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そーいや左折と左折巻き込みの話。

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ちょっと前に書いた記事について、マニアックなりますが補足。

 

できる限り左側端ね。
まーた何だかいちゃもんつけてくる奴が沸いてますが、 これについては執務資料道路交通法解説に書いてあることですから、間違いだと思うなら出版社に言えばいいのにねえ笑。 いちゃもんつけたくてウズウズしていたのが丸見えですよ笑。 さて、最初に書いた...

 

相反するような判例?

車が二輪車を左折巻き込みした業務上過失致死傷の判例に、このような3つの最高裁判例と、高裁判例があります。

 

本件のように、技術的に道路左端に寄つて進行することが困難なため、他の車両が自己の車両と道路左端との中間に入りこむおそれがある場合にも、道路交通法規所定の左折の合図をし、かつ、できる限り道路の左側に寄つて徐行をし、更に後写鏡を見て後続車両の有無を確認したうえ左折を開始すれば足り、それ以上に、たとえば、車両の右側にある運転席を離れて車体の左側に寄り、その側窓から首を出す等して左後方のいわゆる死角にある他車両の有無を確認するまでの義務があるとは解せられない

 

昭和45年3月31日 最高裁判所第三小法廷

しかしながら、交差点で左折しようとする車両の運転者は、その時の道路および交通の状態その他の具体的状況に応じた適切な左折準備態勢に入つたのちは、特別な事情がないかぎり、後進車があつても、その運転者が交通法規を守り追突等の事故を回避するよう適切な行動に出ることを信頼して運転すれば足り、それ以上に、あえて法規に違反し自車の左方を強引に突破しようとする車両のありうることまでも予想した上での周到な後方安全確認をなすべき注意義務はないものと解するのが相当であり、後進車が足踏自転車であつてもこれを例外とすべき理由はない。

 

昭和46年6月25日 最高裁判所第二小法廷

被告人は、普通貨物自動車を運転し、幅員9.3mの道路を時速約35キロメートルで進行し、交通整理の行われていない交差点を左折しようとし、その手前約30mの地点で車内鏡によつて後方を確認したところ、左斜後方約20mの地点を追尾して来る自動二輪車を発見したので、同交差点の手前約22m付近で左折の合図をして車道左側端から約1.7mの間隔をおいて徐行し、同交差点入口付近において時速約10キロメートルで左折を開始した直後、被告人車の左側を直進して来た右の後進車に接触させ、事故を起したというのであり、また被告人が発見した際の同車の時速は約55キロメートルであつたというのである。原判決は、右の事実を前提とし、被告人が左斜後方に後進車のあることを発見したときの両車の進路、間隔及び速度等を考慮するときは、被告人車が前記のように左方に進路を変更すると後進車の進路を塞ぎ同車との衝突は避けられない関係にあつたことが明らかであるから、被告人車は従来の進路を変更してはならない場合にあたり、また、車道左端から約1.7mの間隔があり、かつ、前記のような進路を高速で被告人車を追い抜く可能性のある後進車のあることを認めた被告人としては、左折の合図をしただけでは足りず、後進車の動静に十分注意し、追い抜きを待つて道路左側に寄るなどの業務上の注意義務があるのに、被告人は右の注意義務を怠り、後進車の動静に注意を払うことなく左折を開始し、そのため本件衝突事故を惹起したものである、と判断しているのである。
すなわち本件は、道交法26条2項が優先的に適用される場合であつて、自車の進路を左側に変更して後進車の進路を妨害することは許されないものといわざるをえない(現行の道交法34条5項参照)。そうとすれば、前記のような状況下で後進車の動静に注意を払うことなく左折を開始した被告人に注意義務の違反のあることは明らかである。原判決の前記判断は、これと同旨であつて、正当というべきである。

 

