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横断歩道の青点滅は「横断するな」。

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横断歩道の人の形をした信号機の青点滅。

「まだ大丈夫」ではないです。
「横断するな」が正解。

信号の種類 信号の意味
人の形の記号を有する青色の灯火の点滅 一 歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、速やかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。
二 横断歩道を進行しようとする普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと

ところで、赤信号突破 vs 青点滅突破で事故が起きた場合、どのようになるのでしょうか?

信号突破

※事故現場とは無関係。

 

判例は平成25年2月20日、東京地裁。
だいぶ割愛しますが、自転車は青点滅で自転車横断帯から外れた横断歩道上を横断開始。
原付は赤信号を突破(片側三車線)。

※画像の正確性は保証しません。
デマ呼ばわりされるような難しい時代ですが・・・

 

自転車の後部と原付の前部が衝突し、原付が怪我をした事故です。
なお、衝突時は横断歩道は赤信号。

さてこの件、自転車横断帯から外れた横断歩道上を青点滅(横断禁止)で横断開始しています。
この場合、道路交通法38条1項による優先保護があるのか?が争点になっています。
自転車(被告)は無過失を主張。

 

赤信号突破の原付と、青点滅突破の自転車。
しかも自転車横断帯から外れた位置。
片側三車線なので横断歩道の長さは約29mあります。

 

ビミョーですよね笑。
どう考えますか?
しかも被害者は自転車ではなく原付。
青点滅は横断開始してはダメとは言え、実態としては「急いで渡ればOK」と認識していることが多い。
民事はある程度、実態も込みで判断される傾向にある。

被告は、被害者は道路交通法38条1項の一時停止等の義務を負っていたから、被告車に被害者との衝突を回避する義務はなかったとも主張する。
しかし、被害者車両が被告車との関係で道路交通法38条1項の一時停止等の義務を負っていたか否かは別として、自転車は、車両等が同法38条1項の一時停止等の義務を負うとしても、横断歩道を進行する場合においてはなお同法70条の安全運転の義務を負い、他の車両等に対する危険を回避すべき義務を負うと解されるから、被告の上記主張を採用することはできない。

 

平成25年2月20日 東京地裁

まあ、38条の対象なのかは明言を避けた印象です。
ちなみに適法に自転車横断帯を横断した場合でも、安全運転義務があることから過失がつくことはあります。

認定した事実によれば、原告X1も、自転車横断帯を横断する際には、安全運転義務(道路交通法70条)を負っており、南から北に向けて対向進行してきて東に向けて右折する車両の有無等を確認する義務を負っていたが、これを怠ったといえる。そして、原告X1の対面歩行者・自転車専用信号も、被告の対面信号も、いずれも青色であり、原告X1は、自転車横断帯を走行していたことに照らすと、原告X1についても5%の割合で過失相殺するのが相当である。

 

大阪地裁 平成27年9月4日

信号を守る

信号を守ることは何ら難しくなく、守らなければ怪我したり死んだりするのは予想できること。
なお、歩行者が青点滅で横断開始して右左折車と事故になった場合、まあまあ厳し目に過失割合がつくことも。

 

38条は適法に横断開始した歩行者(横断歩道)と自転車(自転車横断帯)を優先する規定です。
青信号で横断開始したものの渡りきれなかった残存横断者も優先の対象です。
以下の判例があります。

まず、被告人側の信号が青色に変つた直後における本件横断歩道上の歩行者の存否の可能性についてみると、司法巡査作成の「信号の現示と事故状況について」と題する書面によれば、本件横断歩道の歩行者用信号は、青色39秒、青色点滅4秒、赤色57秒の周期でこれを表示し、被告人側の車両用信号は、右歩行者用信号が赤色に変つてから4秒後に青色を表示すること、すなわち、被害者側信号が青色点滅を表示してから8秒後に被告人側信号が青色に変ることが認められるところ、横断歩行者の通常の歩行速度を秒速約1.5mとすると(交通事件執務提要305頁参照。)、歩行者は右8秒の間に約12m歩行することになるが、本件横断歩道の長さは前記のとおり31.6mであるから、歩行者がたとえ青色信号で横断を開始しても途中で青色点滅信号に変つたとき、渡り終るまでにいまだ12m以上の距離を残している場合、当該歩行者は被告人側の信号が青色に変つた時点において、依然歩道上に残存していることになる。
道路交通法施行令2条は、歩行者用信号が青色点滅を表示したとき、横断中の歩行者は「すみやかに、その横断を終えるか、又は横断をやめて引き返さなければならない。」旨規定するが、本件横断歩道の長さに徴すると、たとえ歩行者が右規定に従つてすみやかに行動するとしても、右残存者がでることは否定し難く、とくに本件交差点付近は前記のとおり札幌市内でも有数の繁華街「すすきの」に位置し、多数の歩行者が存在するばかりか、本件当時はその時刻からいつて歩行速度の遅い酩酊者も少なくないので、右のような残存歩行者がでる蓋然性は一層高いものといわねばならない

