくても、長ければシナリがありますよね。

フレーム外に出ているシートポストの長さはそんなにありませんし、しかも上からお尻によって下に押し付ける力が入っています。
要は棒の両端を固定しようとする力が働いているようなイメージだと思えばいいです。
(片方はフレームに、片方はお尻の圧)

シートポストは形状も真っすぐですし、シートポスト単体で持ってみてもそれほどシナルようには出来ていません。
なので理屈的にもそれほどシナルわけではないでしょうし、実際のところ変えてみてもほぼ違いは分かんないと思いますよ。

軽量化にはなる?

完成車についてくるアルミシートポストは、ほとんどの場合は廉価品です。
モノによるので何とも言えませんが、大体の場合は重量でいうなら300~350g程度、重いものなら400gあるものもあるかもしれません。

例えばですが、FSAの廉価なアルミシートポストであるゴッサマーは、公称値で318gです。

FSA ゴッサマー SB20 27.2mm シートポスト
FSA
売り上げランキング: 632,633


FSA – Gossamer シートポスト

こちらの3Tのカーボンシートポスト、STYLUS 0 LTDはメーカー値で140gだそうです。


3T – Stylus 0 Team シートポスト

ちなみに、アルミのシートポストでも超軽量のものもあります。

Thomson – Masterpiece Setback シートポスト
こちらはメーカー値で156g、7000系アルミ製です。

で、例えばアルミのFSAゴッサマー(318g)から3Tの140gのカーボンシートポストに変えた場合、理屈の上では178gの軽量化です。
これを大きいとみるか小さいとみるかは人それぞれですが、個人的には1万以上出して178gの軽量化を達成して、どれくらいの効果が望めるかというと精神的な満足感がほとんどかなと思うのであまり手を出したいとは思いません。
走りの上で明確な違いが出るような軽量化でもないです。
強いて言うなら、ダンシングした時のバイクの振りが軽くなるかもしれませんが、シッティングでペダリングしている分で明確な違いはないでしょう。

もちろん、ほかにもガンガンパーツを変えていって1キロ以上軽量化できたというなら、それなりに違いを感じるとは思いますが。

こういうことを書くと嫌がられてしまうかもしれませんが、ネット上ではなんでもかんでも【効果が高そうに】書くことで消費者の物欲を煽る傾向があります。
もちろん、効果が高いパーツ交換もある一方、個人的には振動吸収性の改善が第一なら、シートポストのカーボン化はほぼ効果を見込めないのでオススメしません。

それならばよっぽど、タイヤを変えてみたりするほうがよっぽど効果があります。
私は好きにはなれませんが、もし23cタイヤを使っているなら、25cにするだけでも振動吸収性は上がります。

ミシュランはどちらかというと柔らかめな感じです。

タイヤを変えなくても空気圧をちょっと下げるだけでも振動吸収性は上がります。
ただし下げすぎると転がり抵抗が増えて走りが鈍くなるので、どれくらいがベストなのかは試行錯誤で0.1Barずつ探っていくくらいの覚悟で試してみるのもいいでしょうし。

ほかに振動吸収性を上げていくなら、例えばウェアでも変わります。
ケツパッドが厚めのものにするとか。

あと、根本的にサドル高が合っていないと、お尻に振動が強く感じることもありますね。

シートポストのカーボン化は、全く効果がないとは言いませんが、多くの人には非常にわかりづらいパーツだと思っています。
なのでどうしても軽量化の一環としてやりたいなら止めませんが、振動吸収性向上が第一目標なら、変えるべきポイントはそこではないような気がします。