昭和49年4月6日 最高裁判所第二小法廷

道路交通法34条によつて運転者に要求されているあらかじめ左折の前からできるかぎり道路の左側に寄らなければならないということにも運転技術上の限界があるため、被告人は自車の左側が道路の左側端から約1mの地点まで車を寄せるにとどめて進行し、赤信号によつて交差点の手前で約30秒の間一時停止したものであること、この運転方法は技術的にやむをえないところであるけれども、車幅は2.46mであるから、これによつて車両はかろうじて道路の中央線内に保持できるわけであるとともに、自車の左側1mの間に軽車両や原動機付自転車が進入してくる余地を残していたものであること、右位置において左折に入る場合においても一旦ハンドルをやや右にきりついでハンドルを左にきりかえして道路一杯になつて大曲りしなければ左折できない状況であつたことを認めることができる。そして、本件の足踏自転車が何時交差点の手前に進入してきたか、被告人車両との先後関係は記録上必ずしも明確でないところであるけれども、被告人が交差点の手前で一時停止するまでには先行車両を認めていないことに徴すると足踏自転車は被告人の車両が一時<要旨>停止してから発進するまで約30秒の間に後ろから進入してきたものと推認されるところ、被告人は平素の運</要旨>転経験から自車前部の左側部分に相当大きな死角(その状況は当裁判所の事実の取調としての検証調書のとおりである。)が存することは熟知していたのであり、しかもその停止時間が約30秒に及んでいるのであるから、その間に後ろから軽車両等が被告人車両の左側に進入しその死角にかくれることは十分予想されるところで、運転助手を同乗させていない本件のような場合は、右一時停止中は絶えず左側のバツクミラーを注視するなどして後ろから進入してくる軽車両等が死角にかくれる以前においてこれを捕捉し、これとの接触・衝突を回避するため適宜の措置をとりつつ発進、左折する業務上の注意義務があるのであつて、単に方向指示器をもつて自車の進路を示し、発進直前においてバツクミラーを一瞥するだけでは足らないものと解すべきである。
なぜならば、左折の方向指示をしたからといつて、後ろから進入してくる直進車両や左折車両が交差点に進入するのを防ぐことができないばかりでなく、後進してきた軽車両等か被告人車両の左側から進めの信号に従つて直進しもしくは左折することは交通法規上なんらさまたげないところであり、この場合はむしろ被告人車両のほうでまず左側の車両に道を譲るべきものと解されるからである。

 

昭和46年2月8日 東京高裁

大型車で左折前に左側端まで寄せることが困難な場合の注意義務について、単に結論だけ見ると判断が割れているように勘違いしちゃうけど、全部状況が違います。

 

それぞれについて、チラっとだけ解説。

昭和45年3月31日 最高裁

この判例は二審が大阪高裁昭和43年1月26日。
この判例は歩車道の区別がない道路で、先行車は道路左側端から2m空けていたもの(左折先道路の形状の問題)。
先行車は赤信号で停止すると同時に青信号になり発進した事例。

 

二審の大阪高裁は以下のように判断してます。

被告人の前記左折開始時において被告人の自動車と道路左端との間にはげんに2m余もの間隔があつたのであるから、たとえ被告人が前認定のごとく左折開始に先立ち左折の合図をしていたとしても、同自動車の運転者たる被告人としては、左折開始後短時間の間に自車の後続車輛がその左側方を通過するかもしれないことを予測し、これとの接触を避けるためあらかじめ左後方における他車輛の有無とその動静を確め、同車輛を先行せしめるなどして交通の安全をはからなければならない業務上の注意義務があるというべきである。けだし、道路交通法によれば、車輛が左折しようとするときは、燈火等によりその合図をするとともに、あらかじめできる限り道路の左側に寄り、かつ、徐行しなければならない旨規定し(道路交通法34条、53条)ているのは合図によるだけで、当該車輛と道路左側との間隔が大きいと、その中間に他の車輛が入りこみ、左折する車輛とその後続車輛とが衝突する恐れがあることを考慮し、できるだけあらかじめ左側に寄ることを要求していることがうかゞえるのであるから、所論のごとく本件の場合、交差点の道路の状況上あらかじめ自車をより左に寄せて左折することが技術的に困難であつたとすれば、自車と道路左側の中間に後続車が進入して来ることを考慮し、その有無を確認しそれとの接触を避けるべき注意義務を上述の如く被告人に負わしめることは当然であつてこれが苛酷に過ぎるとはいえない。また被害者にも所論の如き不注意な点があつたとしても、本件結果発生に対する右注意義務違反による被告人の過失責任を免れしめるものではないと解すべきである。

 

昭和43年1月26日 大阪高裁

二審は有罪としたものの、最高裁は破棄。

本件のように、技術的に道路左端に寄つて進行することが困難なため、他の車両が自己の車両と道路左端との中間に入りこむおそれがある場合にも、道路交通法規所定の左折の合図をし、かつ、できる限り道路の左側に寄つて徐行をし、更に後写鏡を見て後続車両の有無を確認したうえ左折を開始すれば足り、それ以上に、たとえば、車両の右側にある運転席を離れて車体の左側に寄り、その側窓から首を出す等して左後方のいわゆる死角にある他車両の有無を確認するまでの義務があるとは解せられない

