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自転車追い抜き時に非接触事故の判例。

自転車を追い越し、追い抜きする際には側方間隔が問題になりますが、接触してないものの事故になった判例を。

非接触事故の判例

非接触事故の判例としてますが、事故態様には争いがあります。
判例は東京地裁 平成27年10月6日。

まずは大雑把に状況から。

この状況から後続車が右に進路変更して側方間隔約1.2mを取り追い抜き。
自転車はバランスを崩し10.8m進行してから歩道の縁石とガードレールに衝突した事故です。
(ただし自転車の主張は、車のサイドミラーが衝突して押し飛ばされたとしています。)

自転車の位置は車道外側線から内側に約30センチ、車道外側線と歩道の縁石の距離は70センチです。
車の大きさは省略しますが、貨物車。

なお、細部に誤りがある可能性があるためイラストの正確性は保証しません。

きちんと書いていてもデマ呼ばわりされるので、難しい時代ですな。

被告は、被告車を運転して前方の原告車を追い抜くにあたり、被告車が箱形の荷台がついた貨物車であって、後方から自転車の側方を通過する際に自転車の運転者が風圧や狼狽などにより操縦を誤り転倒するなどの危険があるから、自車と自転車との間に相当な間隔を保ち、十分に減速して、自転車の動静を注視しつつ進行するなどの注意義務があるところ、被告の述べるところによっても時速約40キロで通過したものであり、原告車との間隔及び速度差、被告車の車種、追い抜く際の原告の様子に照らすと、被告車の追い抜きが原告車の走行に影響を与えるものであったことが推認され、被告には上記注意義務を怠った過失が認められる。

(中略)

もっとも、被告は追い抜きに当たり右に進路変更して側方に約1.2mの間隔を取っており、過失が大きいとはいえない。他方、原告においても、本件道路は片側2車線で歩車道が分離されており、車両が比較的高速で通行することが予測される道路であるから、車道を通行する際には四囲の状況に注意を払い、適切にハンドル・ブレーキを操作して運転すべきところ、被告車が相応の間隔を空けて側方を通過したにもかかわらず転倒していること、転倒したのは被告車が通過して約10m進行した先であること、原告に対する通行人の言動を考慮すると、原告にも自転車運転上著しい不注意があったことが推認される。これらの原告及び被告の過失の内容・程度を総合考慮すると、原告に生じた損害について40%の過失相殺をするのが相当である。

東京地裁 平成27年10月6日

1.2mの側方間隔なのでまあまあ間隔は確保しているほうとはいえ、貨物車の風圧などを考えるとさらに減速してさらに側方間隔を取るべきだったという判断です。

なお、あらゆる証拠を検討しても接触や衝突の事実はなかったことになっています。

民事の場合

バスや大型車は風圧も強く圧迫感もありますし、きちんと側方間隔を取るだけでは足りず、きちんと減速して自転車との速度差が小さい範囲で追い抜きすべき。

こういうのって、車のドライバー側からは言いたいことはあると思われます。
1.2mの側方間隔は、まあまあ取っているわけだし。
他の判例では、路側帯を通行する先行自転車に対し、時速20キロ、センターライン付近から追い抜きしたオートバイについても、追い越し違反の過失があると判示していたりします。

自転車を追い越すときには、十分な側方間隔を取り、減速するというのが本来の法律(28条4項)。 今回は十分な側方距離を取っていたのでは?と思...

この事故は先行自転車が突如横断したことにより事故が起きていますが、事故が起きた以上、民事上は過失です。
路側帯とセンターライン付近なので、少なくとも2mは側方間隔を取って追い越ししようとしたと思われますが。

結局のところ、この手の事故が起きた以上は過失無しにはなりませんから、ドライバー側は「自分自身を守るためにも」きちんと側方間隔及び減速するのが正解。

先日書いた記事について、ご意見を頂きました。 先行自転車への側方通過について、自転車側として危険性と不...

自転車への追い越し・追い抜き、側方間隔は法律で定義すべき?(選択肢の追加可能、お一人様2票まで)
  • 自転車側の違反についても厳しく取り締まるべき 28%, 208 votes
    208 votes 28%
    208 votes - 28% of all votes
  • 定義するのはいいけど、ちゃんと取締って欲しい(できれば現行犯でないケースもだけど、ちょっと難しいか)。* 14%, 107 votes
    107 votes 14%
    107 votes - 14% of all votes
  • 「最低1.5m」と明記し、側方距離を保てない場合には追い越し、追い抜き禁止と謳うべき。 10%, 76 votes
    76 votes 10%
    76 votes - 10% of all votes
  • 速度により側方間隔の具体的数字を規定(時速30キロ以下で追い越し時は最低1.0m、それ以上は最低1.5mなど) 9%, 65 votes
    65 votes 9%
    65 votes - 9% of all votes
  • ナビラインの表示があるだけでもかなり大人しい運転になる。法律に具体的な数字があれば必ず抑止力になるはず。* 8%, 58 votes
    58 votes 8%
    58 votes - 8% of all votes
  • 現在の法律のまま(具体的数字なし)でよい。 7%, 51 vote
    51 vote 7%
    51 vote - 7% of all votes
  • 「最低1.0m」と明記し、側方距離を保てない場合には追い越し、追い抜き禁止と謳うべき。 7%, 50 votes
    50 votes 7%
    50 votes - 7% of all votes
  • そもそもこんな危ない道を自転車は通るべきではない* 5%, 37 votes
    37 votes 5%
    37 votes - 5% of all votes
  • 安全な追い越し方(免許取得時)/追い越され方(小学校等)の教育を義務付ける。* 3%, 26 votes
    26 votes 3%
    26 votes - 3% of all votes
  • 自転車側のフラツキも含めて、事故時の車側過失が100%になるなら数値規定なしでも良い。* 3%, 22 votes
    22 votes 3%
    22 votes - 3% of all votes
  • 自転車は追い越さなくてもいいという自動車側の意識改革が必要* 3%, 20 votes
    20 votes 3%
    20 votes - 3% of all votes
  • 先行自転車のカテゴリ別に具体的数字を規定すべき(子供、高齢者、子供載せ等) 2%, 16 votes
    16 votes 2%
    16 votes - 2% of all votes
  • 小中高では自転車に関する道路交通法を定期的に学習&テストしてもっと関心を持たせるべき* 1%, 8 votes
    8 votes 1%
    8 votes - 1% of all votes
  • 現状のインフラが自転車を安全に走らせられるようにできていないので、グレーな感じでうまくやっていくしかないのでは* 0%, 1 vote
    1 vote
    1 vote - 0% of all votes
Total Votes: 745
Voters: 435
2022年4月13日 - 2022年5月3日
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なお、この手の事故について「右の車両通行帯に移動して追い越しする義務(28条4項)」を考える人もいるかもしれないけど、上判例ではそのような当事者の主張はなされておらず、かつ現場は車両通行帯ではないのであまり意味がないかと。
一応、普通に知っている道路なので。

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