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MSPEEDWAX Race Powder。

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そういえばチェーンワックスの話の続き。

 

「Velo Magazine」では様々な潤滑剤のテストが行われ、成績上位3つはチェーンワックスだった話はあまりにも有名ですが、その最上位にいるとされるのがモルテンスピードワックス。
ちなみに「最上位」と「せいじょうい」は読み仮名が一字違いです。

 

モルテンスピードワックスのレース実績としては、リオデジャネイロオリンピックのロードタイムトライアルでクリスティン・アームストロング選手が三連覇達成時に使用していたことも有名ですが、同社のチェーンワックスにはオプションとしてMSPEEDWAX Race Powderなる「粉」が用意されている。

MSPEEDWAX Race Powder 63g
Looks like gun powder but makes your chain faster than a speeding bullet. MSW Race Powder is the final application step ...

モリブデンと二硫化タングステン(PTFE不使用)の粉がさらに抵抗を減らすのですが、

 

どこかの人が「チェーンワックスの潤滑原理は、摩擦熱でワックスが融解することだ」と言っていたことがいかに的外れなのかわかるのよね…
そもそもその根拠としたスキーの潤滑原理にしてもきちんと理解してないのだから話になりませんが、

 

今回はそのあたりのアホさ加減についての話ではなく、手間の話。
ちょっと前にも書いたんだけど、

なぜワックス→オイルに?
こちらについて質問を頂いたのですが、うーん…手間の問題こちらにも書いたのですが、ワックス系ってきちんと洗浄脱脂して施工しないと定着せず、本来の寿命や性能にはならないのですが、これ、冬場にはきちんと湯煎して暖めてから施工しないと、チェーン表面...

例えばモルテンスピードワックスの効果を発揮させたいのであれば、「完 全 脱 月旨」して乾燥させ、加熱して液体化したワックスに漬け込んで施工し、ワックスを乾燥させる必要がある。
さらに魔法の粉を使うならハケで粉をまぶすことになりますが、

 

チェーンワックスの場合、この工程のどこかを怠るとむしろ意味がなく逆効果にすらなりうる。
きちんと脱脂しないままワックスを施工したら定着しませんから。

 

ところが一般的なチェーンオイルの場合、多少雑な洗浄の後に注油したとしても、逆効果になることはない。
なのでワックスとオイルでは施工にかかる手間がだいぶ違うんだけど、言い方を変えればワックスはきちんと施工できる人向けなのよね。

 

そして施工工程の手間を考えると、ワックスよりオイルを選ぶ人が増えるのは当たり前な気がするし、現にモルテンスピードワックスが最強だというデータが出ていることと、それを選ぶ人が多いかは別なんだけど、

 

手間もコストも気にしないからとにかく低抵抗を求めるならモルテンスピードワックス+魔法の粉がいいのかもしれない。

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