 

昭和45年3月31日 最高裁判所第三小法廷

破棄した理由は、ミラーで確認した上で後続車がないことを確認していたから注意義務は果たしたから無罪。

 

これと相反するのでは?と思われるのが昭和46年2月8日 東京高裁。
違いを挙げると、最高裁判例は赤信号で止まると同時に青信号で発進し、ミラーで確認している。
東京高裁のほうは、30秒も信号待ちしていたからその間に死角に入ることが予見可能。
要は似たような話でも、状況次第で注意義務が加重される。
ミラーで「一瞥するだけでは足らない」としている。

道路交通法34条によつて運転者に要求されているあらかじめ左折の前からできるかぎり道路の左側に寄らなければならないということにも運転技術上の限界があるため、被告人は自車の左側が道路の左側端から約1mの地点まで車を寄せるにとどめて進行し、赤信号によつて交差点の手前で約30秒の間一時停止したものであること、この運転方法は技術的にやむをえないところであるけれども、車幅は2.46mであるから、これによつて車両はかろうじて道路の中央線内に保持できるわけであるとともに、自車の左側1mの間に軽車両や原動機付自転車が進入してくる余地を残していたものであること、右位置において左折に入る場合においても一旦ハンドルをやや右にきりついでハンドルを左にきりかえして道路一杯になつて大曲りしなければ左折できない状況であつたことを認めることができる。そして、本件の足踏自転車が何時交差点の手前に進入してきたか、被告人車両との先後関係は記録上必ずしも明確でないところであるけれども、被告人が交差点の手前で一時停止するまでには先行車両を認めていないことに徴すると足踏自転車は被告人の車両が一時<要旨>停止してから発進するまで約30秒の間に後ろから進入してきたものと推認されるところ、被告人は平素の運</要旨>転経験から自車前部の左側部分に相当大きな死角(その状況は当裁判所の事実の取調としての検証調書のとおりである。)が存することは熟知していたのであり、しかもその停止時間が約30秒に及んでいるのであるから、その間に後ろから軽車両等が被告人車両の左側に進入しその死角にかくれることは十分予想されるところで、運転助手を同乗させていない本件のような場合は、右一時停止中は絶えず左側のバツクミラーを注視するなどして後ろから進入してくる軽車両等が死角にかくれる以前においてこれを捕捉し、これとの接触・衝突を回避するため適宜の措置をとりつつ発進、左折する業務上の注意義務があるのであつて、単に方向指示器をもつて自車の進路を示し、発進直前においてバツクミラーを一瞥するだけでは足らないものと解すべきである。
なぜならば、左折の方向指示をしたからといつて、後ろから進入してくる直進車両や左折車両が交差点に進入するのを防ぐことができないばかりでなく、後進してきた軽車両等か被告人車両の左側から進めの信号に従つて直進しもしくは左折することは交通法規上なんらさまたげないところであり、この場合はむしろ被告人車両のほうでまず左側の車両に道を譲るべきものと解されるからである。

 

(中略)

この点に関しては、昭和43年(あ)第483号同45年3月31日最高裁判所第三小法廷判決が、本件ときわめて類似した事案において、「本件のように技術的に道路左端に寄つて進行することが困難なため、他の車両が自己の車両と道路左端との中間に入りこむおそれがある場合にも、道路交通法規所定の左折の合図をし、かつ、できる限り道路の左側に寄つて徐行をし、更に後写鏡を見て後続車両の有無を確認したうえ左折を開始すれば足り、それ以上に、たとえば、車両の右側にある運転席を離れて車体の左側に寄り、その側窓から首を出す等して左後方のいわゆる死角にある他車両の有無を確認するまでの義務があるとは解せられない」として一、二審の有罪判決を破棄し、無罪を言い渡しているところである。そこで右判例の事案における事実関係と本件の事実関係と対比検討してみると、前者は車幅1.65mの普通貨物自動車であるのに対し、後者は2.46mの車幅を有する前記のような長大かつ車高の高い大型貨物自動車であるから、したがつて死角の大きさにも著しい相違があると推測されること、前者は信号まちのため瞬時停止したに過ぎないのに対し、後者は信号まちのため約30秒間停止したものであるから、その間に後進の軽車両等が進入してくる可能性はより大きいといえること、したがつてバツクミラーによつて後ろから進入してくる軽車両等を死角に達するまでに発見して適切な措置をとる必要性がより大きいことにおいて事実関係に差異があると認められる。そして、以上の諸点と、本件のような長大な車両と軽車両とが同じ路面を通行する場合において、両者が接触すれば被害を被むるのは必らず軽車両側であることに思いをいたせば、本件の場合長大かつ死角の大きい車両の運転者に死角に入る以前において他の車両を発見する業務上の注意義務を課することは、公平の観念に照らしても均衡を失するものとはいえず、所論いわゆる信頼の原則に副わないものではなく、また前記第三小法廷の判例に反するものでもないと判断される。したがつて、原判決が安全確認の義務を怠つたとする判断は結局正当であるから、この点の論旨は理由がない。

