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理由があれば許されるのか?

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例えばの話をします。

歩道→車道へノールック

例えばですが、車が道路外から歩道を横切り車道に出ようとしたとする。
当たり前だけど、車は歩道を横切る前と車道に出る前に一時停止してそれぞれ歩道、車道の交通状況を確認しますよね。

車道に出る際に、なかなか車道に進出するタイミングがなく一時停止して待っているときに、歩道を自転車が通行して向かってきたとする。

車が塞いでいる形なので、自転車がそれ以上進行したいなら車の後ろを通行するか、しばらく待って車が車道に行くのを待つという2つの選択肢がある。
(歩道を通行する自転車は歩道の真ん中から車道寄り通行義務があるけど、こういうときに歩道の非車道寄りを通行することについては、きちんと歩行者の通行を確認していたなら咎められることは通常あり得ない。まあ、法律に則れば降りて押して歩行者になるのが正解。)

ところが自転車は、歩道→車道に降りて車道を逆走して車の前を通過した。
これについて、「車が邪魔だったから理由があるし仕方がない」という考え方が許されるのか?という話。

まず、車道に出るために待機していた車からすれば、トリッキーな動きをされたらびっくりしますわな。

 

次に、車道に出るために待機しているのは見りゃわかるのだから、車道には普通に進行している他の車両がある可能性は容易に予見可能。

 

ところが、車道を正常に進行していた車両からすれば、車の影になり死角にあたる部分から突如逆走進行してくる自転車が出てくるワケで、予測不可能。

車道を正常に進行していた車両が二輪車(オートバイや自転車)だった場合には、下手すると車道を正常に進行していた二輪車側が爆死する。

 

「車が邪魔だったから」という理由で逆走が正当化される余地はないし、たまたま車道を通行する車両がなかったとか、何とか事故を回避できたという結果論で正当化されるものでもない。

 

似て非なるケースはこれ。

歩道を通行していた自転車が、車道にノールックで進出し逆走斜め横断した結果、車道を正常に進行していたロードバイクと衝突。
配電ボックスと被告(歩道通行自転車)の高さが同じくらいなので、車道を正常に進行していたロードバイクからすれば死角になる上に、通常あり得ない動き。
ロード乗りの方は20代ですが言語機能喪失と右上下肢の全廃。
速度は30キロ以下。

 

先日の判例についてちょっと補足。
先日挙げた判例なんですが、 ちょっと補足。 なぜ車道ロードバイクにも5割の過失が付いたか まず、事故の前提から。 ・原告(ロードバイク)は車道を通行していた。 ・被告(自転車)は歩道を通行していた。 ・歩道には配電ボックスがあり、被告の身長...

 

こういうのって、「事故が起きなかったという結果論」の積み重ねがいつか事故になるわけで、事故が起きなかったという結果論で許される問題であってはならないんだよね。
理由があるから許容されるものでもない。
車道を逆走することに様々な事故が起きる蓋然性があることは、通常の思考能力さえあればわかるのだから。

想像力の欠如

ただまあ、想像力が著しく欠落していると、自転車が歩道から車道にノールックで突撃することについて、「理由」があれば許容されるという恐ろしい思考に陥る。

 

事故の判例を見ていると、些細な不注意に起因するものってあるわけですが、些細な不注意が大きな結果に陥るのも自明。
上判例の事故なんて、防げる事故でしかない。

 

車道に進出予定の車両からすれば、トリッキーな動きをした自転車との事故を回避することは何ら難しいことではない。
発進前に再度左側を確認する必要があるのだから。

 

けど、死角に近くなる車道を進行する車両からすれば単なるテロでしかないし、予見不可能になる。
しかも、二輪車なら普通に死ぬリスクすらある。

 

そういうところまで「想像して」物事の善悪を検討する必要がありますが、想像力が欠如すると「その先」にあるリスクまで頭が回らなくなるワケ。

 

予測運転と言いますが、頭がおかしい自転車を予見しながら自転車に乗るしかないのでしょうね。
ダメなものをダメと断言できない人って、結局は表面的リスクしか見えてないこともある。
問題は「そのさらに先」にあることなんていくらでもある。

 

法律上の正規の手段をすっ飛ばして違法行為をすれば、当然のようにリスクが高まる。
この状況で「法律通りにするならば」、自転車が一時停止して車が通過するのを待つか、降りて押して歩行者になり車の後ろを通行するしかない。
まあ、きちんと確認して「歩道の真ん中から非車道寄り」を通行することが即座に悪とまでは思わないけど。

もちろんですが、車が道路外から歩道を横切り車道に出ようとする段階で、自転車に急ブレーキを強いるような進出方法であればダメです。

 

けど、謎のタイミングで車道にノールックアタックする自転車ってホント減らない。
他に安全な選択肢がある中、ノールックアタックする自転車については想像力の欠如としか思わないけど、それを擁護することについても想像力の欠如としか思わない。

 

何度も書いているように、こちらの判例。

50:50で賠償額は約9300万。
交差点が30mちょっとあるため、事故現場近くの横断歩道等をロードバイクが通過したタイミングに信号が変わったことがマイナスに働いているように思うけど、それ自体は信号無視ではありません。

 

先日の判例についてちょっと補足。
先日挙げた判例なんですが、 ちょっと補足。 なぜ車道ロードバイクにも5割の過失が付いたか まず、事故の前提から。 ・原告(ロードバイク)は車道を通行していた。 ・被告(自転車)は歩道を通行していた。 ・歩道には配電ボックスがあり、被告の身長...

 

ロード乗りがヘルメットを被る理由って、ママチャリのアタックが想定外で不可避だからなんでしたっけ??
操作ミスなどの落車時に備えているのがヘルメットだと思っていたけど、ロードバイク乗りがヘルメットを被る主な理由はママチャリの予想外アタックから身を守るためなんじゃないかとすら思える。

 

「たまたま事故に至らなかった」という体験が違反を増長し、違反を肯定するのかもしれないけど、わずかだろうと車道をノールックアタックして逆走するプレイは慎んでほしいと願います。
死角って、トラブルが起こる要素しかないので。






コメント

  1. カモがネギしょってる より:

    鼻先を出した車がいる場合に黄緑の自動車を運転していたとすれば、歩道から出てくるかもと思って速度を落として大きく避けますね。危険予測の定番ですし。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      普通はおっしゃるように減速したり避けますが、だからといって車道を逆走する自転車が許さないという意味です。

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