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素晴らしい。というより当たり前。

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そりゃそうなるわな。
歩行者に譲られて先に行くことを、妨害とみなすことに無理がある。

そもそも

こちらでも触れてますが、

 

歩行者が横断歩道で譲る。
なんか物凄く話題になってますよね、コレ。 歩行者が「先に行け」とした場合にどう判断されるのかについては、判例を見たことがありません。 そもそも、仮に争うにしてもどうせ不起訴がオチなので争えないという問題はありますが。 「横断しようとする歩行...

 

旧71条3号(現38条1項)の判例ですが、横断意思の一時放棄について言及しています。

右法条にいわゆる「横断しようとしているとき」とは、所論のように、歩行者の動作その他の状況から見て、その者に横断しようとする意思のあることが外見上からも見受けられる場合を指称するものであるが、論旨第一点において説示したとおり、老人が横断歩道で立ちどまつたのは、そのまま横断すれば危険であると考え、その安全を見極めるためにしたものにすぎず、横断の意思を外見上明らかに一時放棄したものとはいえないから、この場合は、前記法条にいわゆる「横断しようとしているとき」に該当するものというべきである。そこで右主張もまたこれを容れることができない。論旨は理由がない。

 

東京高裁 昭和42年10月12日

当時の法律は71条3号(昭和38年改正)。

三 歩行者が横断歩道により道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)を横断し、又は横断しようとしているときは、当該横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにすること。

歩行者が先に行けとしているのは「横断意思の一時放棄」により「横断しようとする歩行者」に該当しない可能性もあるし、先に行けと歩行者が促したから先に行くことを妨害とみなすのは無理がある。

 

まあ、執務資料をちゃんと読めない方々は、果敢に弁護士にアタックしてましたが、

感情論を炸裂させている方々が多く、法律論で返せないあたりかビミョーだなと思ってみてました。
たぶん、こういう方々にはわからないだろうけど。

 

そういやコレを見ていて思うこと。
先日のコレ。 法律論 対 感情論としか思っておらず。 法律論 対 感情論 違反否定派(法律論) 対 違反肯定派(感情論)の醜い争いとしか。 後段のみ抜粋するとこうなります。 横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者...

 

判例についても、執務資料に掲載された一部だけみて類似案件と勘違いするような人とか、法律解釈論から事故を無くしたいとか意味不明な感情論を炸裂させている人とか。
一時停止して、歩行者が先に行けと言って、きちんと確認して先に進むことのどこに事故が起きる要素があるのやら。

 

「歩行者は譲ったけど、急に気が変わったらどうするんだ!」とか語る人もいますが、「だったら譲るなよ」的なあり得ない想定を炸裂させている人とかいたけど、当たり屋じゃあるまいし。

 

病的に法律を解釈する人は、いったい何をしたいのだろう。
一時停止しなかったならともかく、一時停止した上だからね。

 

ちょっと前には、道路交通法38条1項は横断歩道が赤信号でも「義務がある」とメチャクチャな理論を掲げていた人もいますが、

最初から書いてるように、この人が語る内容って道路交通法70条の義務であり、過失運転致死傷における注意義務と38条の義務を混同している。
38条1項は、適法に横断する歩行者を優先する規定だと昭和30年代から「明らか」にされてますが、ちゃんと調べないで語り出すからトンチンカンな話をしていることにも気がつかないらしい。

 

理由はこちら。

 

ついでなので、横断歩道の歩行者優先規定の歴史。
なんかグダグダ言ってる奴がいますが、話の流れ上、横断歩行者妨害について調べた内容をまとめておきます。 横断歩道を横断する歩行者に対する道路交通法の規定は、なかなか不思議な歴史を辿っています。 先にネタバレ。昭和42年道路交通法改正時に説明さ...

 

この改正内容の第二点は、従来の第一項および第二項の区別を廃止したことである。改正前の第38条は交差点における交通整理の有無によって第一項と第二項を分けて規定していたが、車両等の義務の内容としてはいずれも「歩行者の通行を妨げてはならない」ことを規定していた。したがって、規定をこのように分けていた実益は、交通整理の行われている交差点において優先の適用を受ける歩行者を「信号機の表示する信号または警察官の手信号等に従って横断している」歩行者に限っていたことにあると考えられるが、本来このような優先の規定は適法な歩行者にのみ適用になると解するのが当然のことであるので(注2)、今回の改正を機にこの区別を廃止したのである。

 

