PVアクセスランキング にほんブログ村 当サイトはAmazonアソシエイト等各種アフィリエイトプログラムに参加しています。
スポンサーリンク

2輪車すり抜けの是非。

blog
スポンサーリンク

時々、2輪車のすり抜けの是非が議論になりますが、ちょっと判例を紹介します。

スポンサーリンク

2輪車のすり抜け

判例は大阪地裁 令和2年3月26日。
まずは事故概要から。

加害車両、訴外C、後続トラックは貨物車等。
訴外Dはワゴン車です。

 

第一車線を通行して訴外D車に追い付いた「被害2輪車」は、下図のイメージで追い越し。

理由は不明ながらも加害車の横で右側に転倒し、加害車が被害者を轢過した事故になります。

原告車は、第1車線を南進してきてD車に接近し、ブレーキを踏んで減速して、後続トラックの後尾の左横あたりまで進行した。この時点における原告車の速度は、D車及び後続トラックと同程度であった。
原告車は、そこからブレーキを解除して加速し、後続トラックの左前部とD車の右後部との間を走行して第2車線へ進路変更を行い、後続トラックの前方に出て、D車を追い越した上で第1車線に進路変更を行った。
原告車は、第1車線への進路変更を完了した後、ブレーキを踏みつつ進行し、被告車の左横まで進行したが、被告車の左横において、右側へ倒れて転倒した。被害者は、原告車が転倒した直後に頭部を被告車の左後輪によって轢過された

 

大阪地裁 令和2年3月26日

結論からいいますと、加害車両には注意義務違反は認められず、自賠法3条但し書きにより免責です。
ただし、控訴中の様子。

本件事故は、まことに痛ましい事故であり、遺族である両親の行き場のない悲痛な思いは察するに余りあるけれども、本件事故が被告の過失によって発生したものとはいえない。

 

大阪地裁 令和2年3月26日

判決理由については詳細は書きませんが、加害者に過失がないとして免責にしています。

すり抜けの是非

この事故態様を「すり抜け」と評価するのはやや疑問がありますが、自転車がこのように走行中の4輪車を追い越しすることはめったにないでしょうから、オートバイ特有の事故と言ってもいいのかもしれません。

 

ところで、2輪車のすり抜けについてはその是非について議論になることがありますが、正直なところケースバイケースなのでなんとも言えません。
広い意味では、白山通りの「普通自転車専用通行帯」を通行することも「停止車両のすり抜け」ですし。

 

白山通りの自転車レーンが抱える本当の恐怖。
東京都の白山通りには、非常に悪名高き「普通自転車専用通行帯」がありますが、 ここの問題点としては、「ドア開け事故」リスクがあること。 しかしそれ以外にも問題があります。 白山通りの自転車レーンが抱える本当の恐怖 ドア開け事故については、基本...

 

まあ、白山通りの自転車レーンについて「危険」だという理由は、いわゆるすり抜けのリスクと大差ないんですけどね。

 

すり抜けの是非については、いい・悪いを単純化することに疑問がありますが、上のような事故もあるということを理解して判断すべきかなと。
リスクを知ってすり抜けすることと、リスクが頭にないまますり抜けするのでは意味が違うので。

 

ちなみに、先行車が停止している左側をすり抜けて進行中に歩行者が直前横断(車列間横断)してきたために起きた事故もありますが、2輪車運転者が転倒時に頭を打って死亡したために、歩行者が「重過失致死罪」として有罪になった事例があります(略式)。

 

なお、自転車が追い抜きをしたために起きた事故もありますが(ただし民事では事故態様に争いあり)、

 

ロードバイクの事故と、本当の原因。
何年か前になりますが、名古屋で先行する時速35キロで進行する大型車に対し、左側の狭いところから時速36キロで追い抜きしたロードバイクが事故に遭った件をご存知でしょうか? こちら。 この事故、民事の判例もあります。 刑事事件の内容 刑事事件の...

 

こちらについては民事にて控訴中の様子。
おかしな報道がおかしな世論につながった一例としか思いませんが、マスコミ報道なんていい加減ですよね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました