こんなのが話題になっていますけど。
自転車でも時々聞くタイプの事故ですな。
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道路外右折車 vs 直進車
民事上の基本過失割合は、
直進2輪車:道路外右折車=10:90
ただしこの事例では2輪車側に多少の修正がかかる可能性があります。
考え方としてはこんな感じ。
○車の過失
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
○2輪車の過失
主に前方不注視。
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
前方左右を確認しながら進行すべき過失があるので、すり抜け自体は違反ではないけど、その分見えにくいのだから注意しながら進行すべき義務があるとみなされます。
この場合、道路交通法上の優先は明らかに直進車両なので、道路外に右折する車両は左側端から進行してくる自転車等があることを予測し注視しながら進行すべき義務があるとみなされます。
ただまあ、左側端からそれなりの速度で進行した2輪車にも落ち度はありますし、基本過失割合は「すり抜け状況ではない場合」の過失割合の目安。
なので、多少2輪車側に修正が入ることが予想されます。
ちなみに民事の過失は道路交通法違反と必ずしも一致しません。
対向右折車と直進車の判例
これは以前にも紹介したことがありますが、Twitterの件とは全く状況が異なる判例を。
交差点の右直事故ですが、オートバイが路側帯を時速50キロで進行した事故。
本来オートバイは路側帯を通行出来ませんが、路側帯を通行するオートバイがしばし見かけることを前提にしても、時速50キロで路側帯を進行したオートバイには37条の優先はないとしている判例があります(東京高裁 昭和60年3月18日)。

37条と25条の2第1項は違いますが、路側帯は「例外的に自転車等の軽車両が歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行することが許されているにすぎない」ことからこのような判断なので、Twitterの件とは全く違いますが。
※Twitterの件は歩道があるため、2輪車が通行していた場所も車道です。
まあ、自転車がこのように左側端を通行しすり抜けていくこと自体は何ら珍しいことではないのですが、自転車乗りとしてはこういうところは注視しながら進行する義務があるわけで。
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