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「横断歩道の付近」と自転車の事故。

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先日の件に追記。

 

横断歩道の「付近」とは何メートルくらい?
道路交通法では歩行者が横断するときには「付近に」横断歩道がある場合には横断歩道を使って渡る義務を定めています。 (横断の方法) 第十二条 歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道...

 

横断歩道の付近を横断

歩行者が横断する際には「付近」に横断歩道がある場合、横断歩道を横断する義務があります。

(横断の方法)
第十二条 歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない

こんな判例がありました。

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自転車が青信号に従って自転車横断帯を横断後、右折進行。
歩行者は配電盤とガードレールのわずかな隙間(約38センチ)、横断歩道の東端から5.9mの位置から横断開始。
その結果、自転車のスタンドと歩行者の足が接触したという事故です。

 

なお、横断歩道以外の部分は「歩行者横断禁止」の規制が掛かっています。

 

あんまり一般化できない特殊事例かもしれませんが、過失割合は歩行者:自転車=100:0。
つまりは「請求棄却」です。

 

横断歩道の東端から5.9mの位置は12条1項にいうところの「横断歩道の付近」とされ、歩行者が違反だとしています。
配電盤の陰、しかもガードレールのわずかな隙間から横断開始している点について問題視しているようですが、「仮に被告の過失を完全に否定できないとしても、原告の過失が著しく大きい」ことを理由に歩行者に全過失があるとしています(東京地裁 平成25年8月7日)。

 

ただまあ、車道には「歩行者横断禁止」の規制があり、わずかな隙間から横断開始しているなどちょっと事例としては特殊。
同じく配電盤の陰から横断開始した自転車の判例では、車道順走自転車:歩道からノールックアタック自転車=50:50としているものもあります。

 

先日の判例についてちょっと補足。
先日挙げた判例なんですが、 ちょっと補足。 なぜ車道ロードバイクにも5割の過失が付いたか まず、事故の前提から。 ・原告(ロードバイク)は車道を通行していた。 ・被告(自転車)は歩道を通行していた。 ...

 

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これとの差で考えると、以下の違いがあります。

・「横断禁止の規制」の有無
・歩道の段差が下がっていて車両が歩道から車道に降りてくることが予見可能だったか?

 

これらの差なのかな?と思いますが。
ただし今回の判例、まあまあ不思議なことに請求額がクリーニング代と弁護士費用となっています。
また、警察の事故処理としても、歩行者の自損事故として処理され刑事責任は自転車には全くない扱いになっているようなので、ちょっと特殊かもしれません。

 

不法行為責任として損害賠償が認められる場合、認容額の1割を弁護士費用として認めるのが慣例。
認容額が100万なら弁護士費用として10万認められます。
ただし、クリーニング代の1割にしたら大した額にはならないわけで、なぜ訴訟に至ったのか不思議。

 

請求が満額認められたとしても、弁護士費用で赤字になる案件なので。

予想外の位置から横断開始

横断歩道の外れた位置から横断開始する事例はまあまあ見かけますが、例えばこのような判例もあります。

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自転車が横断歩道の外れた位置から横断開始して起きた事故ですが、自転車が高齢者であることを加味しても車:自転車=60:40。

道路交通法上、自転車は軽車両に該当し(同条2条1項11号)、車両として扱われており(同項8号)、交差点における他の車両等(同法36条)との関係においても、車両に関する規定の適用により、四輪車や単車と同様の規制に服する(自転車の交通方法の特例が定められているものは除く。)。交差点を左折する四輪車にもその進行にあたっては前方を確認すべき注意義務があることは当然であるが歩行者用信号規制対象自転車であっても、横断歩道では歩行者が横断歩道により道路を横断する場合のような優先的地位(同法38条1項)は与えられておらず、また、他の車両との関係においてはなお安全配慮義務(同法70条)を負うと解されるから、安全確認や運転操作に過失がある場合は、自転車の運転者は、相当の責任を負わなければならない。

 

神戸地裁 令和元年9月12日

 

高齢者や子供以外なら、50:50くらいでしょうか。

 

自転車は横断歩道を使って横断する義務はないものの、ワケわからない位置から横断されたら予見するのは難しいし回避するのも困難。
けど、大きな交差点のほうがワケわからない位置から横断する歩行者や自転車は多いような印象もあります。

 

ちなみに、このように自転車横断帯を横断し右折進行する場合、横断歩道を横断する歩行者に対する妨害が発生する可能性があるので、そこは注意したほうがいいと思います。

 

どちらかというと、自転車のノールック車道アタックのほうが危険なので、そろそろ何とかしてくれませんかね。
ノールックで歩道→車道に進出して、無事だと思う心理が全くわからない。
歩行者は遅いからまだ対処する余地がありますが、自転車のスピードでノールック車道アタックをキメキメされるとね、車道を通行している2輪車は転倒して爆死リスクがあるのでね。
実際、上で挙げたこの判例。

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被害者は車道を通行していた自転車(ロードバイク)ですが、片半身の麻痺と言語障害が残る重大事故です。
何ら違反はしてないにもかかわらず。





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