 

昭和46年2月8日 東京高裁

昭和46年6月25日 最高裁

この判例は二審が札幌高裁 昭和45年3月19日。
最高裁は以下の理由から破棄差戻しに。

 1、被告車は、本件交差点手前側端から少くとも約60m手前の地点で自転車を追い抜き、約29m手前の地点で左折の合図をし、十分に速度を減じ、約6m手前の付近で左後方サイドミラーで自転車が後方にいることを確認してから、ハンドルを左に切つたと認められること

 

(中略)

 

しかしながら、交差点で左折しようとする車両の運転者は、その時の道路および交通の状態その他の具体的状況に応じた適切な左折準備態勢に入つたのちは、特別な事情がないかぎり、後進車があつても、その運転者が交通法規を守り追突等の事故を回避するよう適切な行動に出ることを信頼して運転すれば足り、それ以上に、あえて法規に違反し自車の左方を強引に突破しようとする車両のありうることまでも予想した上での周到な後方安全確認をなすべき注意義務はないものと解するのが相当であり、後進車が足踏自転車であつてもこれを例外とすべき理由はない。

これを本件についてみると、原判決が判示した前記事実関係によれば、被告人は法に従い左折の合図をして左折を開始したもので、当時の道路および交通の状態等具体的な状況に応じた適切な左折準備態勢に入つていたことがうかがわれるのである。そうであるとすれば、被告人に過失があるとするためには本件当時とつた措置よりもより周到な後方安全確認をなすべき注意義務を被告人に課するに足りる特別な事情の存在が前提となるものであるところ、原判決がその説示をすることなく、単に前摘示のような判示をしただけで、ただちに被告人に後方安全確認義務懈怠の過失を認めたのは、法令の解釈適用を誤り、ひいて審理を尽くさなかつた違法があり、原判決を破棄しなければいちじるしく正義に反するものと認める。

 

昭和46年6月25日 最高裁判所第二小法廷

要はだいぶ前に追い抜きし、左折動作に入ったにも関わらず自転車が左から追い抜きしようとした事故。

昭和49年4月6日 最高裁

二審は福岡高裁 昭和47年6月13日。
この判例は、ミラーで追い抜きする可能性がある高速度のオートバイを発見していたから、見ていた以上は注意義務違反としてます。

被告人は、普通貨物自動車を運転し、幅員9.3mの道路を時速約35キロメートルで進行し、交通整理の行われていない交差点を左折しようとし、その手前約30mの地点で車内鏡によつて後方を確認したところ、左斜後方約20mの地点を追尾して来る自動二輪車を発見したので、同交差点の手前約22m付近で左折の合図をして車道左側端から約1.7mの間隔をおいて徐行し、同交差点入口付近において時速約10キロメートルで左折を開始した直後、被告人車の左側を直進して来た右の後進車に接触させ、事故を起したというのであり、また被告人が発見した際の同車の時速は約55キロメートルであつたというのである。原判決は、右の事実を前提とし、被告人が左斜後方に後進車のあることを発見したときの両車の進路、間隔及び速度等を考慮するときは、被告人車が前記のように左方に進路を変更すると後進車の進路を塞ぎ同車との衝突は避けられない関係にあつたことが明らかであるから、被告人車は従来の進路を変更してはならない場合にあたり、また、車道左端から約1.7mの間隔があり、かつ、前記のような進路を高速で被告人車を追い抜く可能性のある後進車のあることを認めた被告人としては、左折の合図をしただけでは足りず、後進車の動静に十分注意し、追い抜きを待つて道路左側に寄るなどの業務上の注意義務があるのに、被告人は右の注意義務を怠り、後進車の動静に注意を払うことなく左折を開始し、そのため本件衝突事故を惹起したものである、と判断しているのである。
すなわち本件は、道交法26条2項が優先的に適用される場合であつて、自車の進路を左側に変更して後進車の進路を妨害することは許されないものといわざるをえない(現行の道交法34条5項参照)。そうとすれば、前記のような状況下で後進車の動静に注意を払うことなく左折を開始した被告人に注意義務の違反のあることは明らかである。原判決の前記判断は、これと同旨であつて、正当というべきである。

