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側方間隔の件。

先日、自転車を追い越しや追い抜きする際の側方間隔について判例をまとめておきました。
普段から情報提供して頂く読者様の希望でもありましたので。

先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。 これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はあ...

側方間隔の規定がない理由

道路交通法上、側方間隔の具体的数字の規定はないわけですが、これの理由としては警察庁の怠慢、というわけでもなくて、側方間隔というのは追い抜き追い越し時の安全面からすると一要素に過ぎないからではないでしょうか。

一応、刑事と民事それぞれについてまとめるとこうなります。

○刑事(業務上過失致死傷)

裁判所自転車の動静車の速度側方間隔判決
広島高裁S43.7.19安定40キロ約1m無罪
東京高裁S45.3.5安定30キロ1~1.5m無罪
最高裁S60.4.30不安定約5キロ60~70センチ有罪
高松高裁S42.12.22傘さし50キロ1m有罪
東京高裁 S48.2.5原付二種65キロ0.3m有罪
仙台高裁S29.4.15酒酔い20キロ1.3m不十分
札幌高裁S36.12.21安定35キロ1.5m無罪
高松高裁S38.6.19子供載せ約42センチ有罪

○民事

裁判所自転車の状況車の速度側方間隔車の過失
東京地裁H26.1.16路側帯から中央線へ進路変更20キロ推定2m以上?70%
東京地裁H27.10.6非接触40キロ1.2m60%
大阪高裁R1.7.3非接触30キロ0.6m0%

例えばですが、後続車が時速20キロ、側方間隔1.3mの件は「不十分」と判断されていますが(仙台高裁S29.4.15)、判決文がないので詳細はわからないけど、自転車は酒酔い。
フラフラしてたのだと思われます。

民事だと、それこそ2m以上空けていたと思われる事例
(東京地裁H26.1.16)で車(厳密にはオートバイですが)の過失は70%。
自転車は路側帯、オートバイは時速20キロでセンターライン付近でしたので側方間隔という面からすると十分とも取れますが、過失は70%。

逆に側方間隔0.6mで路線バスに追い越しされた事案は、車の過失は0%です。

結局のところ、判例って具体的な中身が大切になるわけで、過失0%の理由は「因果関係の立証がない」。
側方間隔0.6mで被せるように幅寄せしている点については「問題がある追い越し」と認定されています。

数字だけ追いかけると無能戦士になりますから、どういった状況での判断なのかをきちんと確認して頂ければ。
フラフラしている自転車に対しては、クラクションを鳴らすべき注意義務を認めた判例はそれなりにあります。
逆に、クラクション鳴らして自転車が退避したとしても、追い抜きを控えるべき業務上の注意義務があったとする判例もあります(最高裁)。

勘違いしてはいけないのは、近かったというだけで事故に至っていないケースについては、違反になるかはかなり怪しい。
上の判例は、事故に至ったから業務上過失致死傷(過失運転致死傷)に問われたわけであり、事故が起きていなければ「致死傷」になりませんから。

個人的な考えとして

グダグダ揉める動画はネット上にありますが、具体的数字規定があれば少なくとも「いい、悪い」は明確に線引き可能になる。
結局のところ、事故が起きたか否かという結果論を前提にして判断されてしまうけど、本来は事故という結果を防止するために28条4項や70条があるはず。

こういうのもさ、オートバイの割り込み的な走りに逆上したと思われますが、だからといってイエロー越えて追い越しして幅寄せしていい理由にはならん。

DQNバイク乗り集団 vs DQNトラック運転手

ネット上では、自転車のみならずオートバイの側方間隔が近すぎ事案は多い。
もうさ、脳波でも心拍数でも計測して怒りのエネルギーが高いと判断されたら加速不可能なシステムでも搭載したほうがいいのでは?
魅惑の短気マンがいることが問題。

とりあえず、側方間隔というのは追い越し追い抜き時の一要素に過ぎないわけで、間隔あけたらセーフではないということで。

18訂版 執務資料 道路交通法解説
道路交通執務研究会(編集), 野下 文生 原著(その他)




コメント

  1. カモがネギしょってる より:

    規定が無いにしても目安くらいは有っても良いですよね。最低1m以上を取り状況に応じ更に大きく取ることとか。今だとぶつからなければ良い(ぶつけられることもありますが)くらいですし。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      目安はあるべきだと思いますし、非接触案件でも近すぎる場合には取り締まり対象にすべきと考えますが、警察はなぜか乗り気ではないですね。
      事故にならなければ問題にしないことが大問題かと。