先日、ロードバイクで走行中にクルマから幅寄せ(危険な追い越し)のようなプレイを受けた内容を記事にしましたが、
記事をアップしてその日のうちに当事者の方からメールを頂きまして。
続編を記事にしてかまわないとのお話でしたので、紹介させていただきます。
幅寄せ(危険な追い越し)、その後
管理人様には詳しい内容をお知らせしたく思いメールしました。
11/26日に現場検証を行いました。
事故でもないのにかなり踏み込んだ現場検証になりました。
交差点手前100m手前から私の走行ラインを道路端の白線からバイクのフロントタイアまでの距離を測りながら進んでいき
最大で60センチとの検証結果でした。これが真ん中によりすぎなのかどうか私には判断できませんが
警察は問題ないとのことでした。
ドラレコの広角レンズの仕様で道路の真ん中付近を走っているように見えるようです。
白線の外を走れというコメントもよく見られますが交差点付近の白線外側の幅は40センチしかないので走れません。
報道では1番大事な部分を切り取られてセンセーショナルな見出しを付けています
停車させられた時に降りてきたドライバーは
自転車が道路を走ることすら理解しておらず歩道を走るものという認識だったようです。
ドライバーがキレたのも歩道を走るべき自転車が車道を走っていたことと追い抜きの際
私に声を出されたのが相当気に食わなかったとのことでした。
これはその後通報により駆けつけて来た警察官とのやり取りでドライバーが言っていたことです。
警察官に自転車は車道を走るよう法律で決まっているといわれ驚いていましたので
ドライバーの自転車に対する認識の違いによる事件でした。
ドライバーの年齢もおそらく70代の高齢者ですので仕方がないのかなと当方も理解しました。
今回警察は相手が認識していなかったことと私に暴言は吐いたものの直接危害を加えてはいないということで
これで幕引きにしたいようです。
今回の私の投稿が自転車に乗っている人の評判を下げることがあっては私の本意ではありませんので
出来たら続編等で皆様にお知らせいただければ幸いです。
少し言い訳になりますが事件当時の走行状況は時速約30kmで進行方向左から6から7メートルの横風でした。
というお話です。
管理人の評価
ネット上での様々なコメントを見る限り、
「自転車が交差点付近で真ん中に寄りすぎ」
というものがありました。
私が感じたのは
なんかふらついたように見えるところがあるのですが、これで理解しました。
蛇行したわけでもないし、別に言い訳ではなく何ら問題ないかと。
ちなみに
最大で60センチとの検証結果でした。これが真ん中によりすぎなのかどうか私には判断できませんが
警察は問題ないとのことでした。
道路交通法18条1項は、自転車が左側端に寄って通行することを義務にしています。
これの解釈としては、路肩のエプロン部や側溝など走行上の危険を避けた上で左側端に寄るとされますが、
エプロン部に接近しすぎたら自転車は危険ですし、横風が強い状況などを考慮しても「車道外側線からタイヤまでが60センチ」は何ら問題ありません。
まあ、警察も問題ないとの話ですし。
この規定の立法趣旨を考えると、とんでもなく話が長くなるので割愛しますが、要は遅い車両を左側端にして右側からの追い越し追い抜きを促す点にあるわけで、自転車がさらに左側から追い抜きできる余地があれば違反と言えますが、問題ないでしょう。
警察も問題ないとしてますし、私が見た印象でも「中央寄り」とは思いません。
一番の問題はここ。
これ、なぜか一定数います。
むしろ「自転車は歩道」というほうが驚きますが…
私も以前、原付オバサンに激オコされて警察呼んだことがありますが、なぜか「自転車は法律上歩道だろ!」と語るドライバーが一定数います。
✕自転車は歩道(独自道路交通法)
そりゃ、噛み合うわけもない。
自転車のルールが知られていないことに問題がある気がしますが、独自道路交通法違反を認定する人はめっちゃいます。
◯元指導員さま
◯政治家さま
◯交通系YouTuberさま
◯現職警察官さま
◯素人さま
プロ、元プロ、交通系YouTuber、素人さままで幅広く「独自道路交通法違反」を認定するのが日本の現状です。
今回の件も本当に「自転車は歩道」だと信じていたのかはわからないけど、仮にそう信じていたとしても危険な追い越しをしてもいい理由にはならないし。
