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横断歩道は歩道。

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以前からちょっと気になること。

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横断歩道は歩道?

横断「歩道」だから歩道だろ!という人がたまにいますが、気持ち的にはそれでかまわないと思います。
ただまあ、道路交通法上は歩道ではありません。

二 歩道 歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。

「歩道の部分」ではなく「道路の部分」。
なぜ「歩道の部分」でもなければ「車道の部分」でもないかというと、歩車道の区別がない道路なんていくらでもあるからですね。

 

「車道の部分」とした場合、歩車道の区別がない道路には車道がないわけで、横断歩道が存在しないことになりますから。
「道路の部分」とすることにより、歩車道の区別がない「道路」にも、歩車道の区別がある「車道」にも横断歩道が設置可能になる。

 

道路交通法制定時の解説書にはこのようにあります。

「横断歩道」とは、歩行者が車両等から危害を受けないで安全に道路を横断できるように道路の一定部分を区間して設けた施設である。(中略)横断歩道は、歩車道の区別のある道路であると歩車道の区別がない道路であるとを問わない。もっとも、歩車道の区別がある道路における場合は、道路のうち車道の部分のみを指すことになる。

 

横井大三、木宮高彦、「註釈道路交通法」、有斐閣、1961

歩車道の区別がある道路では横断歩道を「車道の部分」と解釈しないと、なぜ車両が横断歩道を通過できるのか(もちろん歩行者がいない場合ね)説明がつかなくなる。

(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。

但し書きにも横断歩道は含まれてないので、横断歩道を「歩道の部分」と解釈すると何の根拠があって通過可能なのかも説明がつかなくなるし。
なので横断歩道を道路交通法上の解釈に当てはめると、こうなる。

・歩車道の区別がない→「道路の部分」
・歩車道の区別がある→「車道の部分」

ただまあ、法的な意味は抜きにして38条の趣旨を最大限尊重するならば、「歩道の一部」なんだと考えるくらいがちょうどいいと思う。

 

法的に検討する場合と精神的に検討する場合では違うというだけなんで、だから車両が横断歩道を横断したとしても25条の2に抵触しない限りは問題ないわけ。
原付が横断歩道を横断しようと。

 

そもそも道路交通取締法時代には横断歩道のほか、「観念上の横断歩道」というものもありました。
何ら路面標示もない「観念上の横断歩道」という存在は昭和35年に廃止されてます。

令1条3項
横断歩道とは、次のような車道または道路の部分をいう。
(1)交差点その他の場所において、歩行者の横断の用に供するため、区間線によって区間された道路の部分。
(2)交差点において、横断歩道の区間が明示されていない場合においては、歩道の境界線をその始端において結ぶ線によって囲まれた車道の部分

1で「道路の部分」としているのは、歩車道の区別がない道路も含むから。
2は「車道の部分」としてますが、歩道がある場合限定だから。

 

※路側帯は昭和46年まで存在せず。

 

(2)のことを「観念上の横断歩道」とも呼びますが、どういうことか?
このように横断歩道の路面標示がない交差点にて、

ここが道路交通取締法時代には「観念上の横断歩道」として、路面標示がなくても横断歩道として扱われていた。

定義にもあるように、歩道と車道が区別されてないと観念上の横断歩道も成立しない。
なので「車道の部分」としていたわけ。

 

現在の道路交通法も、観念上の横断歩道がなくなっただけで基本的には同じ流れなので、横断歩道とは道路の部分(歩車道の区別がある場合は車道)だと理解できます。

 

まあ、だからなんだんだ?という話にしかならないけど笑。

ところで

以前も書いたように、

 

これを信号無視に見えない方々。
なかなかな。 歩道を進行していた自転車と、交差道路を青信号で進行した車の衝突事故。 ビックリすることに、この自転車を「信号無視には当たらない」とか「自転車を規制する信号はなかった」と捉える方々がいる。らしい。 アホか そもそも交差点の範囲と...

 

昭和20年代の道路交通取締法時代から、交差点の隅切りは交差点に含むと解釈されてました。
令和になったにもかかわらず、歩道通行自転車は信号無視にはならないと解釈する人がいるのもビックリするけど。

 

横断歩道は道路交通法上は道路の部分(歩車道の区別がある場合は車道の部分)なんですが、法律概念とは別にして、「歩道なんだ」と考えたほうが精神的には正解。
ただまあ、歩道を横切る前の一時停止義務(17条2項)がほとんど守られてない程度に歩道の意味が薄れているので、あまり意味をなさないような気もします。

 

結構大事なんだけどね、歩道を横切る前の一時停止義務は。
こんなことが起きますよ↓

 

時速40キロで歩道を通行する自転車と、道路外から歩道を横断するクルマの注意義務。
以前書いた判例について、メールを頂きました。 ちょっと勘違いされているような。 過失運転傷害罪 この判例は刑事事件、過失運転傷害罪に問われたモノ。 過失運転傷害罪はこのように定義されます。 (過失運転致死傷) 第五条 自動車の運転上必要な注...

 

横断歩道の場合は歩行者がいないときには一時停止義務はありませんが、減速接近義務をお忘れないよう。

 

横断歩道を横断する歩行者と38条の関係。判例を元に。
前回、横断歩道を横断する自転車についての判例をまとめましたが、歩行者についてもまとめておきます。 道路交通法38条1項とは 道路交通法では、横断歩道を横断する歩行者について極めて強い優先権を与えています。 (横断歩道等における歩行者等の優先...

 


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