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車道外側線の外側は、通行可能?

だいぶ前に書いた記事についてご意見を頂きました。

ウィキペディアの【車道外側線】のページをみると、車道外側線の外側は車道であるとした判例と、車道ではないとした判例で見解が割れていることになっ...

読者様
読者様
車道外側線の外側について判例での見解がバラバラな以上、通行しないほうがいいとアナウンスすべきではないでしょうか?
Wikipediaでも判例が対立していると書いてあります。

※歩道がある道路のみを検討します。

裁判所の見解が割れる理由

裁判所の見解が割れているというか、個人的にはいくつかの要素により見解が割れているように見えるだけと考えます。

・裁判官の無知
・当事者の主張不足

標識令によると、車道外側線はこのようになっています。

別表第三(第五条関係、区画線)

種類番号設置場所
車道外側線103車道の外側の縁線を示す必要がある区間の車道の外側

「車道」の外側の縁線だとしています。
ここで問題なのは、道路交通法の車道と道路法(道路構造令)の車道は定義が違う。

<道路交通法>

三 車道 車両の通行の用に供するため縁石線若しくは柵その他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。

<道路構造令>

四 車道 専ら車両の通行の用に供することを目的とする道路の部分(自転車道を除く。)をいう。

道路交通法の車道は
・縁石
・柵
・その他構造物
・道路標示

このどれかで区切った部分。
車道外側線は道路標示ではなく「区画線」なので、そもそも道路交通法上では全く関係ありません。

道路交通法の車道と道路構造令の車道は範囲が違います。

車道外側線は「区画線」。
車道の外側の縁線を示す必要がある区間の車道の外側」の車道というのが、道路交通法の車道ではなく道路構造令(道路法)の車道のことになりますが、裁判官がここをわかっていないことがあるのか、民事の判例はおかしな判断されていることもあります。

なので、紛らわしいところをちゃんと主張しないと、無知な裁判官に当たるとメチャクチャになる。
だいたいにして、この判例。

ウィキペディアの【車道外側線】のページをみると、車道外側線の外側は車道であるとした判例と、車道ではないとした判例で見解が割れていることになっ...

一審は車道外側線の外側は「路側帯」としてます。
歩道があるから路側帯になりようがない。
二審は路側帯ではないとした上で、車道外側線の外側は車道ではないとしてますが、道路交通法には路肩という定義もないし、単なる間違いです。

刑事の判例

刑事の判例は見解が割れてないと見ているので、参考までに。

所論は、車道外側線から歩道までの幅約1.2mの部分は、総理府・建設省令第三号「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」第5条、第6条、別表第三、第四により、車道ではなく、単車の通行は許されないから、被害車の通行可能な部分は約0.5mしかないのに、原判決が、車体幅約0.58mの原動機付自転車の通行には支障のない状態であったと認定しているのは誤りである、と主張する。
しかし、車道外側線は、道路構造令(昭和45年政令第320号)でいう車道と路肩とを区分するために両者の境界に引かれた区画線であり、その線の外側、すなわち車道外側線と歩道との間の部分も道路交通法上は車道にほかならないから、車両がそこを通行することは何ら違法ではない。

大阪高裁 平成3年11月7日

この判例は歩道縁石まで約1.7m空けた状態で停止し、左ドアを開けた結果、後続の原付がドアに衝突した事故。
運転者が業務上過失傷害に問われた事件ですが、最高裁も同判決を是認していますし(平成5年10月12日)、車道外側線と歩道の間は、道路交通法上は車道で間違いないかと。

ただし最高裁は注意義務違反を是認しただけで、そこが車道か否かについては触れていません。
まあ、車道ではないなら最高裁がツッコミ入れると思いますが。

 一 原判決及びその是認する第一審判決の認定によると、(1)被告人は、普通乗用自動車に妻を同乗させて運転中、交差点から約50メートル手前の地点で信号待ちのために前車に追随して停止し、同所で妻後部左側ドアから降車させようとした、(2)同所付近は、交通頻繁な市街地域であり、かつ、被告人車と左側歩道との間には約1.7メートルの通行余地があった、(3)被告人は、単に自車左側のフェンダーミラーを一べつしたのみで、後方から接近する車両はないものと考え、妻に対して降車の指示をし、これに従って同女が不用意に後部左側ドアを開けたところ、後方から走行してきた被害者運転の原動機付自転車がドア先端部に衝突し、被害者が傷害を負った、というのである。
二 右のような状況の下で停車した場合、自動車運転者は、同乗者が降車するに当たり、フェンダーミラー等を通じて左後方の安全を確認した上で、開扉を指示するなど適切な措置を採るべき注意義務を負うというべきであるところ、被告人は、これを怠り、進行してくる被害者運転車両を看過し、そのため同乗者である妻に対して適切な指示を行わなかったものと認められる。
この点に関して被告人は、公判廷において、妻に対して「ドアをばんと開けるな。」と言った旨供述するが、右の言辞が妻に左後方の安全を確認した上でドアを開けることを指示したものであるとしても、前記注意義務は、被告人の自動車運転者としての立場に基づき発生するものと解されるから、同乗者にその履行を代行させることは許されないというべきであって、右のように告げただけでは、自己の注意義務を尽くしたものとはいえない。これと同旨の見解に立つて、被告人の過失を肯認した原判断は、正当である。

最高裁判所第三小法廷 平成5年10月12日

民事の判例の場合、法の適用がおかしなものはそれなりに見かけます。
誤解を生みそうなところはしっかり主張した方がよろしいかと。

そもそもWikipediaは

Wikipediaって誰が書いているのか知りませんが、車道外側線の項目にはこのように書いてあります。

路側端に歩道がある場合の車道外側線の外側部分(白線と歩道との間)について、車道に当たるとする判例と、車道には当たらないとする判例が対立している。判例では車道外側線の外側が副道の場合は、車両の通行が可能。路肩の場合については、歩行者と車両の双方対して、通行してはならないとする判決になっている。

Wikipediaより

正直なところ、副道かどうかなんて観点で判断されてない判例はたくさんあるし(横浜地裁判決も含め)、判例が「対立」しているという表現は不適切な気がします。
大阪高裁平成3年11月7日判決では、車道外側線の外側は「路肩」だとした上で、それは道路構造令上の話でしかなく、道路交通法上は車道だとしてますし。

他の例でいうなら、例えば道路交通法38条1項を「横断歩道を横断する自転車」に適用している判例なんて普通に存在しますが、だからといって「判例が対立している」わけではなくて単に間違っているだけですし。

車道外側線って、道路交通法上は何ら規制効力を持たない「法定外のお絵描き」なので、車道外側線を基準に語ることに何ら意味はありません。
道路を作る側のルールでしかなく、道路を使う側には何ら関係ない。

せっかくですし、他にも判例をいくつか挙げますが別記事にて。
Wikipediaの記述については結論の導き方が雑に思えますが、あんまり鵜呑みにしないほうがよろしいかと。





コメント

  1. kueharaaz より:

    都内ですが私の生活圏ではナビマークが路肩に入っている道路がたくさんあります。
    それが違反といわれても、という感じですよね。
    おそらくですがほとんどのドライバーはナビマークを見ると自転車レーンと勘違いしてくれるので、バイクのこちらとしてはむしろ気が楽です。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      路肩は車道ですし、違反にはなりませんよね。
      むしろ車道外側線を広めにとって、自転車通行帯風にしてもらったほうがいいのかもしれません。