側方間隔を保持して追い越しや追い抜きするのはルール(道路交通法28条4項、70条)ですのでそこは確実にお願いしたい。
しかし、おかしな追い越しに遭った上にヤフコメなどで叩かれることについてはちょっと無いなと思う。
他の「ダメな自転車」と一緒に捉えて叩くのは間違ってます。
信号無視、逆走、無灯火、ノールックで歩道→車道、歩道爆走などの「ダメな自転車」とは明らかに異なる事案であって、本件は被害者と言えますし。
ロード乗りであれば恐らく皆さん多かれ少なかれアルアルだと思います。
正直ここまでネット界隈の話題になるとは想像以上でした。
ヤフコメ等を見ましたがかなりの荒れっぷりでロードバイクがいかに嫌われているのかがよく身にしみました。
単に「邪魔」という理由だけで自転車乗りわ叩くのは間違いだと思いますが、この方がインタビューで語っている内容。
「お互いに気持ちいい抜き方を」
一部、わざと後続車をブロックする自転車乗りがいることは知ってますが、この方にはそのような意思が見られないことは明らか。
自転車は左側端に寄る、追い越しする後続車は十分な側方間隔を保ち減速しながら安全に抜く。
単にこれだけなんです。
スレスレを通過されたらビックリして声が出るのは当たり前。
お互いに気持ちよくでいきたいですよね。
「ダメな自転車」については自転車乗りの立場から見ても迷惑なので、そういうのと同じに見るのは間違い。
念のため、判例では追い越し追い抜き時の側方間隔をどのように見ているか下記検討します。
二輪車への幅寄せと判例
本件は幅寄せと言えるのかはさておいて、追い越し違反については成立するかと思われます。
一般的には側方間隔の目安として1.5mと言われますが、判例では先行自転車にふらつきがなく見通しがいい道路ならおおむね1m以上の側方間隔と減速が必要というのが通説。
先行自転車が明確にふらついていたにもかかわらず、1.3mで追い越ししているのを問題視している仙台高裁判決もあります。
裁判所 | 自転車の動静 | 車の速度 | 側方間隔 | 判決 |
広島高裁S43.7.19 | 安定 | 40キロ | 約1m | 無罪 |
東京高裁S45.3.5 | 安定 | 30キロ | 1~1.5m | 無罪 |
最高裁S60.4.30 | 不安定 | 約5キロ | 60~70センチ | 有罪 |
高松高裁S42.12.22 | 傘さし | 50キロ | 1m | 有罪 |
東京高裁 S48.2.5 | 原付二種 | 65キロ | 0.3m | 有罪 |
仙台高裁S29.4.15 | 酒酔い | 20キロ | 1.3m | 側方間隔不十分(有罪) |
札幌高裁S36.12.21 | 安定 | 35キロ | 1.5m | 無罪 |
高松高裁S38.6.19 | 子供載せ | – | 約42センチ | 有罪 |
※これらは側方間隔のみで有罪にしたわけではないので、具体的な状況はリンク先を参考に。
自転車も一部のしょーもない人たちを除けば、わざと後続車をブロックするような意思はないし、ルール通り通行してます。
それはご理解頂きたいところ。
一部のしょーもない自転車はたちは撲滅せなあかん話ですが、本件を「一部のしょーもない人たち」と重ね合わせて見るのは明確に間違っていると言っておきます。
おそらく読者様の意思としても、お互いに気持ちよく通行したいだけだけなんだと思います。
数々の道路交通法の解説や判例を紹介していますが、そもそも自転車のルールについてきちんと把握している人が少ないことも一因。
ひたすら啓蒙するしかないのです。
こういうのもそうだし。
ちなみに、自転車乗りの人に対してになりますが、ミラー&バーエンドライトはまあまあ有効です。
全然流行りませんけど笑。
もう少しデイライトとしての被視認性が高いライトだといいのですが、この分野はなかなかいいものがない。
巷には迷惑自転車がいることは承知してますが、本件はそのような事案ではありません。
こちらとしては以前同様にルールの啓蒙に努めます。
コメント
「サドイチ」を新潟県は押し出してサイクリストの誘客を行っているだけに
現地の警察署の方々も法規について調べ直していたのでしょうね
コメントありがとうございます。
現場検証した話についてはちょっと驚きですが、そもそも普通に間隔開けて追い越しすれば済む話なんですよね。