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林道のグレーチングの瑕疵により怪我した場合、道路管理責任を問えるか?

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なかなか自転車にはツライタイプのグレーチングですな。

林道とのことですが、仮にこのグレーチングにロードバイクのタイヤが取られて怪我をした場合、損害賠償請求は可能なのか?という疑問があります。

林道という前提で解説します。

基本的に無理

基本的に無理の可能性が大。

 

理由は以下の通りです。

 

①林道は都道府県や市町村が管理しているものの、道路法に基づく道路ではなく、林業に使うための道路になる。
ただし、場合によっては「一般交通の用に供するその他の場所」として道路交通法上の道路になりうる。

 

管理人
管理人
道路の目的は林業関係者用です。

 

②国賠法における道路管理の瑕疵とは、「当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきもの」とされているが、林道が自転車の通行を許容しているかどうかが問題になる。

ところで、国家賠償法二条一項にいう営造物の設置又は管理に瑕疵があつたとみられるかどうかは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきものであるところ、前記事実関係に照らすと、本件防護柵は、本件道路を通行する人や車が誤つて転落するのを防止するために被上告人によつて設置されたものであり、その材質、高さその他その構造に徴し、通行時における転落防止の目的からみればその安全性に欠けるところがないものというべく、上告人の転落事故は、同人が当時危険性の判断能力に乏しい六歳の幼児であつたとしても、本件道路及び防護柵の設置管理者である被上告人において通常予測することのできない行動に起因するものであつたということができる。
したがつて、右営造物につき本来それが具有すべき安全性に欠けるところがあつたとはいえず、上告人のしたような通常の用法に即しない行動の結果生じた事故につき、被上告人はその設置管理者としての責任を負うべき理由はないものというべきである。

 

最高裁判所第三小法廷 昭和53年7月4日

 

管理人
管理人
林業関係者用道路を自転車が通行することが、「通常の用法に即しない行動」とも言えそうな。

 

③林道の通行規制には、公安委員会規制と林道管理者規制があるが、どちらも一般車両の通行を禁止、又は「ご遠慮ください」としている。

 

根拠法 罰則
公安委員会による車両通行禁止 道路交通法4条 道路交通法違反
林道管理者によるゲート封鎖&通行止め 林道規定8条 微妙(場合によっては軽犯罪法違反)
林道管理者による一般車両通行禁止の看板のみ 林道規定8条 なし
制限なし なし

 

④公安委員会や林道管理者が一般車両の通行禁止又は制限を明示している場合には、自己責任。
仮に何ら制限を設けていない場合でも、本来の目的は林業用の道路なのでロードバイクのような細いタイヤの自転車の通行を想定しているとは考えにくい。

 

以上の理由から、基本的には「完全自己責任」となるかと。
古賀志林道のように自転車の通行を許容している場合は別ですが、古賀志林道って一般車両の通行禁止の標識の下に「自転車を除く」と書いてあったはず。

 

ほとんどの林道は

ほとんどの林道は、「林業関係者用道路につきガードレールなど未整備のため、一般車両の通行はご遠慮ください。」みたいな注意書きがありますが、これは林道管理者による規制(制限)。
一般人に対する法的拘束力はありませんが、何が起きても自己責任になります。

 

このような看板で注意喚起する理由ですが、「自己責任だからな」と念を押すような意味合いです。
本来の目的は林業関係者用道路なので、トラックが通行できる程度の設備さえあれば済む。
一般車両の通行まで考慮した作りにすれば林道整備費がかさむし、林道管理者からすれば

いろんな人
いろんな人
いやいや、林業用に作っただけの道路なのになんで自転車のことまで考えなきゃいけないの?
あんたらが道路整備費を出してくれんのか?

となるだけなのです。
林業用トラックが通行出来れば済む話なのに、なぜ費用を掛けて自転車の安全まで確保しなきゃならないの?となるのは当然。

 

なお、公安委員会が一般車両の通行禁止の道路標識を立てている場合には、自己責任どころではなく道路交通法違反になります。

 

公安委員会が通行規制をしていない限りは通行を禁止する効力はないものの、林道を自転車で通行することは完全自己責任。
何が起きても文句を言えない立場と考えたほうが良さそうです。
道路管理責任ガー!という前に、道路の目的がなんなのか?という話ね。

 

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