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データとか、判例とか。

先日も少し書きましたが、

警察庁や政府などが毎年、交通事故の統計データを公表しているじゃないですか。 あれ、前から疑問に思っていたことがありまして、某警察本部数ヶ所...

データの意味について。

結果よりも中身

警察庁は毎年、交通事故の統計データを公表してます。
その中に第一当事者、第二当事者という分類があるわけですが、定義はこう。

「第1当事者」とは、最初に交通事故に関与した車両等(列車を含む。)の運転者又は歩行者のうち、当該交通事故における過失が重い者をいい、また過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者をいう。

車 対 自転車の事故だと、第一当事者は車が多い→車のほうが悪いとデータ上ではとれなくもないですが、第一当事者、第二当事者の分け方は何ら基準はない。
いやね、最初に聞いてみた某警察本部。

管理人
管理人
毎年警察庁が公表している交通事故の統計に、第一当事者、第二当事者ってありますよね。
第一当事者はより過失が重いほうだと警察庁のホームページに書いてありますが、この場合の過失とは具体的に何を指すのか知りたいです。
道路交通法違反の程度を比較したり・・

この説明を全部する前に、これですよ。

読者様
読者様
第一当事者のほうが過失が重いとか、そういう決め方はしてないね。
基本、どっちが悪いとかあんまり関係ない。

管理人
管理人
え?
過失が重いほうが第一当事者じゃないんですか?

読者様
読者様
全然関係ない。
決め方に基準もないし、怪我しているほうが第二当事者みたいな扱い。

この先もいろいろ聞きましたが、そもそも現場だとどっちが第一当事者だろうと関係ないし、便宜的に決めただけ。
なのでどっちが悪いみたいな扱いとは捉えていないらしい。

怪我しているやつが第二当事者なら、例えば自転車で逆走して、車が避けられなくて事故になったとしても、第一当事者は車になる。

逆走という、日本の左側通行という大原則を破ったクズが第二当事者、急な自転車の登場で避ける余地がない車が第一当事者。

こういうデータが蓄積されたら、統計上は「車の過失が大きい事故が多い」になりますよね。

本当にそういう見方で合ってますかね。

統計上はそうなるにしても、実態は違う。
どちらかというと、最終的なデータよりも、データの取り方が適切なのか?のほうが大切だと思う。
なんら基準がないデータを寄せ集めて、何の役にも立たない。

回答した人がいうには、「第一第二、どっちが悪いとかそういう運用はしていない」と。
あともう一つ言うと、定義上も「過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者をいう」なので、第一当事者のほうが過失が大きいとも限らない。

データの結果よりも、どういうデータの取り方をしたのかのほうが大切ですよね。

何ら明確な基準がなく振り分けた第一当事者、第二当事者というデータの集大成に過ぎないので、さほど意味があるものではない。

判例も似ている。
裁判の当事者からすると、過失割合がどうなったかが大切。
第三者が判例を見るときには過失割合はどうでもよくて、双方が何を主張して、何をお互いに認めて、何が争点で、その結果裁判所がどういう判断をしたのかが大切。

双方が自転車に対し追い付かれた車両の義務があると主張すれば、このような争点になる。

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堅苦しい話が続いていますが、一つの参考になるかと思いまして。 自転車の場合、道路交通法27条の【追いつかれた車両の義務】は適用...

こちらで挙げた横浜地裁の判例。

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こちらにまとめ直しました。 以後、追加は下記にしていきます。 先日このような記事を書いたのですが、 ...

これ読む限り、お互いに「横断歩道を横断しようとする自転車に対する38条1項前段の義務」は認めた上で、車の主張は「横断する予兆がなかったから減速義務はない」と主張しているように見えるのですが。
なんか違いますかね。
そうなると、義務の存在自体は争点にならない。

池袋暴走事故の件、民事訴訟が進んでいるようですが、誹謗中傷があるらしい。
あの件、過失割合でいうなら争う余地はなく100:0。
けどあれって、真実を知りたくて示談せすに裁判なんだと思うけど、たぶん、裁判上は相場よりも高い金額を請求しているはず。

「認諾」されちゃうと、裁判は終了して真実の追及にならないから、争わせるしかない。
国が認諾して裁判を強制終了させた裁判がありましたが、民事は相手の請求を認めるとすれば、争点にはならない。

相場をはるかに越える請求があったなら、認諾するわけにもいかず争うことになりますが、争う段階ではきちんと反論しないといけないわけで、その段階で真実を聞き出したいのだと思う。
まあ、国は認諾して裁判を終結させたけど、国民の税金をなんだと思っているのやら。

双方が認めているなら争点にはならないので、判例についても双方の主張がどうだったのかを見ずに結論を見ると、意味がない。
何を主張した結果、そういう判示に至ったかが大切。

まあ、実際このような判例もありますが、

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ずいぶん前に、道路交通法38条と自転車についての判例を書いてますが、 重大なミスがあり一部訂正します。 訂正...

これについては、キーワードだけピックアップするようなテキトーなことをした天罰ですすみません。
裁判所がなぜ歩道での事故に対して、38条の義務ガー!なんて判示をしているかというと、原告の主張がそうなっているからです。
まさか道路外から歩道を横切り車道に出る際に、38条の概念を流用しているとは思いませんでした。

結局のところ

普段判例はそこそこ見ますが、論文はあまり見ません。
データの取り方が怪しいケースもあるので、結論だけ見て真に受けていいのかわからないことも多いので。
まあ、こういう謎実験なんかもそう。

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先日のSACRAコラムとバイクラ5月号の記事の件ですが、 バイクラ5月号の記事と、SACRAコラムを見て、それは違うだろ!と思...

スポークの接触交差があるときれいなデータが取れなかったとのことから、わざわざ非接触交差に組み換えてからデータを取ってますが、どちらかというと組み換え前にどんなデータが取れたのかのほうが大切。

それを表に出せば、なかなか面白い考察が出来たはずなんだよなあ。
あれは本当にもったいない。

話がいろいろ飛びましたが、世の中には意味がある統計もあるし、意味がない統計もあるし、判例も同様。
第一当事者の決め方なんて何ら基もないし、「怪我している奴が第二当事者」みたいな過失とは関係ない決め方をする某警察もいるわけで。

数字が出ていると、あたかも数字が正しい前提に立って主張に利用しがちですが、数字が正しいかどうか、数字に意味があるかどうかはまた別問題というわけです。




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