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何を主張するか次第。

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ちょっと前にこれが話題になっていましたが、

優先関係でいうなら自転車が優先します。
ただまあ、違う点では争いになる余地を残した事案です。

 

どっちが悪いかについては明らかですし、そこをほじくり返したところで何ら生産性もない。
なので別の視点から見ていこうと。
仮にですが、被害自転車側が損害賠償請求するという観点で見ていきます。

争いが起きるリスク

現場の状況です。
便宜的にAからCまで記号をつけます。

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この道路、「」Googleマップで確認すると、A⇔Bの道路には交差点内に中央線(?)が確認できるらしい。

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ところが、Twitter動画ではイエローのセンターラインは交差点手前までで消失し、それ以降のセンターラインは視認できない。

道路交通法の優先道路とは、交差点内に中央線があることが条件。

 

36条2項。

優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)

Cから交差点方向は一時停止規制があるため、C→交差点方向については劣後しますが、道路交通法の大原則。

 

管理人
管理人
視認不可能な道路標示は無効。

交差点内のセンターラインが消えたのか消したのかは不明ですが、とりあえずこの事故が起きた時については、A⇔Bの関係性は優先道路には該当しなくなります。

 

次に、自転車側から見た交差点。

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これが何を意味するかというと、自転車の進行方向は直進にはなり得ず「右折」扱いになるということ。
Y字路ですから。
仮にこのようにセンターラインがあるなら、自転車の進行は直進(右カーブ中に交差道路Cがある)になる。

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そうすると交差点内に中央線がない以上「右折 対 右折」になりますが、結局は左方優先になり自転車が優先します。

 

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で、損害賠償請求する上では原告に立証責任があるわけですが、主張としては2パターンあるわけ。

 

①あくまでもA⇔Bは優先道路だとゴリ押しし、右直事故であり、車は37条により直進自転車を優先させる義務を怠った。
<車から見た図>
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<自転車から見た図>
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車の義務 自転車の義務
直進自転車の進行妨害禁止(37条) 交差点内安全進行(36条4項)
右折合図履行義務(53条1項)
交差点内安全進行(36条4項)

 

②優先道路の設定はなく、Y字路における双方右折、左方優先義務違反

<車から見た図>
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<自転車から見た図>
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車の義務 自転車の義務
左方優先義務違反(36条1項1号) 右折合図履行義務(53条1項)
右折合図履行義務(53条1項) 交差点内安全進行(36条4項)
交差点内安全進行(36条4項)

民事ではどうせ交差点内安全進行義務違反が勝手についてくるのがほぼお約束。
ただし、優先道路があるかないかで過失割合はビミョーに変わりうるわけ。
自転車も右折になる以上、右折合図履行義務が発生するから。

 

なんかさ、こういう事故映像について「」の状況をGoogleマップで探してはあーだこーだと言い出す人っているけど、「今」と「事故当時」が異なる場合には「事故当時の状況」により判断されます。
私が判例を出すときに、「今」のGoogleマップを基本的に出さないのはそういうこと。
「今」と事故当時の状況が同じなのかわからない事例では、基本的にGoogleマップの状況は出さないことにしています。
間違いの原因になるので。

 

以前、30年近く前の判例について、Googleマップで「今」の状況を確認して「自転車横断帯がある!ちゃんと確認しろ!」とか言ってきた奴がいたけど、どんだけアホなんだろ。
30年近く前に自転車横断帯があったかなんてわからんし、そもそも「真実」と「判決上の認定事実」が同じとは限らない。

 

話が逸れましたが、今の状況をGoogleマップで出す人って、そもそも的外れになりがち。
Googleマップでの状況と、事故当時の状況が一致しているならともかく、Googleマップでの状況と事故当時の状況が異なるなら、ミスリードの原因になるから普通は出さないもんたけどな。

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さて、①と②では自転車の義務が異なるため、過失割合に影響する可能性は否定できなくなります。
もちろん、合図履行義務違反を過失として捉えない判決になる可能性もありますが、主張内容次第。

少額訴訟の件

こちらで少し書いたのですが、少額訴訟の件。

 

交通事故の損害賠償に少額訴訟はオススメしない。
交通事故になり少額訴訟を検討中という方から、こちらの判例の詳細を質問されたのですが、 メール、届いてますかね? 判例の詳細は この判例、一審で子供の自転車:バス=40:60としてますが、二審は50:...

 

少額訴訟は1日で審理が終わるため、下手な主張をしてしまうとビミョーに不利にもなりますが、Twitterの件で「仮に」少額訴訟を提起し、①の主張(右直事故扱い)をした場合、相手方から②(優先道路がないから右折対右折)だと反論されることは予見可能。
十分な審理がないまま終わるのが少額訴訟なので、想定外の判決を喰らうこともあり得ます。
しかも、控訴できない。

 

何を主張するか次第で過失割合が変わりうるのですが、視認不可能な道路標示は無いものとして扱う。
それが原則。
おかしな主張して相手方から反論を喰らう可能性もあるし、相手方も気がつかなくて右直事故として認める可能性もある。

 

ちょっと前にも書きましたが、うちの近所の道路、センターラインが視認不可能になっていますが、なぜか交差点部だけ描き直しになっています。

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交差点内に中央線がないと、優先道路にならなくなる。
けど予算が足りないのかな笑。
事故が発生した場合にややこしいことになるので交差点内だけ中央線を描き直ししたんでしょうけど。

 

まあ何を言いたいかという話なんですが、「今の道路の状況」をGoogleマップで出したところで何の意味もなくて、むしろ話が違う方向に引っ張られることはインターネットではよくあります。
結局自転車が優先することには変わりないですが、何を主張するか次第で話が変わるという話です。

 

まあ、以前30年近く前の判例について「自転車横断帯はある!ちゃんと確認しろ!」とか言ってきた奴には無意味な批判されましたが、インターネット上って無知が原因の批判は多いですよね笑。
ミスリードの原因になるから、まともな人は注意するもんだけど。





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