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オランダの自転車とか、どこが安全なのか?

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ちょっと前にも取り上げたこれ。

言いたい内容としては「ヘルメットよりインフラだろ」ということなんでしょうけど、これを見て「安全」と言われるとだいぶ違和感があります。

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オランダと自転車

あまりいい資料は見つからなかったのですが、よく言われる「優先」という概念。
交差点には譲れ標示があってなんたらかんたらという話ですが、ちょっと古い資料になるけどオランダでも自転車事故の7割は交差点だとか。

オランダでの事故件数の特徴をみると、道路形状・事故類型別では、都市部の自転車事故の約7割が交差点で発生している点はわが国と類似している。

 

https://www8.cao.go.jp/koutu/chou-ken/h22/pdf/ref/1-1.pdf

資料をみると2010年頃作成のようだし、日本の統計を見ると「交差点」+「交差点付近」を足して約7割。
データの取り方が同一なのかわからないので単純に比較していいのかはやや怪しいけど、オランダには優先権が規定されているから云々って本当に素晴らしく機能しているのかは謎。

 

実際のところ、「優先」を重んじて尊重する文化が根付いているのかも怪しいし。

https://twitter.com/frietmetpatat/status/1635453524564758528

サイクリストはドライバーよりもさらに反社会的です」と、37 歳のジェニファー ブラウワーは不平を言います。ジェニファー ブラウワーは視覚障害者として登録されており、サイクリストとの衝突にうんざりしていたため、賑やかな西部地区から街の静かな郊外に引っ越してきました。

 

Bike-Dominated Amsterdam Is Not a Walker's Paradise
As Amsterdammers jostle for space, the city government is trying to ease conflicts between those on bikes and on foot.

「私が一人で歩いたり自転車に乗ったりしている場合、アイコンタクトは通常、どちらが行き、どちらが譲歩するかを判断するのに十分です. でも今は赤ちゃんができたので、アイコンタクトをあまり信用していません。ある日、テンケート市場の近くで生後 4 か月の息子を押していた Menno van de Lustgraaf さん (33 歳) は言いました。「サイクリストは横断歩道で止まることはありません。ベビーカーを持っていても。

 

Bike-Dominated Amsterdam Is Not a Walker's Paradise
As Amsterdammers jostle for space, the city government is trying to ease conflicts between those on bikes and on foot.

 

これが「安全」なの?オランダの自転車事情。
これを見ても、どこが安全なのかさっぱりわからないのは私だけ? 横断歩行者がいても減速しない自転車とか、逃げ惑う歩行者とか… 本当に安全なんか? 以前も書いたけど、オランダの実態。 横断歩道で止まらない自転車にガツガツぶつけられて、引っ越しす...

 

ちょっとネタ動画になるけど、こんなだし。

自転車通行部分を歩いている歩行者には容赦なくベルを連打して突っ込むとか、理解し難い光景がありますが、「自転車道だから自転車様が優先だ!」という感覚なんですかね。
自転車が優先だとしても、普通なら事故を回避しようとしそうなもんだけど。

結局のところオランダって、クルマの威力と比較したら自転車が衝突するくらい大したことねーだろ的な発想にしか見えないのです。
死亡者数が減ったから多少ぶつかろうが気にしない的にしか見えませんが。
その結果として走行距離からみれば死亡者が少ないとも取れますが、人口あたりでみるとビミョーですし。

 

交通事故で(重傷を負った)サイクリストの数は正確にはわかっていません。事故が起こった場所でもありません。インフラ・水管理省は、警察のデータに基づいて、2019 年に 19,000 人の負傷者を想定しています。しかし、すべての事故に警察官が関与しているわけではありません。そのため、ユトレヒト州とフリースラント州では、病院と救急車サービスの救急部門 (A&E) からのデータに集中しています。SafetyNL (怪我予防の知識センター) は、これらの数値に基づいてオランダ全体の計算を行い、80,000 人が負傷し、そのうち 50,000 人が重傷を負っています

Het aantal fietsongelukken blijft stijgen. Wat is er aan de hand?
Fietsen is geen gevaarlijke activiteit. Toch vallen de meeste verkeersdoden onder fietsers. En onder de ernstig gewonden...

怪我しても死ななきゃOK的な発想なんかな。
自転車の事故は多発し、重傷者多数のオランダ…
「優先権」とやらが機能してるようにも思えないけど、結局「クルマ・歩行者と分離した構造」という点には見習うべきかと思いますが、それ以外では特に見習うべき点があるようには思えない。

 

他の記事でも書いたように、日本の自転車道は「歩道接続」「段差あり」「車止めあり」。

歩道の中にあるのに車止めw

 

「歩道接続方式」にするのは信号との関係が大きいけど、やたら車止めやら段差などで「走りにくいようにする」のは、横断歩行者保護のために減速させたい意図があるみたいだし、オランダの状況と日本の状況からしてもそうせざるを得ないのでしょうな。

 

オランダでも自転車は横断歩行者を優先しないそうだし、物理的に減速させるしかない。
優先権がきちんとしていることがオランダの特徴らしいけど、そのわりには日本と比較して交差点事故の割合は大差ないみたいだし、自転車は横断歩行者を優先しないそうだし。

