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[2022年版]自転車に乗るときに、ヘッドホンや骨伝導イヤホンは違反?

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たまにこの質問来るんだけどさ、ぶっちゃけ言ってもいいですか?

管理人
管理人
なんで自転車乗るときに音楽聞きたいの?

とりあえず法律上の話から。

全都道府県共通のルール

過去にまとめた内容から変更はありません。

 

【2020年版】自転車でイヤホン、ヘッドホン、骨伝導などが違反になる都道府県まとめ。
自転車に乗るときに、イヤホンやヘッドホン、骨伝導イヤホンなどを使いたいという人のためではなくて、単に事実として知って欲しいので、都道府県ごとにまとめます。 まず大前提としてなのですが、自転車に乗るときのイヤホンやヘッドホンに関する規定は、都...

 

自転車乗るときにイヤホン等を使うことを制限しているのは、道路交通法71条6号(公安委員会遵守事項違反)

(運転者の遵守事項)
第七十一条
六 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

なので各都道府県の公安委員会規則に従うことになりますが、多少の表現の違いがあるものの内容は同じと考えてよいです。
東京都の例。

(運転者の遵守事項)第8条 法第71条第6号の規定により、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)の運転者が遵守しなければならない事項は、次に掲げるとおりとする。
(5) 高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。

「安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと」なので、片耳だろうと骨伝導だろうと、「安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態」であれば違反になります。

 

よくある意見。

いろんな人
いろんな人
骨伝導は周囲の音が聞こえている!

 

管理人
管理人
実際の取り締まりでは、警察官が後方などから声を掛けて停止を促したときに聞こえているかどうかで判断しています。
骨伝導は周囲の音が聞こえていると言いますが、要は周囲の音を「認知」しているかの問題。
警察官が止まってと言ってるのに聞こえてないなら、「安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態」と言えるので違反。

実務上、周囲の音を「認知」して安全運転に繋げるわけなので、聞こえているかどうかよりも認知しているかどうかの問題。
理屈の上では、両耳塞がっていても違反にならない可能性もありますし骨伝導でも違反になる可能性はありますが、警察から「外すように」指導することは可能です。

 

基本的に全都道府県同じです。

自治体独自の条例

自治体独自の条例として、一律で音楽等を聞きながら自転車に乗ることを禁止している場合があります。
こちらで把握している限りでは、京都府と千葉県は周囲の音が聞こえているか否かを問わず違反です。

 

○千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

第5条
自転車利用者は、法その他の法令を遵守するとともに、次の各号に掲げる事項を励行し、自転車が関係する交通事故を自ら防止するよう努めなければならない。六 傘若しくはスマートフォンその他の携帯電話を使用し、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴きながら運転するなど、運転に必要な注意を怠ることにつながる行為をしないこと。

 

○京都府自転車の安全な利用の促進に関する条例

第3条 自転車を利用する者は、道路交通法その他の法令の規定を遵守するとともに、次に掲げる事項を励行すること等により自転車の安全な利用に努めなければならない。

 

(2) 携帯電話、イヤホン又はヘッドホンを使用しながら運転をしないこと

従ってまとめるとこうなります。

状態 都道府県 罰則
音楽を聞きながらの運転で違反になる(都道府県条例違反) 千葉県、京都府 なし
安全に必要な音が聞こえない状態で違反になる(道路交通法71条6号違反) 全都道府県 5万円以下の罰金

安全運転義務違反になる?

一部では2015年の道路交通法改正により、イヤホン等を使いながら自転車に乗ると「安全運転義務違反」になるという珍説が広まってますが、デマです。

(安全運転の義務)
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

そもそも公安委員会遵守事項(道路交通法71条6号)は、安全運転義務違反として処罰対象にはならないようなところを補完するような役目があります。
公安委員会遵守事項違反の中にはこのような規定もありますが、

傘を差し、物を担ぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。

出前で片手運転する原付などは、必ずしも安全運転義務違反にできないという問題があり、それを規制する意味で公安委員会遵守事項で禁止にしているのです。

 

モノを持ち片手運転した事例について、安全運転義務違反として有罪になった判例と無罪になった判例をこちらで紹介してます。

 

自転車の片手運転と安全運転義務違反。
まあまあどうでもいい話を。 自転車の片手運転が安全運転義務違反になるのか?という比較的どうでもいい話があります。 ちょっと前に「おにぎり食べながら運転すると安全運転義務違反」というネット記事もありましたが、それに関係して というビミョーな質...

