先日のこちらにご意見を頂いたのですが、

【注意】なぜか嫌われる人がよく使う言葉5選(えらせん) https://t.co/pbgWLCVv6r
これはコメントにも言える
法的根拠は?判例は?は嫌われます。
道交法は、解釈次第でなんとでもなる。だから裁判で争います。#道路交通法— 勝手に事故調査委員会 (@VdeLfmZm0A67622) November 29, 2023
これがモットーの人ですから
「道交法は解釈次第でなんとでもなる」という思考らしい。
運転レベル向上委員会について専門書や判例の見解とは異なる独自論が多い理由は、これが前提なんですかね…
この発言はどういう脈絡で発信したのか当該ツイートの前後を確認してみました。
どうやら「道路使用許可を得た場所は道路交通法上の道路に当たらない」と主張する運転レベル向上委員会について、疑義を呈するコメントを牽制しているらしい。
【道路】とは、一般の交通に供する道であり、その他の場所である。
大前提は、一般の交通に使われていること。道路を特定の個人や団体に使用許可を出す=一般の交通に使用されない道路になるため、【道路法】【道路交通法】どちらの道路にも該当しなくなる。
って分からないのか?#ツール・ド・北海道— 勝手に事故調査委員会 (@VdeLfmZm0A67622) November 29, 2023
ただしそもそも、判例や警察の立場は「道路使用許可を出した場所も、道路交通法上は道路である」なのでして、運転レベル向上委員会の主張には根拠がないのよね。
判例は東京高裁 昭和42年5月31日。
長野県の県道について、道路工事のために通行禁止となっていた場所において無免許運転をしたもの。
無免許運転したのは工事関係者で工事車両を無免許運転です。
「被告人は本件自動車を運転して右道路の南側端寄りの部分をならす作業に従事していたものであるところ」とある通り。
原判決挙示の実況見分調書によれば、被告人が無免許で大型特殊自動車(ロード・ローラー)を運転したとされる原判示第一の道路は、長野県々道にして、本来、一般通行の用に供する道であつたことが明らかであるから、道路法第2条第1項、第3条第4号所定の道路にあたり、したがつて、道路交通法第64条、第2条第17号、第1号により、本件自動車の如き車両等の運転には免許を要する道路交通法上の道路と認められることもまた明らかである。所論は、被告人が本件自動車を運転した区間は、道路工事のため、道路標識をもつて一般の通行が禁止された場所であるから、道路交通法にいわゆる道路ではない旨、縷々主張するが、所論のような通行の禁止は、道路管理者が、一定の場合に、道路の構造保全、または、交通の危険を防止するため、一時的に行なう道路管理上の措置に過ぎない(道路法第46第1項、第48条第1、2項参照)のであり、むしろ、道路本来の目的効用を達成するための措置であつて、それが道路たることを否定するものではない。これを、運転免許制度の趣旨からみても、同制度は、道路における車両による危険の防止を図らんとするにあるものであるところ、所論のような通行禁止の標識のみをもつてしては禁止区間内に一般通行人が立ち入ることを完全に防止しうるものではないのみならず、右にいわゆる危険とは、ただに一般通行人に対する危険に限らず、所論のような通行禁止区間内において工事に従事する者、あるいは、同区間内に存する物に対する危険等、ひろく、一切の危険を含むものと解すべきであるから、たとえ、所論のように道路標識が設置されて一般の通行が禁止され、かつ、被告人の運転した自動車が工事用の自動車で、その運転区間も右通行禁止区間内に止まるとしても、本件の如き自動車の運転に免許を要しないものとする合理的根拠とはなしがたい。以上の諸点に関する所論はすべて独自の見解というほかなく、論旨は採用の限りではない。
東京高裁 昭和42年5月31日
東京高裁は「禁止区間内に一般通行人が立ち入ることを完全に防止しうるものではないのみならず、右にいわゆる危険とは、ただに一般通行人に対する危険に限らず、所論のような通行禁止区間内において工事に従事する者、あるいは、同区間内に存する物に対する危険等、ひろく、一切の危険を含むものと解すべき」とし、道路使用許可を出したことが道路性を否定することにはならないとする。
そしてツールド北海道を管轄する北海道警も当該事故を交通事故として処理しているのでして、
北海道警察 交通事故情報マップ
「交通事故」とは、道路交通法第2条第1項第1号に規定する道路において、車両等及び列車の交通によって起こされた事故で、人の死亡又は負傷を伴うもの(人身事故)並びに物損事故をいう。
用語の解説|警察庁Webサイト
裁判所も警察も「道路使用許可を出した場所も道路である」としているのに、独自論を唱えたところで根拠がないのよね。
なぜ選手に道路交通法の各条の規定が適用されないかについては以前書いた通り。
根拠がない独自論を主張し、反対意見を牽制するためにこのように書いたと考えられますが、
【注意】なぜか嫌われる人がよく使う言葉5選(えらせん) https://t.co/pbgWLCVv6r
これはコメントにも言える
法的根拠は?判例は?は嫌われます。
道交法は、解釈次第でなんとでもなる。だから裁判で争います。#道路交通法— 勝手に事故調査委員会 (@VdeLfmZm0A67622) November 29, 2023
正当な意見を根拠がない独自論で封じようとして、正当な意見をする人を「嫌われる」と捉えるのも凄い。
ちょっと調べれば東京高裁判決や専門書の見解はわかるのだし、調べもせずに独自論を主張しても「あんた、不勉強やで」と思われるのは当然なのよね…
そもそも、ツールド北海道事故に道路交通法の適用があるかないかなんて事故防止には何の役にも立たない視点としか言えませんが、
この人の根底にあるのは、「道交法は、解釈次第でなんとでもなる」という誤った価値観と言わざるを得ない。
ちなみに不思議に思うこと。
「道路使用許可を出した場所は道路ではない」という見解を取ると、箱根駅伝のように「歩行者や車両の横断禁止規制」がある場所で横断する歩行者や車両がいたとしても、取り締まりする根拠がないことになる。
持論に矛盾があるのは明らかなんだから、だから専門書や判例を調べるのよね。
明らかな誤りに対し反対意見がつくのは当たり前。
なぜ運転レベル向上委員会は自信満々に間違った見解を述べるのか謎ですが、この人に足りないのは「きちんと調べる」ことなのよ。
ところで今度は警察庁の解説を論破するそうですが、

警察庁だから必ず正しいとは思わないが、34条と指定通行区分の条文解釈を間違っている(34条1項の「道路標識等」を進行方向別通行区分と勘違いしているなど)人が警察庁の解説を論破するなんてムリなのよ…
間違いを撒き散らして何をしたいのかわかりかねますが、単に負けず嫌いな人、間違いを認めない人にしか見えないのよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。




コメント
「解釈次第でなんとでもなる」は、ほんとにど素人の考えです。
判決が、条文とズレてるのではないか、と思うことはありますが、それは、
1.判例がそのような解釈をしていた
2.立法趣旨を考えたら、その判決となった
のいずれかで、裁判官が勝手に解釈しているわけで無いですね。
まぁ、たまに、「どちらかの弁護士の言い分に丸め込まれた」ように見える判決もなくは無いですが、まれですね。
コメントありがとうございます。
解釈次第でどうにでもなるなら、解説する必要性すらないんですよね。
どうせ好き勝手に解釈するのだし。