まあまあどうでもいい話になりますが、私としては驚きしかなくて。
ちょっと前に書いた記事についてです。
ダブスタだよ
こちらの記事にご意見を頂きました。
内容については納得しきりというか、前者はルールというか設備の方が間違っているのかもなと思うんです。
ただ、ただでさえルールがややこしいのに「こっちのルールは破ってよし、こっちのルールはいいから守れ」では、個人の主観による解釈でルールを変化させてもよしになってしまって、謎ルールが生まれる原因になる気がします。
2つ前の記事とはこちらですね。
ダブスタ…
両者を同等に扱う…の?
そもそもなんですが、両者を同等もしくは近い存在だと考えない限り「ダブスタ」とは思わないと思いますが、
・自転車横断帯通行義務(63条の6、7)
両者は全く違う次元のルールなのであって、そもそも同列もしくは近い存在とは思ったこともないので驚きました。
以前も書いたと思いますが、自転車のルールには不合理なものが多いのであって、以下全てを満たしたものについては「不要なルール」「間違っているルール」くらいにしか思ってないのですよ。
②複数の警察官が「それは守らなくてかまわない」と明言したルール(客観性)
③罰則がないルール
④守らないことにより他害性もしくは他者に危険がないルール
自分の判断だけみたいな独りよがりにならないように②を入れてますが、以下の質問をしたときに
危ないし、指導対象にもしていない。
警察本部、警察署、現場の警察官みんなこれ。
そもそも警察庁が通達で「原則撤去」を指示したことは有名な話ですが、警察庁ですら「危険、不合理」だと認めたルールと、左側通行義務を同等もしくは近い存在だと考える人がいることに驚きまして。
なお、このルールに「車道を通行する場合を除き」と書いてない理由も一応ありまして、「自転車道」(車道の部分)を繋ぐ自転車横断帯の解釈がおかしくなるし、「交差点進入禁止規制」と併用するときも解釈に疑問が生じるからかと。
そもそも自転車横断帯を新設した理由はこちら。
第91回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第3号 昭和55年4月1日
交差点における自転車利用者の保護と歩行者の保護を目的といたしまして、横断歩道における自転車と歩行者の競合を避けるために新たに自転車横断帯を設けたということでございます。
罰則がない理由はこちら。
このような科罰の方法をとったのは、これらの義務を課すこととした目的が、これらによって他の車両の通行の円滑化を図るとともに、自転車利用者自身の安全を図ることにあることから、その履行について罰則を設けて担保するよりも、第一次的には自転車利用者自身の自覚と遵法精神にまつことが適当と考えられたからである。
「自転車の通行の安全確保のための方策」(警察学論集)、1978年11月、警察庁交通企画課課長補佐、田中節夫
「他の車両の通行の円滑化」ですが、
歩道から歩道、自転車道から自転車道に横断する自転車の通行位置を定めることは「他の車両の通行の円滑化」に繋がる。
自由にいろんな位置を横断されたら困るし。
車道を通行する自転車が横断帯を通行しようとすると、むしろ他の車両を惑わすだけで「円滑化」とは真逆。
あっ、義務は義務ですよ。
しかし無意味な義務なのは警察庁から警察官まで普通に認めている話でしかないので、こんなもんに対して「ダブスタ」呼ばわりするほうが短絡的思考としか思わないのですが。
そもそも
見えない位置にあるものを守りようがないのであって。
横断帯の通行義務を守るためには、交差点に至る前には十分な減速をして左側を注視してない限り不可能。
守りようがないものは守る必要がないし、守ろうとすると単なる前方不注視でしかない。
そういう理由から「そもそも守りようがない」という意味で書いているのでしてね、
浅はか過ぎないか?
守りようがないルール、もしくは守るためには前方不注視覚悟という意味不明な「ルール」と、「左側通行義務」を同等もしくは近い存在だと考えたこともないので本当にビックリしたというのが本音。
自転車横断帯と判例
以前、自転車横断帯について昭和55年東京高裁判決があるとしているサイト(滅亡)がありましたが、
交差点の外側にある自転車横断帯の設置位置は、法(道路交通法第63条の7第1項)でいうところの「付近」に当たらないため、通行義務がない。[S55東京高裁]
https://law.jablaw.org/rw_cross1
直接質問しても判決年月日すら教えられないそうだし、残念ながら複数の有料検索サイトで探してもそんな判例はないので、エア判例かと。
滅亡した理由については知りませんが、間違いが多数あったのでどうでもいいか。
あのサイト書いた人、最高裁判例の意味すら間違ってましたし法律に詳しくない人なんじゃないかと思ってますが、なぜ滅亡したのやら。
自転車横断帯についての直接的な判例ではないけど、例えばこの判例でも通行義務を否定できるのですよ。
道路標識は、ただ見えさえすればよいというものではなく、歩行者、車両等の運転者が、いかなる通行を規制するのか容易に判別できる方法で設置すべきものであることはいうまでもない。
最高裁判所第二小法廷 昭和41年4月15日
交差点直近まで視認できない、もしくは前方注視している限り目に入らない道路標示を遵守する義務なんて、あるわけないよね笑。
存在しないエア判例を出すよりも、既存の判例でも否定できる話ですから。
自転車横断帯は自転車に対する通行規制の一種だと捉えることができますが、視認できない横断帯を通行しろという無理強いに従う理由がわからない。
こんなのも、
「アッー!」と気がついたときには既に通過しているわけだし。
あと最大の疑問。
自転車横断帯に「接近」する自転車は38条1項により「横断しようとする自転車がいないことが明らかではない限り」減速接近義務があり、横断しようとする自転車がいたら一時停止義務があると読めてしまうわけだ。
歩道から自転車横断帯を横断する自転車のために一時停止…ワケがわからない。
「守りようがないし危険だから守らないことがオススメ」という記事と、「左側通行義務のような超基本くらい守れや」という記事を比較してダブスタだというなら、残念ながら浅い方としか思わないのです。
私の勝手な判断でもないし。
以上の理由からもう少しきちんと読んだ上で考えて頂けると。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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