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自転車が従う信号機はこれ!自転車は横断歩道を横断してもいい?

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先日の報道後から、SNSでは

 

いろんな人
いろんな人
自転車は乗ったまま横断歩道を横断してはダメ!

 

いろんな人
いろんな人
自転車が横断歩道を横断できるのは、自転車通行可の歩道がある場合のみ!

 

などと珍説が飛び交っています。
一体何が正しいのでしょうか?

自転車横断帯がない横断歩道の話を書きます。

自転車は乗ったまま横断歩道を横断してもいい?

まず1つ目。

いろんな人
いろんな人
自転車は乗ったまま横断歩道を横断してもいい?
管理人
管理人
乗ったまま横断しても違反ではありません。
ただし、歩行者の正常な交通を妨げるおそれがあるときは、降りて押して横断する義務があります。

根拠をいくつか。

 

交通の方法に関する教則(道路交通法108条の28)

(5) 道路を横断しようとするとき、近くに自転車横断帯があれば、その自転車横断帯を通行しなければなりません。また、横断歩道は歩行者の横断のための場所ですので、横断中の歩行者がいないなど歩行者の通行を妨げるおそれのない場合を除き、自転車に乗つたまま通行してはいけません。

警察庁パブリックコメント(平成20年道路交通法施行令改正時)

イ 横断歩道を進行する普通自転車が従うべき信号灯火を定めることについて

 

この項目に対しては、
○ 自転車に乗ったまま横断歩道を通行することはできないはずであり、また、自転車で横断歩道を通行することは大変危険。
といった御意見がありました。

今回の改正は、道路交通法の一部を改正する法律(平成19年法律第90号。以下「改正法」といいます。)により、例外的に歩道を通行することができる普通自転車の範囲を明確化したことに伴い、自転車横断帯が設置されていない交差点において、これらの普通自転車が横断歩道を進行して道路を横断することが見込まれることを踏まえ、横断歩道を通行する普通自転車が従うべき信号を車両用でなく歩行者用灯器とするものです。
道路交通法においては、普通自転車が横断歩道を通行することを禁止する規定はありませんが、横断歩道は歩行者の横断のための場所であることから、交通の方法に関する教則(昭和53年国家公安委員会告示第3号)において、横断歩道の通行について、歩行者の通行を妨げてはならない旨を周知し、歩行者の安全確保を図ることとしています。

 

警察庁パブリックコメント

道路交通法上、自転車が横断歩道を横断する際には、歩行者の正常な交通を妨げるおそれがあるときには禁止。
妨げるおそれがないときは問題ありません。
この根拠は25条の2第1項。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

正常な交通を妨げるおそれとは、このように解釈されます。

歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるとき」とは、車両等の運転者が道路外の施設若しくは場所に出入するための左・右折、横断、転回又は後退するにあたり、歩行者や他の車両をしてそのための急制動、一時停止、徐行あるいは異常な進路変更等、従前からの運転方法を著しく変更させる措置をとることを余儀なくされるような場合をいう。

 

大阪高裁 昭和44年12月23日

判例による根拠です。

道路交通法は歩行者と軽車両である自転車を明確に区別しており、自転車を押して歩いている者は、歩行者とみなして歩行者と同様の保護を与えている(同法2条3項)のに対し、自転車の運転者に対しては歩行者に準ずるような特別な扱いはしておらず、同法が自転車に乗って横断歩道を通行することを禁止しているとまでは解せないものの、横断歩道を自転車に乗って横断する場合と自転車を押して徒歩で横断する場合とでは道路交通法上の要保護性には明らかな差があるというべきである。
また、道路交通法38条1項は、自転車については、自転車横断帯(自転車の横断の用に供される道路の部分・同法2条1項4号の2)を横断している場合に自転車を優先することを規定したものであって、横断歩道(歩行者の横断の用に供される道路の部分・同法2条1項4号)を横断している場合にまで自転車に優先することを規定しているとまでは解されず

 

平成30年1月18日 福岡高裁

管理人
管理人
自転車が乗ったまま横断歩道を横断することは、歩行者の通行を妨げるおそれがないときには問題ありません。
ただし、クルマは横断歩道を横断しようとする自転車に対して一時停止義務がないため(38条1項)、歩行者のような優先権はありません。

自転車が従う信号機

自転車の通行位置 従う信号機
歩道通行時 横断歩道の信号機
車道通行時 車道の信号機
「自転車専用」の信号がある場合 車道通行、歩道通行ともに「自転車専用」の信号機に従う

「自転車専用」信号機はこのような補助標識があるもの。

歩道を通行する自転車は、問答無用に横断歩道の信号機に従えば済みます。
横断歩道の信号機には、自転車が横断歩道を進行できると施行令2条に書いてあります。

 

施行令2条

信号の種類 信号の意味
人の形の記号を有する青色の灯火 二 普通自転車(法第六十三条の三に規定する普通自転車をいう。以下この条及び第二十六条第三号において同じ。)は、横断歩道において直進をし、又は左折することができること。