 

してみると、本件のような道路、交通状況のもとにおいて、対面信号が青色に変つた直後ただちに発進する自動車運転者としては、特段の事情のないかぎり、これと交差する本件横断歩道上にいまだ歩行者が残存し、なお横断を続行している可能性があることは十分に予測できたものとみるのが相当であつて、特段の事情を認めえない本件の場合、被告人に対しても右の予測可能性を肯定するになんらの妨げはない。そして、以上のごとく、被告人が本件交差点を通過するに際し、本件横断歩道上にいまだ横断中の歩行者が残存していることが予測できる場合においては、当該横断歩道により自車の前方を横断しようとする歩行者のいないことが明らかな場合とはいいえないから、たとえ、被告人が青色信号に従つて発進し本件交差点に進入したとしても、本件横断歩道の直前で停止できるような安全な速度で進行すべきことはもとより、同横断歩道により自車の前方を横断し、または横断しようとする歩行者があるときは、その直前で一時停止してその通行を妨害しないようにして歩行者を優先させなければならない(道路交通法38条1項なお同法36条4項参照)のであつて、被告人としては、いつでもこれに対処しうるよう、本件被害者らのような横断歩行者との接触の危険性をも十分予測して前方左右を注視し、交通の安全を確認して進行すべき業務上の注意義務があつたというべきである。

 

札幌高裁 昭和50年2月13日

そのほか、自転車横断帯から0.8m外れた横断歩道上を横断した自転車について、38条1項の優先対象と見なした判例があります。

車両等は,自転車横断帯に接近する場合には,当該自転車横断帯を通過する際に当該自転車横断帯によりその進路の前方を横断しようとする自転車がないことが明らかな場合除き,当該自転車横断帯の直前で停止することができるような速度で進行しなければならず,この場合において,自転車横断帯によりその進路の前方を横断し,又は横断しようとする自転車があるときは,当該自転車横断帯の直前で一時停止し,かつ,その通行を妨げないようにしなければならない(道路交通法38条1項)。前記事実関係によれば,被害者は,本件事故の際,自転車横断帯に接する横断歩道上を自転車に乗ったまま横断していたものであるがその横断していた所は,自転車横断帯の北側表示線の中心からわずかに約0.8m離れた所で,かつ,横断歩道上であることからすれば,被上告人において被害自転車の通行を優先させて安全を確保すべき前記義務を免れるものではないというべきである

 

最高裁判所第二小法廷  平成18年7月21日

赤信号突破

赤信号突破とか、普通に危険なプレイ。
平然と信号無視する自転車とかいますが、信号無視した結果については責任を負います。

 

赤信号無視の道路交通法違反の判例ですが、比較的最近、ちょっと変わった判例がありました。
判決は最高裁 令和元年6月3日。

 

概略だけ。

 

◯赤信号無視でパトカーから停止を求められたが、「信号は黄色だった」と否認。
赤無視ならパトカーのドラレコ見せろ!と迫ったものの、警察官は「そんなものはない」と拒否

◯否認事件として検察へ送致。
検察の取り調べの際も「黄色信号通過」を主張。
検察官から初めて「赤無視の車載カメラ映像」を見せられ、違反を認めて「やっぱ反則金払うから」と言ったものの、検察官は起訴。

◯大阪高裁が「その場で車載カメラ映像を見せない警察官が悪い」というトンデモ判決を出し、裁判打ち切りに。

◯最高裁が原判決を破棄。
被告人は赤信号無視で有罪確定。

 

最高裁が棄却した場合、今後は交通違反の取り締まりするときにイチイチ車載カメラを見せないと違法になる懸念すらありました。
まあ、大阪高裁が画期的な判決を出すからややこしくなる。

 

信号を守ることは難しい技術ではないのです。
どちらかというと、気持ちの問題

 




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