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法律って1つ読んでもわからんよな。

まあまあどうでもいい話を。

一文読んでもわからんよな。

先日の記事なんですが、

先日の記事に追記。 横断歩道の標識と交通規制基準 そもそも何が問題なのか? 県警察本部によりますと5月2日、弘...

そもそも横断歩道の定義はこれ。

四 横断歩道 道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。

これだけを読むと道路標識or道路標示があれば道路交通法上の横断歩道になる…と思ってしまう。
道路標識か道路標示があれば横断歩道となり、38条等の義務が生じるだろうと。

まあ、ここが落とし穴。
定義だけで見た場合、それこそ誰かが私設の横断歩道を作った場合にも道路交通法上は横断歩道として認められてしまい、車両には38条の義務が生じることになる。

私設の横断歩道を作った場合、違法です。

結局のところ、横断歩道として道路標識や標示に交通規制の効力を持たせるには「政令で定めるところにより」道路標識等を設置したり管理しないと、道路交通法上の効力が生じない。

(公安委員会の交通規制)
第四条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して、交通整理、歩行者又は車両等の通行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる

政令はこちら。

(公安委員会の交通規制)
第一条の二 法第四条第一項の規定により都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)が信号機又は道路標識若しくは道路標示を設置し、及び管理して交通の規制をするときは、歩行者、車両又は路面電車がその前方から見やすいように、かつ、道路又は交通の状況に応じ必要と認める数のものを設置し、及び管理してしなければならない。
3 法第四条第一項の規定により公安委員会が横断歩道又は自転車横断帯(以下「横断歩道等」という。)を設けるときは道路標識及び道路標示を設置してするものとする。ただし、次の各号に掲げる場合にあつては、それぞれ当該各号に定めるところによることができる。
一 横断歩道等を設けようとする場所に信号機が設置されている場合 道路標示のみを設置すること。
二 横断歩道等を設けようとする道路の部分が舗装されていないため、又は積雪その他の理由により第一項の規定に適合する道路標示の設置又は管理が困難である場合 内閣府令で定めるところにより、道路標識のみを設置すること。

道路交通法上の横断歩道として規制効力を持たせるには、施行令に基づき道路標識「及び」道路標示が必要になる。
そして令1条の2第1項により「見やすく」しないとダメ。

これら法定要件を満たさない横断歩道については、道路交通法上は横断歩道になり得ず(何ら効力を持たない)、単なる地面の落書きに過ぎない。
38条や12条1項も交通規制として歩行者や車両に義務付けしているので、どうしてもこうなるんだよな。

ちなみに昭和35年時は、横断歩道の定義はこうなってました。

四 横断歩道 道路標識及び道路標示により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。

この当時は「及び」ですな。

昭和35年当時も道路標識等の管理は公安委員会がすることになっていて、横断歩道については政令(施行令)で定めるとしてます。

(道路標識等の設置等)第九条 公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、道路標識又は道路標示(以下この条及び第七十六条において「道路標識等」という。)を設置することができる
2 この法律の規定により公安委員会が行なう禁止、制限又は指定のうち政令で定めるものは、政令で定めるところにより、道路標識等を設置して行なわなければならない。第十二条第一項の規定により横断歩道 を設ける場合又は第二十条第一項の規定により車両通行区分帯を設ける場合も、同様とする。
3 道路標識等の種類、様式、設 置場所その他道路標識等について必要な事項は、総理府令・建設省令で定める。

参考に当時の12条1項。

(横断歩道及び横断の方法)
第十二条 公安委員会は、歩行者の横断の安全を図るため、横断歩道を設けることができる。

問題はなぜ、現在のように定義上は「及び」→「又は」に変えたのか?
改正は昭和38年。

第二条第四号中「道路標識及び道路標示」を「通路標識又は道路標示」に改め

理由は簡単です。
非舗装路にも横断歩道を設置可能にするため、定義上は「道路標識又は道路標示」に変更。
具体的な設置方法は現在と同じく施行令に規定。

第43回国会 参議院 本会議 第12号 昭和38年3月11日

○石谷憲男君

二、最近の道路交通事情の変化にかんがみ、歩行者の保護の徹底をはかるため、未舗装道路においても横断歩道を設けることができることとし、また、車両等の運転者に対して、横断歩道の直前で一時停止しで歩行者の通行を妨げないことを義務づけ、さらに、政令で定める程度の身体障害者にも白いつえを携行することを認めること。

元々横断歩道には標識と標示の両方必要で、昭和38年に非舗装路にも横断歩道を設置可能にするため、定義上は「又は」に変更。
具体的設置方法は施行令に規定し、信号がない舗装路の横断歩道では「道路標識及び道路標示」と規定。

こういう流れがあるから、若干分かりにくいのよね。
結局、道路交通法上で横断歩道と認められるには施行令及び施行規則を満たしたものだけになる。

つまり、施行令により信号がない横断歩道では道路標識及び道路標示がないと何ら効力が生じないことになる。

なので、法定要件を満たさない横断歩道については、道路交通法上は単なる落書きに過ぎなくなり、歩行者の義務(12条1項)も車両の義務(38条)もないことになる。
法定要件を定めないと、誰かが私設横断歩道を作りトラップすら可能になってしまうから、しょうがないよね。

青森の事例は、道路交通法上は存在しない横断歩道で横断歩行者妨害の違反を取ったことになってしまうから取消するしかなくなるよね。

定義だけ読んでも

定義だけ読んでも道路交通法の解釈はわからないから、疑問があるときは遡って調べるしかないよね。
なぜ専門書の解釈がそうなるかについては。

ただまあ、路面標示として横断歩道が視認可能な以上は安全運転義務はより加重されるとも取れるし、「横断歩道がない交差点」になるから38条の2は適用される。
法定要件を満たさない横断歩道は道路交通法上は単なる落書き扱いにしかならないけど、他の条文でケアするしかない。

車両通行帯も定義だけ読んでもさっぱりわからないのは、原理としては同じです。
4条により道路標示として道路交通法上の意味を持たせるには公安委員会の意思決定が必要になるから。

わからないときは調べましょう。
なぜ元々「及び」だったのを「又は」に変えたのか、標識等は効力を持たせるには何が必要になるかを。

民事への影響

そうそう、すっかり忘れてた。
今のところ「道路交通法違反」について違反取消にしてますが、

読者様
読者様
民事にも影響する?

すみません、すっかり書くの忘れてました笑。
事故った場合の民事過失割合に影響するかというと、基本的には関係ありません。
理由ですが民事の場合、立証責任は当事者にあるから。

一度確定した判決はひっくり返りません。

そりゃ、「あれは道路交通法上は横断歩道としての法定要件を欠いているから横断歩道事故ではない」と主張すること自体はできますが、立証責任は主張する側にありますし、「本当に横断歩道かどうか?」について争う人もいませんし。

以前も書いたけど、民事判例で車両通行帯ではないと思われるのに車両通行帯扱いになっているのは、双方ともに車両通行帯であることに争いがないからです。

そもそも民事ということは既に事故があったわけでしょうけど、過失割合を下げたいために今回のような「法定外横断歩道」みたいな主張をするのはさすがに違う気がする。




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