PVアクセスランキング にほんブログ村

ひどいな、あんた、自転車さん。

よくもまあ、こんな位置から自転車が飛び出すよなと呆れるばかりですが、こんな自転車をかばうバカのほうが問題なのかと。

https://twitter.com/kagiroi2nd/status/1503713556491304960

どう捉えるべきなのか

まずは事実の認定から。

・車は青信号に従い、左折レーンから左折した。
・信号機は歩車分離式。
・自転車は歩道の横断歩道近くから、斜めに車道方向へ進行した。
・横断歩道の信号機は赤灯火。
・車は警音器を吹鳴した。

まず、自転車の行動を検証します。
歩道の横断歩道近くから車道に向けて進行したとも取れますが、いわゆる斜め横断に近いような形。
歩道の、しかも横断歩道付近から車道に進入してますが、

・判例では、横断歩道から2mくらいまでは横断歩道上と見なされる傾向にあること
・自転車が車道に進入した位置をみる限り、横断歩道付近であること
・車が進行してきた車道(左折前)からは外れていること

これらを考えたら、自転車が取った行動は「車両の横断」にみられる可能性が高くなります。
横断+斜め右に進行したと見なせますが、そうするとこの規定による制限を受ける。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

通常、対面する信号機である横断歩道の信号による制御を受けることや、横断歩道付近であることを考えたら信号無視に該当しかねないわけだ。

人の形の記号を有する赤色の灯火→二 横断歩道を進行しようとする普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。

それに対して車道を正常に進行する車両は、左折方法(34条1項)により徐行義務がありますが、すぐに停止できる程度の速度なのは明らか。
実際、ほぼ停止状態になってますし。
それ以外だと交差点内安全進行義務があります。

(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

自転車も横断しながら交差点方向に進行してますから、同じく交差点内安全進行義務がある。

横断とは捉えずに、自転車の行動は同一道路から右に進路変更したとも取れなくはないです。
その場合でも、自転車には進路変更について規制を受ける。
まあ、普通に考えたら自転車の行動は横断しながら斜めに進行したと見なせるかと。

直進が優先と言い出す人もいますが、それは車道のルール。
歩道から車道に進行することは直進ではないし。

このような行動を取る自転車に対して、警音器で警告
することは別に違反とまでは言えない。
不自然な行動をする自転車がいた(信号無視と横断による妨害の疑い)場合に、警音器を吹鳴したとして違反とまでは言えませんが、吹鳴する必要性があったのか?というとまあまあビミョーでもある。

ちなみに自転車を追い越す際の判例ですが、警音器についての判例はこちらにまとめてあります。

先日書いた記事で紹介した判例。 自動車運転者が自転車を追い越す場合には、自動車運転者は、まず、先行する自転車の右側を通過しうる十分の余裕が...

あくまでも追い越し時の警音器の判例ですが、挙動が不審な自転車が先行していた場合には、追い越し時に警音器を鳴らしていないことは、注意義務違反になります(業務上過失致死傷)。
このケースでは、自転車側に違反の可能性が高いため、警音器を吹鳴したとしても直ちに違反とまでは言えませんが、鳴らす必要性についてはまあまあ疑問と言えば疑問。

この自転車をかばう理由がない

この状況下でこの自転車をかばう理由がなくて、交差点を直進したいなら、直進道路に降りてから(左折前の車が通行していた道路)普通に車道を直進すれば何ら問題ない。
車道を斜めに横断しているあたりも、下手すりゃ交差道路の逆走とも取られかねない。

ネット上って、きちんと分析せずに語り出す奴は多いですが、位置関係を見れば自転車の行動は「斜め横断」ですから、そっちが非難されるべきこと。

まあ、車の違反を少しでも指摘して、自転車をかばうバカもいるので、インターネットは不思議ですよね笑。

一例。

こういうのって奇跡の論点ズラしなわけですが、歩道で自転車が歩行者にベルを鳴らしてはいけない理由は以下の二点。

二 歩道 歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。
(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

歩道は「歩行者のための場所(2条1項2号)」と定義され、63条の4第2項にて「歩行者の通行妨害禁止(一時停止義務)」があるので、歩行者に対してベルで警告することは許されていない。
ベルを鳴らすのではなく、自転車が一時停止するルールだから。

「徐行する側ガー!」は爆笑レベルの屁理屈です。
久々に声を挙げて笑いました。
なぜ歩道において、自転車が歩行者にベルを鳴らしてはいけないのか、その法的根拠を理解していないのでしょう。
上動画のケースは、自転車が左折車の通行を妨害した疑いが強いので、クラクション鳴らすことがすなわち違反と解釈するのはちょっと厳しい。

この方、あの自転車について「交差点を直進」だと主張してますが、

直進優先は車道のルールなので、交差点外の歩道から突っ込んでくる自転車は「交差点を直進」ではない。
交差点を直進としたいなら、これしかないですな。

交差点の定義は2以上の車道が交わる部分(法2条1項5号)。
車が左折前に進行してきた道路から外れてますから、交わる部分にはなりませんな。
道路交通法に詳しくない人なのかも。

ちなみに似たようなケースで自転車が進行開始して、警察官に怒られているのは見たことがあります。
位置関係からするに、歩道から自転車が進行した行為が横断と見られてもおかしくない位置なわけで。

もちろん自転車が取るべき正しいプレイは、こっちに降りてから直進か、横断歩道を青灯火で進行するかのどちらかですな。

なお当たり前ですが、ルール違反している自転車だから衝突していいわけはありませんし(安全運転義務)、事故を起こせばドライバーが過失運転致死傷に問われることになります。
まあ見ての通り、ほぼ停止する形で事故回避義務を果たしてますから、何ら問題ありませんけど。

けどまあ、この位置から車道に進行開始する自転車をみて、何ら問題ないと思える心理についてはわかりませんな。
無駄に自転車をかばう奴がいるから、自転車の違反が軽視されてカジュアルに違反する自転車が横行するだけとしか思えない。
自転車乗りとして、自転車乗りに対する正当な批判をしないと。




スポンサーリンク
判例集

〇道路交通法38条の解釈(対歩行者)

 

前回、横断歩道を横断する自転車についての判例をまとめましたが、歩行者についてもまとめておきます。

道路交通法38条…

 

〇道路交通法38条の解釈(対自転車)

この記事は過去に書いた判例など、まとめたものになります。
いろんな記事に散らかっている判例をまとめました。

横断歩道と自転車の関…

 

〇自転車を追い越す時の側方間隔の判例

先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。
これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はあ…