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ロードバイクに「ベル」が付いてないと、事故になった際に過失扱い?

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世の中、いろんなことを考える人がいるもんだなとある意味では感心します。

読者様
読者様
ロードバイクにベル未装着で事故を起こしたり事故に遭った際に、整備不良だからといって過失扱いされますか?
または危険があったのに鳴らさなかったことが過失になりますか?

うーん、聞いたことないですね。

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ベル未装着が過失扱いに?

いくつか例を挙げますね。

緊急時の場合

例えばなんですが、ロードバイクで走行中に歩行者が突如飛び出してきたとするじゃないですか。

 

ベル鳴らす余裕、あります?

 

人間の手は2つしかないのと、左右にブレーキレバーがあるからベル鳴らす暇があるならブレーキングしません?

「フルブレーキで回避しようとする行動」vs「片手ブレーキング+ベルを鳴らす行動」。
どちらのほうが適した行動なのかは言うまでもないですし、全く関係ないです。

 

もし、悠長にベルを鳴らして片手ブレーキングで余裕で停止できる状態だったなら、そもそもベルを鳴らす必要性がない場面です。

整備不良扱い?

例えばなんですが、ロードバイクに乗っていたときに歩道からママチャリがノールックで車道に降りてきて衝突したとしましょうか。

 

仮にロードバイクにベルが未装着だったとして、この事故においてベルの存在は何か関係します?

 

事故の後の過失割合を決める示談交渉や裁判ですが、事故と無関係な話を出して追及したところで無意味です。
「その事故において」過失があったかなかったかの話でしかないので、ベル未装着が事故発生に関係するなら過失にはなりうるけど、おそらく自転車事故においては「ベルがあれば事故が起きなかった」という状況自体がないと思いますが。

 

例えばなんですが、逆走自転車と正面衝突した際に「お前の自転車にはリアライトも反射板もないから整備不良で過失だ!」等と主張しても、正面衝突だから関係ないのですよ笑。

 

「声」の代用は認められている

古い判例になりますが、出前の片手運転オートバイが安全運転義務違反(道路交通法70条)に問われたものがあります。
まだ公安委員会遵守事項(71条6号)に「モノを持ち…」という規定がなかった時代なのですが、ちょっと興味深い内容があります。

 

まず、事件の概要。

本件公訴事実の要旨は、

 

「被告人は、昭和42年(中略)ころ、(中略)の自宅店舗前から字尾札部八木橋までの約450メートルの道路において、自動二輪車を運転するにあたり、同区間の道路は幅員約5.5mで狭い舗装路であるうえ、一部は見透しが不良な曲線であり、かつ道路両側の随所に民家その他の造作等が道路側端に設置され、それらの蔭から出てくる横断歩行者等を直前において不意に発見することとなるような、危険な道路であつたのに右手でハンドルを操作し、左手に出前箱一個(長さ47センチメートル、高さ30センチメートル、巾26センチメートルのステンレス製、総重量約6キログラム)をさげ、あるいはこれを胸部前面に吊るように持ち、危急の場合には警笛吹鳴も、正確なハンドル操作も、又安全に急停止もできない状態で、毎時約20キロメートルの速度で同車を運転進行し、もつて道路及び交通の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で当該車両を運転しなかつたものである。というのである。

 

森簡裁 昭和42年12月23日

結論からいうと無罪なんですが、検察官の主張の中に

 

「片手運転なら危険発生時に警笛を吹鳴できねーだろ!」

 

というものが含まれています。
これについては興味深い内容を判示している。

なお、検察官は警音器を吹鳴することができないような方法で運転すること自体が同条違反の行為に該当する旨主張する。しかし、本条の趣旨とするところは、運転者以外の者に危害をおよぼすおそれのある運転方法を禁ずる点にあると解されること、警音器の使用は、ハンドル操作等と異なつて必要な場合が限られ、その使用も制限されていること(同法第54条参照)、警音器は他の者に自車の存在を知らせて警告を与えるためのものであるというその性質上、警音器を使用することができなくとも、状況によつては声で知らせることもでき、一旦停止し、あるいは減速する等の方法で十分事故の危険を避けることも可能であること等を考えると、周囲の状況からみて、事故を防止するために警音器の吹鳴が是非必要であつたとか、その必要が十分予想されたのに、漫然警音器を使用しないで、あるいは使用することができない状態のまま運転進行した等のため、それが他人に危害を及ばすおそれのある運転方法と認められる場合は別として、本件のようにそれらの状況が認められない場合は、本条の違反に当ると解することはできない。

