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こちらをどうぞ。

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こちらでチラっと触れた判例ですが、

 

「交通違反する車両」を予測して運転する義務はあるか?
先日ちょっと質問を頂いた中に、 というビミョーな質問を頂きました。 何とも言い難いところです。 違反する車両を予測して運転する義務 基本的に道路交通法の具体的規定については、違反して進行してくる車両や歩行者を想定していない。 38条1項や3...

 

詳細を知りたいとのお話を頂きました。
こちらをどうぞ。

 

何メートル手前から?
先日の記事と関係してのことですか、 出来れば自分で調べて頂きたいのですか。 何メートル手前か? この判例は片側三車線(交差点付近は四車線)で、夜間に自転車が自転車横断帯を赤信号横断した事故。 自転車横断帯の長さは約29m、車は第1車線を時速...

 

こっちの下のほうにもあります。

 

信頼の原則。
この人の間違いの元凶と思わしき判例について説明しておきます。 前提 この人の理論では、横断歩道が赤信号だろうと、信号無視して横断開始された場合には道路交通法38条1項の義務があるというスタンスのようです。 上のイラストでも明らかなように、横...

 

要は

この判例のポイント。

前提として、片側三車線(交差点手前は四車線)、横断歩道と自転車横断帯あり。
夜間です。

 

①検察官が主張する「自転車を視認可能な距離(衝突手前約61.3m)」が否定された
→他の光などの関係から、光が自転車であると視認することが否定されたのと、加害車両の前方に右折車両がいたため右折車両を注視するもので、片側三車線もある横断歩道等の右側を注視するのはむしろわき見運転みたいになることから、右側の注視義務も否定

 

②約12キロの速度超過(約72キロ)があったが、検察官が速度超過を併存過失としないと宣言したため、法定速度で進行した場合に回避可能だったかは一切検討されてない

 

③いわゆる信頼の原則
→車両の進行方向は青灯火

 

④検察官が「38条1項に基づく高度な注意義務がある」と主張し、裁判所が一蹴
→38条1項は横断歩道等が赤信号の場合には義務の対象外という当たり前のことを指摘されている

 

だいたいこんなところ。
ちなみに読んだ印象では、法定速度で進行したとしても回避可能だったかは怪しい。

 

これ、興味があるなら全文読んだほうがいいですよ。
検察官の主張と立証がお粗末過ぎるので。

 

結局のところ、刑事事件では検察官がしっかり立証しないと「疑わしきは被告人の利益に」ですから無罪です。
民事の立証よりも深さが必要。

 

最近報道でチラっと見ましたが法定速度60キロの道路にて時速157キロで事故を起こした事件。

 

一般道で時速157キロ、6人死傷事故になぜ執行猶予? 息子亡くした遺族の悲憤(柳原三佳) - エキスパート - Yahoo!ニュース
■判決は「懲役3年 執行猶予5年」 7月15日、福島地裁いわき支部で、「過失運転致死傷」の罪に問われていた19歳の被告に対する判決が出されました(三井大有裁判官)。「主文、被告人を懲役3年に処する。こ

 

過失運転致死で起訴されたそうですが、なぜ危険運転致死ではないのか?
あくまでも報道ベースで読んだ限り、検察官がしっかり取り調べしないから危険運転致死の立証を諦めたのでは?と思います。
諦めたというのも頑張った結果ではなくて、意味合いとしては怠慢のほう。

 

立証しやすいシナリオ通りに進行したという印象です。
裁判官は法定に提出された証拠と主張のみでしか判断できないので、検察官が怠慢ならこうなる。

検察官の独占主義ですから

危険運転致死よりも過失運転致死のほうが立証が容易、という甘えがありそうな気がします。
どちらにせよ、報道ベースではよくわからない。

 

起訴は検察官の独占主義ですから、検察官が怠慢や無能なら有罪になることはありません。
見ている限り、時々見かけます。
有名な「片山隼君事故」にしても、当初検察官は不起訴にしてますよね。

