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相手が必要としていたのは何か?

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先日の夜のこと。
駅のバス停の列に並んだところ、列から2mくらい離れた位置でバスを待つ謎の人がいた。

 

なぜここに立っているのだろう?と疑問に思いつつ、バスが到着し列が進んだところでようやく理由が判明。

 

この人は白杖を持っている。
視覚障害者である。

 

そういや過去に一度この人を見かけたんだけど、列に並んでいた人が声を掛け、肩を貸してバスに誘導していた。
とりあえず彼の肩を触り「バス乗りますか?」と聞く。

 

「はい、○○系統ですか?」

 

自分の至らなさを痛感する。
彼はバスが到着したことがわからないのみならず、どのバスが到着したのかがわからないのでして。

 

「えーと、△△経由の✕✕行きですね」

 

「ありがとうございます。肩を貸していただけますか?」

 

目が見える私の常識と、目が見えない彼の常識は違う。
そうか。
「△△経由の✕✕行きのバスが来ましたが乗りますか?」と聞くのが最も親切だったんだなと学んだ。

 

次に見かけたら、そうしよう。
ちなみに私の至らなさなんだけど、「どちらで降りますか?」まで聞いて肩を貸すのが正解だった。

 

ところで、バス停の列に並んでいた人たちは彼を盛大にスルーしたことになるが、たぶん、彼が立っている位置からして「何をしたい人なのか」がわからないか、そもそもスマホに夢中で気づいてないかだと思う。
それを「不親切な人たち」とは思わない。
単にわからないのだろうから。
次に見かけた時に、同じようにすればよい。

 

ただまあ、彼に声を掛ける人がいなかったならば、バスに乗らずに待ちぼうけになると想像するとなかなかつらい。

 

今回、私は「彼をバスに誘導すること」が必要だと思っていた。
それ「も」必要なんだけど、彼が知りたかったのは「バスが来たのか」と「どこに行くバスなのか」なのよね。
そんなことに気づかない私もどうかと思うけど、次回から気を付けよう。

 

相手の立場に立って考えるのはなかなか難しい。
ところで、バス運転者さんの中には車外スピーカーで「△△経由✕✕行きです」とアナウンスする人もいれば、しない人もいる。
そこは「アナウンスする」で統一したほうがいい。

 

そのアナウンスを必要とする人がいるのだから。

コメント

  1. ウエハラケンジ より:

    良い話でした。ありがとうございました。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      気付きの問題と、相手の立場に立つことが大事なんでしょうけど、なかなか難しいですね。

  2. メリダに乗ってます より:

    いつも拝見するのを楽しみにしています。
    最初は「また何かのトラブルかな?」と思い込みで見てしまい、自分の浅はかさを恥じました。
    とても心に残る内容でした。
    見えている側からは気づきにくいこと、見えない側が本当に求めている支援が何なのかを丁寧に描かれていて、学びになりました。
    「相手が本当に知りたいこと・必要としていること」に気づく姿勢の大切さを改めて感じます。
    日常の中の気づきを共有してくださって、ありがとうございます。

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