 

安全運転義務違反は成立要件が厳しいため、片手運転が必ずしも違反とはなりません。
しかし好ましい運転方法とは言えないため、公安委員会遵守事項で規制しています。
イヤホン等も似たような感じで、安全運転義務違反にするにはハードルが高く、公安委員会遵守事項で規制したと思えばよい。

 

こちらの判例では、交差点手前まで片手運転したことは安全運転義務違反にはならないとし、交差点部のみ安全運転義務違反として有罪にしています。
安全運転義務違反は成立要件がややこしいので、違反に出来ないものを取り締まる目的から公安委員会遵守事項で規定しているのです。

法70条は現実の具体的な状況が一つの構成要件要素となつていることを考えなければならない。すくなくとも、右70条にいういわゆる安全運転義務に反したというためには、道路交通及び当該車両等の具体的な状況からみて、他人の生命、身体に危害を及ぼすような虞れが、現に存在した場合でなければならない。従つて、まつたく人車の往来のない道路で、いかに乱暴な危険な運転をしたとしても、それだけでは本条違反とはならないのであり、他人に危害を及ぼす虞れのある客観的な状況を必要とするのである。もつとも本条は、現実に他人に危害を及ぼしたことも、具体的な危険が発生したことも必要としない。このような意味で本条は抽象的危険犯ということができる。

 

本件犯罪事実を認定した各証拠によれば、被告人が運転した原動機付自転車の左ハンドルには、ライトの切替スイツチとその下方にホーンボタンの装置のみがほどこされている。いわゆるノークラツチのもので、当時の状況としては、これらの装置を使用する必要はなかつたと考えられる。そうであれば、被告人には右装置の操作懈怠はなく、この点に義務違反はない。そこで被告人の左手離し運転の状態をみると平衡を失したり、ぐらつき、ジグザクな走行になつたわけではなく、免許証取得の年数からみてもとくに運転技術が拙劣であることもなく、また左手に下げた左官用の手板、こても1キロ程度の重量しかなく、道路も比較的平坦な、また狭隘という程でもなく、本件交差点附近をのぞきかなりまつすぐな状態にあり、すくなくとも判示交差点にさしかかるまでは人車の往来もさして頻繁でなかつたのであるから、かかる状況のもとでは、被告人の右行為をもつて他人に危害を及ぼす虞れがあつたとすることはできない

 

ところが被告人はそのまま走行を続け、遠軽町大通り南四丁目附近の交差点を右折して、ここで当時交通違反者公開取締中の警察官の指示をうけ停止したのであるが、この交差点は、北見方面と紋別方面を結ぶ幹線と岩見通りと西町とを接続する道路とが変則的に交差する四叉路で、車の往来も頻繁であり、またこの交差点の附近には、信号機の設置されていない横断歩道が設けられていて、人の往来も頻繁である。被告人はこの交差点を判示のような状態で、約20キロの速度をもつて通過したのであるが、かような交通繁雑な路上では、同一方向の車両等、対向車両等および横断中の歩行者との近接の度合も一段と高くなるから、これら人車との接触回避を要する事態も容易に生じうべき状況にある。このような場合被告人としては、いつでも両ハンドルを把握できるような体勢をもつて進行しなければならない安全運転上の義務があつたのに、判示のような状態で原動機付自転車を運転したところに法70条の違反があつた。

 

遠軽簡裁 昭和40年11月27日

イヤホン等についても、公安委員会遵守事項違反とはなりますが、安全運転義務違反にはなりません。
安全運転義務違反は「法条競合時は他条優先の原則」があり、他の条文で禁止されているものを安全運転義務違反として併科することが禁止されています。

そもそも

骨伝導はOKと書いてあるサイトをみても、

いろんな人
いろんな人
音量上げると周囲の音が聞こえにくい

などと書いてあります。
周囲の音が安全な運転に関わることはいまさら言うまでもないこと。
特に2輪車の場合は、不安定な乗り物なのでちょっとした判断ミスが転倒にもつながります。

 

なので、自転車に乗るときに何らかの形で音楽等を聞きながら乗ることは全くオススメしません。
以前、信号待ちで停止しているクロスバイクがいたのですが、クイックがとんでもない位置になっていました。
イメージ図。

後ろから声をかけたのですが、音楽を聴いているようで全く聞こえてない様子。
この時点で道路交通法71条6号(公安委員会遵守事項)の違反が成立します。

 

危険なのでやめましょう。




コメント

  1. ふり より:

    なんで自転車乗る時に音楽聴きたいの?
    に関してはウォークマンのコンセプトとしてのランニング中に音楽聴きたいとか、カーラジオで運転中ラジオ聞きたいと全く同じだと思いますけど。あと電車やバスで聞くのとも変わらない。
    近所のスーパー走りますならともかく、30分通学の時にのりますとかならそりゃ聞きたくもなると思います。
    もちろん危険性は別の話で。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      >なんで自転車乗る時に音楽聴きたいの?
      に関しては

      もちろんですが、「車両の特性である不安定性がある自転車に乗るにあたり」という前提の話ですよ。
      前提を分けたらそもそも話が変わるのは当たり前。

      暑い日にアイス食べたいと思ったとして、電車の中で食べるのと、2輪車に乗りながら食べるのでは根本的な前提が異なるわけで、前提を別に捉えたらそんなことは当たり前なのです。

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