東京地検は事故からわずか20日後に不起訴にしたと書かれていた。担当の副検事は両親から一度も事情を聴かずに処分を決め、その直後に異動した。

 

特ダネの記憶「片山隼君事故」 - 江刺正嘉|論座アーカイブ
始まりは1通の手紙だった。20世紀も終盤に近づいた1998年2月下旬。東京・桜田門の警視庁本部9階の記者クラブにある毎日新聞のボックスに1枚のファクスが送られてきた。東京本社に届いた読者からの手紙が

ひどいな。
夜逃げじゃあるまいし、公務員の隠蔽体質としか思えず。
しかも、警察ですら検察の対応を疑問視している。

 

冒頭の判例については、印象としては起訴すべき事件ではなかった。
検察官の主張がズタボロ。
時速157キロの事故は、報道ベースでの印象は検察官の怠慢。
捜査を尽くさず、立証しやすいシナリオについて立証したような気がする。

 

まあ、後になって考えれば、ほとんどの事故って防げた事故なんですよね。
何かを怠るから事故が起きるわけですが、些細なことだと思っているから事故が起きる。

 

ある意味わかりやすいのは、これかと。

 

車が道路外→車道に進入する際の、歩道に対する注意義務。時速40キロ弱で歩道通行する自転車を予見せよ。
車が道路外の施設から歩道を横切って車道に進入する際は、歩行者を妨げてはならない義務があります。 自転車は一応、歩道を通行することが可能です。 ただし自転車が歩道を通行する際には原則として徐行義務があります(63条の4第2項)。 しかも歩道の...

 

道路外から歩道を横切り車道に進出するに当たり、歩道左側が全く見えない状況なんだから、一時停止と前進を繰り返して進行すべき注意義務を怠ったとしています。

【罪となるべき事実】

本件ガソリンスタンド敷地内からその北方に接する本件歩道を通過して本件車道へ向け進出するに当たり,本件ガソリンスタンドの出入口左方には壁や看板等が設置されていて左方の見通しが悪く,本件歩道を進行する自転車等の有無及びその安全を確認するのが困難であったから,本件歩道手前で一時停止した上,小刻みに停止・発進を繰り返すなどして,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,本件歩道手前で一時停止せず,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全確認不十分のまま漫然時速約4.2kmで進行した過失により,折から本件歩道を左から右へ向け進行して来たA(当時41歳)運転のA自転車に気付かず,A自転車右側に自車右前部を衝突させてAを路上に転倒させ,よって,Aに入院加療150日間を要する脊髄損傷等の傷害を負わせたものである。

 

広島高裁 令和3年9月16日

時速約40キロで歩道を通行する自転車もどうかとは思うけど、こうした場面で漠然と微速前進する車なんて腐るほどいるのも事実。
なおこの判例、「一時停止しただけでは事故を回避できない」として原判決は破棄し、新たに注意義務違反を認定して有罪です。

 

一時停止する車はいるだろうけど、結局一時停止後に漠然進行することも許されない。
きちんと確認して、確認が困難なら一時停止と僅かな前進を繰り返して注意しろという話だけど、こうしたちょっとした甘えが大きな結果になるわけで。

 

何かを怠ると重大な結果になるのは、自転車も同じです。
ちょっとショートカットしただけで、一人の若者の人生が変わってしまうのね。

 

先日の判例についてちょっと補足。
先日挙げた判例なんですが、 ちょっと補足。 なぜ車道ロードバイクにも5割の過失が付いたか まず、事故の前提から。 ・原告(ロードバイク)は車道を通行していた。 ・被告(自転車)は歩道を通行していた。 ・歩道には配電ボックスがあり、被告の身長...

 

「後になって考えれば、ほとんどの事故は防げた事故」と書きましたが、失敗してから気づくか、他人の失敗から学んで自分自身の糧にするかでは大きく違います。
逃げた嫁は帰って来ないのも、失敗してから気づくからですよ。

 




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