(注2)この点については、改正前の第71条第3号すなわち改正後の第38条第1項の規定についても、信号無視の歩行者に優先権を与えたものでないのは解釈上当然のことであると考えられていた

 

警察庁交通企画課 浅野信二郎、警察学論集20(12)、p37、立花書房、1967年12月

信号無視する歩行者を優先する規定があるなら、信号の存在が無価値になるでしょ。
同じく37条にも信号の有無は条文には書いてないけど、これを見て感じるところが無い時点でお察し。

道路交通法第37条第1項所定の交差点における直進車の右折車に対する優先は、直進車が交差点に適法に入ったときだけに限るのであって、信号を無視して不法に交差点に入った場合には認められない。

 

昭和38年11月20日 東京高裁

旧38条(昭和41年まで)は信号の有無を分けて記述していたけど、なぜ信号の有無を分けて記述していたのかは道路交通取締法(昭和24年)まで遡らないとわからないだろうし、なぜ昭和42年改正で信号の有無が削除されたのか考えればわかりそうなもんだけどな。

 

義務の有無」ですよ。
正しく判断している裁判官を「おかしい」などと言う前に、調べてみればわかりそうなもんだけどな。
まあ200m手前から義務があると言ってみたけど言ってないというくらいなので、そもそも話にならない。

 

開き直り?
こういうのは、日本語で言うところの開き直りとしか思えないのですが、 「顔真っ赤」とか、根拠がないことで誹謗中傷するみたい。 この人と議論が成立しえない理由はこういうところ。 それを発したところで議論上、何の役に立つのかわからない誹謗中傷して...

 

38条を正しく解釈して実践すべきなのに、無意味に拡大解釈する人の心理はわからん。
止まらない現実を何とかするならわかるが、拡大解釈して義務を課すのはお門違い。

 

横断歩道を横断する歩行者と38条の関係。判例を元に。
前回、横断歩道を横断する自転車についての判例をまとめましたが、歩行者についてもまとめておきます。 道路交通法38条1項とは 道路交通法では、横断歩道を横断する歩行者について極めて強い優先権を与えています。 (横断歩道等における歩行者等の優先...

 

いくつかの

執務資料一冊に頼って全てを解決できると思っている方々もいますが、疑義があれば他の解説書を可能な限りたくさん読んだり、判例についても全文読むことをオススメします。
執務資料に掲載されている判例も、正直なところ今の時代には不適切なものもあるし。

 

点数の取消、是正は行政訴訟を提起できないのですが、点数自体は行政処分ではないからです。
免停や免取の場合や、ゴールド免許から格下げになった場合しか訴訟提起できません。
不適法な訴訟提起だとして、請求棄却ではなく却下になります。
違法ではないのに点数を加算されたら、取消にする手段が無いに等しい。
不起訴の場合も点数は残るし。
まあ、行政訴訟は本気でオススメしません。
二度としたくない。

1 行政事件訴訟法にいう行政庁の処分とは、法令に基づく行為のすべてを意味するものではなく、行政庁が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいうものと解する(最判昭和39年10月29日・民集18巻8号1809頁参照)。
2 法は、自動車運転等の禁止の命令(法75条の2)、免許の取消し及び停止(法103条2項)、仮免許の取消し及び停止(法106条の2)等の各規定において、「政令で定める基準」に従うものと規定しており、法施行令は、上記各規定における「政令で定める基準」として、法、法施行令及び法に基づく処分に違反する行為を「違反行為」とし、個々の違反行
為に所定の点数を付することとする累積点数制度を用いている。
しかし、同施行令の規定の仕方は、いずれも「違反行為をした場合において、その累積点数が別表…に掲げる点数に該当することとなったとき」というように、上記の各行政処分につき、累積点数それ自体を要件とはせずに、一定の点数に該当する個々の違反行為の存在自体を要件とした文言になっており、累積点数が一定の点数に達することが上記の各行政処分の要件となるものではないと解される。
また、法や法施行令によっても、累積点数を加算する行為については、これをその都度当該運転者に対して一般的に通知することとはされておらず、他の法令の規定に照らしても、このような通知の制度は設けられていないと解される。このことは、累積点数を加算する行為が当該運転者によって不服申立手続や訴訟で争われることを法が予定していないことを窺わせるものといえる。
3 このようにみてくると、累積点数を加算する措置は、公安委員会において各処分要件が整ったかどうかを画一的にチェックするための内部処理のための制度であって、それ自体は、国民の権利義務に何らの影響を与えるものではなく、したがって、行政処分には該当しないものと解するのが相当である。

 

京都地裁 平成13年8月24日





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