自転車は歩行者をあまり優先しません。例えば歩行者用の信号が青で渡っているとしましょう。横から来る自働車の信号は赤になっていますが、自転車の信号はないとします。すると自転車は歩行者を優先することなく、まっすぐ横から突っ込んで来ます(人にもよりますが)。そういう時は自転車を先に通したほうが安全です。

 

オランダの自転車道路事情とマナー

オランダでは自転車乗りが王様だ。自転車専用道路を走る偉大なるお方には、歩行者もドライバーも決して逆らえない。歩行者用信号が青でもほぼ、いや、確実に止まってくれない。止まる気配すらない。くりかえすが、自転車乗りが王様なのだ。

 

アムステルダムでやっと手に入れた自分だけの自転車。運河をこえ、美術館やアトリエ目指して走らせる|アムステルダムの窓から Vol.4 | こここ
アムステルダム滞在中のアートエデュケーター・佐藤麻衣子(マイティ)さんによる連載。第4回となる今回は、自転車の街アムステルダムでついに自分の自転車を手に入れたこと、そして、その自転車で街をめぐったときのお話です。

優先権が根付いているならば、他者の優先権を尊重する社会になるはず。
必ずしもそうはなっていないようです。
歩行者が高度に自衛する文化が根付いているのですかね?

ところで

冒頭の件にしても、「クルマから分離してサイクリストを保護し、歩道から分離して歩行者を保護する」というだけならほとんどの人は反対しないかと。
「事故を減らすための」インフラ整備と、「事故ったときの怪我の軽減目的の」ヘルメットを同一線上に語るから議論が散漫になるし、そもそも動画をみて安全だと感じる日本人がどれだけいるのか理解してないのか、わざとなのか。

 

まあ、優先云々については他で書こうと思っていたけど、日本でやたら細かく過失割合を争うのは民法をそのまま適用するから。
フランスなんかは道路交通法の中でいろいろ規定され、「著しい過失」のみを問題にする点で違いがあります。

 

民事法の概念って、人の行動様態に影響するのかなと思ってまして。

 

ところで、オランダの自転車ってやたらベルを連打しているようで、日本とは規則が違うのですかね。
日本の場合は標識がなければ「危険を防止するためやむを得ない場合」のみ。
このような判例があります。

警音器を鳴らした当時の状況並びにその必要性の有無について、現認警察官及び被告人の供述によれば、駐車中の車で作業していた三、四人の人夫があったことが認められる上、その側方は、約4mに狭められていたのであるから、約25キロの速度で進行中、三、四人のうち一人が上を見ながら道路中央に出たのを見て、ブレーキをかけると共に、警音器を鳴らすのは当然の措置であり、更に相手方に警戒させるため警音器を鳴らしたとしても、必ずしも違法があったとは言えない。

 

仙台簡裁 昭和37年11月13日

昔は警音器で起訴していたんですかね。
まだ反則金制度ができる前です。

 

おっと話が逸れました。
いろいろ見ている限り、オランダって結局はサイクリストに強大な「権力」を与えたがために歩行者が自衛する社会とも言えるし、極論すれば「ぶつかろうが死亡しなきゃOK」程度のモラルにしか見えませんが、インフラ整備しようとダメな奴らが集えばお察しなんでしょうね。

 

こんな狭い自転車専用道路で無理に追い越しすればこうなるのは目に見えてますが。
けど不思議なくらい、対向自転車も減速しない。

 

けど、「優先権」とやらが規定されていても自転車事故の7割は交差点(日本と大差なし)で優先権とやらが素晴らしく機能しているのか不思議だし、他者の優先権を尊重するならば横断歩行者を優先するはずだし。
分離する構造という点では優れているのだろうけど、オランダのチャリカス様たちの状況をみたら、日本の自転車道がこのように物理的構造で減速させたがるのも理解せざるを得ない。

車止めと段差などで強制減速させるのがもはやデフォルト化してきてますが…

 

ちょっと前にスイスの話を書きましたが、クルマに乗ろうと自転車に乗ろうと、降りたら歩行者なんだよね。
自転車が歩行者を優先しないのは、自分に跳ねかえってくるだけでしかない。

 

スイスの横断歩道、今と昔③。
こちらの最終回です。 スイスの今と昔 まずおさらいから。 以下、1977年9月の「人と車」(全日本交通安全協会)からの引用や抜粋になります。 ・調査は1975~1976年に掛けて、スイスのチューリッヒ市内で行われた。 ・当時のチューリッヒに...

 


コメント

  1. とっちゃん より:

    これはなかなか興味深い内容です。

    数ヶ月だけニュージーランド(北島)にいたのですが、ニュージーランドは自転車もクルマもめちゃくちゃ紳士的でした。そもそも自転車の台数は少なかったのですが、当然ながら歩行者を優先するし、クルマも自転車を一台の車両として認知している。

    いったい何が違うんだろうか。。。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      オランダについては自転車が王様状態なので、分離構造以外は見習うべき点はさほどないと思います。
      自転車が王様状態にあるのは、そういう政策を取ったからとしか言えませんが、探せば「不満を持つ歩行者」の話ってまあまあ出てくるんですよ。

  2. 佐藤 より:

    自動車を抑制して自転車を優遇すると重大事故も公害も渋滞も不健康も減るので各国の都市化が自転車優遇の政策してますよね。それが公益の最大化につながるからです。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      書いて頂いた内容と、記事の内容の関係性がわかりませんが…それとこれは別問題ですよ。

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