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AIに判例解説させてみた。

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以前こちらを取り上げてますが、

非常上告と再審は違う。
この人が判例を語りだすと間違いが多いけど、非常上告事件について、検察官と被告人が争ったような内容にして解説している。これは完全な誤りで、そもそも非常上告とは何なのか?なのよ。◯刑事訴訟法第四百五十四条 検事総長は、判決が確定した後その事件の...

この判例は平成26(さ)1号、最高裁判所第二小法廷 平成27年4月20日。
道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件です。

 

非常上告というのは検察官が法令適用を間違えて起訴し有罪が確定してしまった事件について、検察自身が「法令適用を誤って有罪が確定しちゃったから破棄してくれ」とお願いする制度
従って非常上告の申立は検事総長しかできません。
非常上告事件のほとんどは道路交通法違反の略式命令に対するものです。

 

事件の流れはこう。

・原付で普通自転車専用通行帯を通行した違反に対し、警察官は「通行帯違反(20条2項)」を適用しなければならないのに、「自転車道を通行したから通行区分違反(17条3項)」を適用し反則告知(青切符)。

・「何らかの理由」により反則金の納付がなく、反則制度から刑事事件に移行

・保土ヶ谷簡裁に略式起訴され、反則告知されていた「通行区分違反」として略式命令(罰金の有罪判決)

・詳しい経緯は不明ながらも、警察又は検察が当該事案について「通行帯違反(20条)」を適用しなければならないのに「通行区分違反(17条3項)」を適用したミスを認識。

検事総長は「法令適用を誤って起訴し有罪判決が確定したから判決を破棄してくれ」として非常上告の申立をした。

・最高裁は検察官の主張通り、法令適用を誤っていたことを認めて原命令を破棄し無罪に。

ところが運転レベル向上委員会がこの判例を解説すると、全く違う内容になってしまう。

運転レベル向上委員会より引用

検事総長が「法令適用を誤って有罪にしたから破棄してくれ」とお願いする制度なのに、運転レベル向上委員会に解説させると、検察官が「原略式命令は正当だ!」と真逆の主張をしたことにされてしまう。

 

ところで、最近はAIを使う人も増えているけど、この判例をAIに解説させてみた。

 

まず事件番号でAIに質問。

「最高裁判所第二小法廷 平成27年4月20日判決」が正解なのに、最高裁判所第一小法廷 平成26年6月2日判決だとする。
そもそも平成26年6月2日には最高裁判決がないのでエア判例になりますが、

AIいわく、同判例は酒気帯び運転の有罪判決に対する非常上告だとし、非常上告では争えない「事実認定」が争点だとする。
そしてAIいわく、非常上告は棄却されたと笑。

謎のエア判例を解説するもんだから、たまらず「最高裁判所第二小法廷 平成27年4月20日判決について」と質問を追加する。
しかしAIさんは

全く違う話に没頭w

 

マジで使えない…
そもそも、この判例をどう読むと運転レベル向上委員会のような解説になるのか全く理解できませんが、非常上告審においては検察官と被告人が対立する構図にはなり得ない。
なにせ検察自身が「間違って起訴して有罪確定しちゃったから有罪判決を破棄してくれ」とお願いする制度なのだから。

 

最近だとこういう事件がある。

益田簡易裁判所は、令和5年6月9日、「被告人は、令和5年5月13日午前11時50分頃、島根県益田市内の道路において、指定最高速度(50㎞毎時)を34㎞毎時超える84㎞毎時の速度で普通乗用自動車(軽四)を運転して進行した。」旨の事実を認定した上、道路交通法22条1項、4条1項、118条1項1号、同法施行令1条の2、刑法18条、刑訴法348条を適用して、被告人を罰金6万円に処する旨の略式命令を発付し、同略式命令は、同年6月27日確定した。
しかしながら、一件記録によると、本件違反場所は、最高速度について何らの指定もされておらず、道路交通法22条1項、同法施行令11条に規定する法定最高速度(60㎞毎時)が適用される道路であったから、被告人の速度超過は正しくは24㎞毎時となり、同法125条1項により反則行為となると認められる。したがって、被告人に対しては、同法130条により、同法127条の通告をし、同法128条の納付期間が経過した後でなければ公訴を提起することができない。しかるに、益田区検察庁検察官事務取扱検察事務官が上記の反則行為に関する処理手続を経由しないまま公訴を提起したのであるから、益田簡易裁判所としては、刑訴法463条1項、338条4号により公訴棄却の判決をすべきであったにもかかわらず、公訴事実どおり前記事実につき有罪を認定して略式命令を発付したものであって、原略式命令は、法令に違反し、かつ、被告人のため不利益であることが明らかである。

最高裁判所第一小法廷 令和6年3月7日

この事件の概要。
「50キロ」の標識を設置したものの、公安委員会の意思決定が漏れていたために標識の効力がないことになり、「84キロで走行」したのは「34キロ超過(赤切符)」ではなく「24キロ超過(青切符)」として処理しなければならない。
青切符として処理しないと違法なのに、赤切符処理して起訴したのだから、本来は「公訴棄却」つまり裁判を打ち切る判決を出さないとダメなのよね(公訴棄却と控訴棄却はもちろん意味が違う)。

 

警察が「標識効力が無効なこと」に気づいて検察に相談し、検事総長が非常上告を申立して「略式命令を破棄し、公訴棄却の判決を求める」としたのがこの事件です。

 

道路交通法は複雑な上に、略式起訴だと裁判所のチェックも漏れてしまうのかと思いますが、非常上告のほとんどは道路交通法違反。
そしてAIはいまだ不完全だし、判決文があるものは自分で読んで理解するしかないけど、非常上告を知らない人が語ると真逆のフェイクニュースになるから、ガセネタを吐き出すAIも、不勉強でガセネタを語る人も大差ないのよね。

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