 

昭和49年4月6日 最高裁判所第二小法廷

このように

全部状況が違うのですが、簡単にまとめるとこうなります。

先行左折車の義務 後続直進車の義務
条文 26条の2第2項 34条6項、35条2項
義務 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない 左折又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。

この限界点が状況次第で違うわけ。

 

話を戻します。

 

できる限り左側端ね。
まーた何だかいちゃもんつけてくる奴が沸いてますが、 これについては執務資料道路交通法解説に書いてあることですから、間違いだと思うなら出版社に言えばいいのにねえ笑。 いちゃもんつけたくてウズウズしていたのが丸見えですよ笑。 さて、最初に書いた...

 

軽車両は路側帯まで寄せると執務資料に書いてある件。

路側帯を自転車が通行することは適法なので、左折自転車は直進自転車の速度や進路を急激に変えるようなプレイは禁止。
つまりは左後方確認義務を負う。

 

34条1項の趣旨は

道路交通法によれば、車輛が左折しようとするときは、燈火等によりその合図をするとともに、あらかじめできる限り道路の左側に寄り、かつ、徐行しなければならない旨規定し(道路交通法34条、53条)ているのは合図によるだけで、当該車輛と道路左側との間隔が大きいと、その中間に他の車輛が入りこみ、左折する車輛とその後続車輛とが衝突する恐れがあることを考慮し、できるだけあらかじめ左側に寄ることを要求していることがうかゞえる

 

昭和43年1月26日 大阪高裁

この隙間を埋めてしまえば物理的に二輪車は入れないけど、大型車が左折するときには左側端まで寄れない。
寄れないということは左折直前に左後方の確認義務を負う。

 

単にそれだけです。
寄せて二輪車をブロックするか、物理的に不可能なら左後方確認の注意義務を負う。
二輪車が入る余地がない程度まで寄せたら、寄せる段階では左後方の注意義務を負うけど、それ以降は負わない。
執務資料の著者がここまで考えて「軽車両は路側帯まで寄せる」と書いたのかはわかりません。

 

ちなみに進行方向別通行区別がある場合、左側端まで寄せる義務がないと読めます。
これはダブル左折レーンみたいに左折通行帯が複数あれば左側端まで寄れないのは明らかだから。

 

寄れないということは、自転車の直進などに備えて左後方確認義務を負うというだけのこと。

自転車が第一通行帯から直進することは適法、車が第二通行帯から左折するのも適法。
こちらで挙げたケースは後方ではなく前方ですが、

 

自転車は第1車線からしか直進できないことを知らないドライバーも多い。
これは昔からアルアル話なのかもしれませんが、多車線交差点において、自転車は最左車線からしか直進できないことを知らないドライバーはそれなりにいる。 最も左端の車線が左折専用レーンだったとしても、自転車は左折レーンから直進するしかない規定です。...

 

車が左折する前に第一通行帯を直進する自転車を確認する義務を負う。
けど、そもそも自転車が第一通行帯からしか直進できないこと自体が知られていない。

 

左折車の左側端寄せって二輪車の追い抜きを防ぐ規定だけど、物理的に不可能なら左折直前に左後方確認義務を負う。
きちんと左側端まで寄せていれば、左折直前には左後方確認義務を負わないとも言えます。

 

ミラー装備義務がない自転車が、左折直前に左後方確認して対向右折車や横断歩行者の動静確認まですることは不合理だし、手信号(笑)を片手でだしながらやることは不可能に近い。

 

執務資料の著者がここまで意図して書いたのかは知らないけど、たいした考えもなく絡んでくる奴がいると面倒ですよね笑。
わからなくなったときは、立法趣旨や判例から検討するのが解決への近道かと。
条文だけ読んでいるとわからんし。

 

まあ、きっと彼は出版社に厳重な抗議をしたのでしょうけど、間違いだと騒ぐことは誰でもできるので、そんな低レベルなことよりも深く検討したほうが有意義な気がします。
まあ、提示した判例をみて「路側帯が規定される前の判例だから無意味」と考える時点で、やっぱり判例の意味を理解できない人だったかと自爆するだけなんですが。
そんな実力だから裁判官が当たり前の判示をしたにも関わらず「裁判官がおかしい」と言い出すのでしょう。


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