 

森簡裁 昭和42年12月23日

ぶっちゃけ、自転車ベルの音量なんてたかが知れているわけですが、

警音器を使用することができなくとも、状況によつては声で知らせることもでき

必ずしもベルを鳴らさなくても代用手段は認めていると取れる。
そもそも、自転車とベルって相性は悪いモノだと思ってまして、危険を防止すべき時こそ両手でハンドルとブレーキレバーを操作したほうが確実に安全。
どうしようもないならベルよりも大声出したほうが確実だったりします。

 

少なくとも、ベル未装着が過失扱いされた判例は聞いたことないですね。

一応は装着義務があるわけで

ごく一部の県を除けば、道路交通法71条6号(公安委員会遵守事項)に「自転車のベル装着義務」が定められているわけで、そもそも装着義務があるわけです。
高いものじゃないし、何かしら付けることが義務なのは言うまでもなく。

 

実用性は無いに等しいけど、そういうもんだと思っています。

 

自転車ベルって何でもよい?他人とは一味違う自転車用ベルを。
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ちなみにですが、道路交通法54条を根拠に装着義務を言う人も時々いますが、この規定は「標識がある場所で吹鳴する義務」なので別問題。
二輪の自転車は、道路運送車両法上の軽車両には含まれないのでこちらも関係なし。

 

ベル未装着が過失扱いになる判例は見たこともないけど(ちょっと探しても見つかりません)、私の中ではベルを装着する理由は道路交通法71条6号に違反しないため「だけ」でしかなくて、危険防止のためにやむを得ない場合はブレーキ操作と大声。
「警笛鳴らせ」については、滅多に見かけない。

 

「警笛鳴らせ」の区間って、結局は見通しが悪いのでハンドル操作優先の徐行で十分な気がしますし、判例上は「大声」でも代用可。
ただし未装着自体が違反になるから、仕方なく付けているだけなんですけどね。
車のように、ブレーキは足で手が自由じゃないと、警音器を使えないとしか思えない。

 

ていうか、キャニオンのベルのようにスタイリッシュなものもあるし、デザインの一部として選んでもいいのでは。

 

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コメント

  1. 山中和彦 より:

    過失扱いされないと聞いて、胸をなでおろしました。
    (普段はベルを付けてます)
    トライアスロンの大会では、ベル装着禁止の大会が多く、付けていると、外すように指導されます。
    私の場合、目立たないノグのOiを、DHバーの肘置きの下に付けていまして、見つからないこともあるのですが、見つかると、やはり外すように言われます。行き帰りもレンタカーなので、基本問題ないですが、レンタカー屋さんから自宅までが、ベル無装着で帰ってます。(面倒がらずに、大会が終わればすぐに付ければよいのですが)
    ただ、ベル装着についても大会によりけりで、多くの大会は禁止ですが、たまに装着が義務の大会があります。(だいたいが、交通規制が完全に掛けられなくて、片側は自動車が通行していたりする大会ですね)
    ライトに関しても、基本は装着禁止。トンネルなどの暗くなると要因がコース上にある時はフロントだけでなく、テールライトも装着義務になったりします。
    公道の通常走行でなく、大会という特殊要因ですので、どうでもよい話でした。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ベルが付いていれば事故を防げたケースであれば過失になり得ますが、ベル鳴らす暇があるなら両手でブレーキ操作すべきですし、前方に疑わしい状況があるなら減速して様子見すれば済む話なので、ベル未装着が過失になるケースなんて事実上ないと思います。

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