問題は車道を進行する自転車。
「自転車専用」の信号が横断歩道についている場合、車道の信号に従うと信号無視になります(施行令2条5項)。

施行令2条5項

5 特定の交通についてのみ意味が表示される信号が他の信号と同時に表示されている場合における当該他の信号の意味は、当該特定の交通について表示されないものとする。

意味がわかりにくいけど、「自転車専用」と同時に表示される車道用の信号機から、自転車に対する意味が消失する。
なので「自転車専用」の信号機がある場合、下記は違反ではない。

ただしこのような交差点はスクランブルになっていることが多いため、「横断歩行者妨害」をすると違反です。

「自転車専用」の信号機は、車道を通行する自転車からすると見えない位置にあります。
そのため、普通は悪質性もなく違反切符を切らないとは思いますが、赤切符を切るなら最高裁判例を根拠に抗議するしかありません。

 ところで、道路交通法施行令七条三項には、公安委員会が道路標識を設置するときは、歩行者、車両又は路面電車がその前方から見やすいように設置しなければならない旨を規定しており、このことに鑑みても、道路標識は、ただ見えさえすればよいというものではなく、歩行者、車両等の運転者が、いかなる通行を規制するのか容易に判別できる方法で設置すべきものであることはいうまでもないしかるに本件道路標識は、前示のように、本件交差点の南東角にある元A銀行建物の角からfを約四・七米も南に入つた場所に設置されていたばかりでなく、その標識(矢印をもつて一方通行の方向を示しているもの)は、正確に西を指示しておらず、約四〇度も西南方を指示していたというのである。そのうえ本件記録によれば、本件当時、fも北から南への一方通行と指定されていたこと、本件標識のすぐ前(交差点寄り)にはfの駐車禁止をも示すものと認められる道路標識があつて、本件標識はその背後に一部重なり合うようにして設置されていたことが明らかであるから、その設置場所、設置状況にてらし、本件標識か、eの東から西への一方通行を明らかに指示するものとはとうてい認められず、むしろfの北から南への一方通行を指示するもののように見られるのである。このような標識の設置方法は、道路交通法施行令の前記法条に違反するものであり、右標識によつては、fを南下して本件交差点を左折し、eを東行しょうとする車両等の運転者に対し、eの東行を禁止する旨の通行規制が、適法かつ有効になされているものということはできないといわなければならない。したがつて、被告人が、本件道路標識を見落して、eが東から西への一方通行と指定されていることに気付かず、右道路を東に向けて前記原動機付自転車を運転通行したとしても、なんら過失による車両等の通行禁止、制限違反の罪は成立しないものというべきである。それにもかかわらず、本件道路標識が、右eの東から西への一方通行のみを指示しているものであることは疑いを容れないところであるとし、その設置が違法でないことを前提として、右の罪が成立するものとした原判決および同判決の維持した第一審判決は、事実誤認、ないし法令の解釈を誤つて被告事件が罪とならないのにこれを有罪とした違法があり、判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、刑訴法四一一条一号、三号により、これを破棄しなければ著しく正義に反するものと認める。

 

最高裁判所第二小法廷 昭和41年4月15日

管理人
管理人
車道を進行する自転車は、「自転車専用信号」を交差点直前で見つけたからといって急停止するほうが危険です。
車道の信号には従っているのだから悪質性はありませんし、仮に警察官が呼び止めたとしても指導だけでしょう。
仮に赤切符だというなら、「容易に視認できない補助標識は無効」と主張するしかありませんが、急停止するような危険行為はやめましょう。

間違いやすい信号無視

「自転車専用」信号機がない場合。

車道を進行してきた自転車は、車道が赤信号のまま停止線を越えると違反になります。
違反回避するには、停止線で停止した後に、降りて押して停止線を越えればよい。

停止線を越えるときに降りて押している必要がありますが、横断歩道を横断する際に歩行者の横断を妨害するおそれがないなら乗って横断しても構いません。

 

「自転車専用」信号機がある場合やスクランブル交差点では従う信号機が分かりにくいことは確か。
歩道を通行する自転車は、問答無用に横断歩道の信号に従えばよい。
車道を進行する自転車については、仮に間違えたとしても「横断歩行者妨害」をしなければ悪質とは見なされないし、迷うなら降りて押して停止線を越えれば済みます。

 

一部例外としては、生活道路では車道用の信号しかなく、横断歩道用信号がないことも。
下記ケースは横断歩道も歩行者用信号機もありませんが、歩道を通行する自転車も歩行者も車道用信号に従う義務があります。

理由はこちらに↓

 

これを信号無視に見えない方々。
なかなかな。 歩道を進行していた自転車と、交差道路を青信号で進行した車の衝突事故。 ビックリすることに、この自転車を「信号無視には当たらない」とか「自転車を規制する信号はなかった」と捉える方々がいる。らしい。 アホか そもそも交差点の範囲と...

 

迷うときは、降りて押して歩けばええんやで。

というよりも、なぜSNSでは多数のデマ情報が飛び交うのか理解に苦しみます。
ざっくり言えばこう。

 

○自転車が横断歩道を乗ったまま横断することは違反ではないが、歩行者を妨げるおそれがあるときは降りて横断しなければならない。
○乗ったまま横断歩道を横断する場合、歩行者のように優先されることはない。
○歩道通行時は横断歩道の信号に従う。
○車道通行時は車道の信号に従う(自転車専用信号があるときのみ注意)

 




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