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特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)の改正道路交通法案。

時速20キロ以下しか出ない電動キックボードについては、既に法道にも出ているように「特定小型原動機付自転車」として新たに道路交通法にて規定されます。
それ以上の速度が出る電動キックボードについては、今まで通り原付扱いで免許必須です。

さて改正道路交通法案、早速ですが公開されています。

以下、時速20キロ以下しか出ない電動キックボードを「特定小型原動機付自転車」とします。

改正道路交通法案

改正道路交通法案はこちらにあります。

https://www.npa.go.jp/laws/kokkai/index.html

新旧対照表の119ページからが電動キックボードに関するもの。

まず、法律上の区分はあくまでも原付扱いです。
2条1項10号の原付の定義の中に、「ロ」が新設されて特定小型原動機付自転車の定義があります。
なお、自転車や原付と同じように、「押して歩く場合」のみ歩行者扱いになるようです(法2条3項)。
時速6キロ以下のモードに切り替えた場合には、一部の歩道を通行出来るようになりますが、この場合には歩行者扱いではない模様。

特定小型原動機付自転車の歩道通行に関しては、17条の2が新設されます。

(特例特定小型原動機付自転車の歩道通行)
第十七条の二
特定小型原動機付自転車のうち、次の各号のいずれにも該当するもので、他の車両を牽引していないもの(遠隔操作により通行させることができるものを除く。以下この条及び次条において「特例特定小型原動機付自転車」という。)は、前条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により特例特定小型原動機付自転車が歩道を通行することができることとされているときは、当該歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。

一 歩道等を通行する間、当該特定小型原動機付自転車が歩道等を通行することができるものであることを内閣府令で定める方法により表示していること

二 前号の規定による表示をしている場合においては、車体の構造上、歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのない速度として内閣府令で定める速度を超える速度を出すことができないものであること

三 前二号に規定するもののほか、車体の構造が歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当すること。

2 前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、特例特定小型原動機付自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
(罰則第二項については第百二十一条第一項第八号)

時速6キロまでしか出ないモードに切り替えたことが明らかなように表示する義務があります(17条の2第1項1号)。
もちろん、警察官の指示権による歩道通行の規制もあり。
道路標識により通行が認められた歩道というのは、「自転車通行可」の道路標識になる予定(標識令の改正内容次第です)。

ちょっとわかりづらいのは2項の規定。
普通自転車通行指定部分では徐行義務が解除されているように読み取れるのですか、「前項の場合において」がついているので、結局は歩道通行の要件(時速6キロ以下モードに切り替え)はあるので、普通自転車通行指定部分でも結局は6キロ以下(徐行)なんじゃないのか?と思うのですが。

2項の規定、むしろ無くてもいいような。

その他だと、現行の17条3項に「特定小型原動機付自転車」も含むため、自転車道の通行も可能になります(普通自転車のように、通行義務までは無し)。
この場合の自転車道は、道路交通法上の自転車道のことになります。
車道と歩道にサンドイッチされているのが、道路交通法上の自転車道です。

いわゆるサイクリングロードについては、原付の走行は認められていないため走行不可になるかと思われます。
サイクリングロードについては、道路交通法上は道路(法2条1項1号)であり、歩道(法2条1項2号)ではないため、時速6キロ以下モードに切り替えたとしても通行出来ないことになると思いますが、このあたりについてはたぶんナアナアになることは容易に予見されそうです笑。

いわゆるサイクリングロードも、自歩道と全く同じ道路標識になっているのが混乱を招きそうな気がします。

「歩道の自転車通行可」と、「自転車歩行者専用道路(サイクリングロード)」は道路標識が同じですが、意味が微妙に違うのが難点。

車道での通行に関しては、自転車と同じと見ていいかと。

ルール新条文
左側端通行18条1項
路側帯通行17条の3
二段階右折34条3項
第一通行帯通行義務20条1項

流れからすると、いわゆる自転車レーン(普通自転車専用通行帯)の通行義務も出来ると思いますが、たぶん、こっちは標識令を改正するのかなと思います。
現行の標識令では、普通自転車専用通行帯は以下のように定義されています。

交通法第二十条第二項の道路標識により、車両通行帯の設けられた道路において、普通自転車が通行しなければならない車両通行帯(以下この項において「普通自転車専用通行帯」という。)を指定し、かつ、軽車両以外の車両が通行しなければならない車両通行帯として普通自転車専用通行帯以外の車両通行帯を指定すること

特定小型原動機付自転車は、法律上は原付。
「軽車両及び特定小型原動機付自転車以外が通行しなければならない車両通行帯として普通自転車専用通行帯以外が車両通行帯を指定すること」みたいに改正されるのではないかと。

16歳未満の運転禁止については、新設される64条の2に定義。
違反条文のほか、違反を繰り返した場合には講習行きになる規定もあります。

どっちが弱者?

法律上の区分でいうと、特定小型原動機付自転車はあくまでも「原付」。
なので自転車が相対的に弱者となるのかというとまあまあ怪しくて、ロードバイクのほうがはるかにスピードが出ることや、どちらも「免許不要」ということからすると、判例を積み重ねない限りは「極めて曖昧」だと思います。

ただし、特定小型原動機付自転車については自賠責保険必須です。
自賠法の適用を受けるため、自転車が弱者と見ていいとは思います。

けどあえて書きますと、電動キックボードについては、誰がどう見ても転倒しやすい乗り物。
ロードバイクとしては、追い越しや追い抜きする際には「かなり十分な側方距離」を取り、なるべく近づかないのがベターです。

変な言い方になりますが、電動キックボードの人たちも今後、車、バスなどによる「至近距離追い抜き、追い越しプレイ」の餌食になると思います。
自転車よりも脆弱に見えますし、至近距離追い抜き追い越しプレイを食らって事故になるケースも想定されます。

これを機会に、側方通過時の側方距離を道路交通法で定義する運びになる可能性もあるわけ。
とりあえず、今後どうなるかは国会次第です。




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