ではこちらの件。

これについて法定最高刑は何年になるかという話。
危険運転致傷罪のうちアルコール酩酊運転態様(2条1号、15年以下の懲役)が成り立つ前提にしますが、最初に追突したことが「第一事故」ですよね。
ここで危険運転致傷罪が成立するとして、バックした後に再発進しているのだから、第一事故を起こした認識があるのに逃走したことになり救護義務違反(10年以下の懲役)が成立する。
そして再発進した後にさらに事故を起こしているのだから(第二事故)、ここも危険運転致傷罪(15年以下の懲役)が成立すると考えられる。
そうするとこうなりますが、
②第一事故に対する救護義務違反(10年以下の懲役)
③危険運転致傷罪(第二事故、15年以下の懲役)
刑法47条の規定により、①~③の合算が「40年以下の懲役」となるところ、最も重い危険運転致傷罪の1.5倍になるため
第四十七条 併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
15×1.5=22年6ヶ月が法定最高刑になる。
なお、幸いにして死亡者が出ていないことを考えても、1つの事故で思いとどまることなくさらに進行して事故を起こしているわけで、行為の悪質性は重大。
執行猶予案件ではないように思われる。
ところで、毎回のように珍解説を繰り返すYouTuberもどうかと思うんだけど、法律に詳しくない人が間違いを繰り返しながら勉強しないのも不思議なのよね。
調べもせずに思いつきでテキトーな解説を繰り返す人としか見てませんが、
SNSを見ると、そういう人はわりといる。
フェイクニュースを量産して何をしたいのかはわからないけど、反面教師として捉えましょう。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


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