こちらについて読者様から、「横断歩道から5m以上距離があると思われるけど38条2項の対象なのか?」と質問を頂いたのですが、
避けようとしたんだよね…。
— 日本から世界を見る🇯🇵 (@twibuznew) January 16, 2026
第三十八条
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
要するに、「その手前の直前で停止している車両等がある場合において」ですよね。
「その」が「横断歩道等の」を指すのは明らかですが、手前の直前とは横断歩道から5m程度と解釈されます(停止線基準ではない)。
そもそも「横断歩道等の手前の直前」が5mとされる理由は、44条3号にて横断歩道から5m範囲は駐停車が禁止されており、駐停車禁止エリアに停止車両がある場合には「横断歩行者優先中」の可能性がきわめて高いことが理由ですが、
その趣旨からすれば、38条2項を全ての場合に5mと限定する理由は乏しい気がする。
で。
仮にこのケースに38条2項が適用されないとしても、「右左折の方法」と思わしき規制標示もあり右折レーンから直進したと考えられるのでそもそも指定通行区分違反だし(35条1項)、左右の見通しが悪く優先道路もない交差点と思われるので徐行義務があるし(42条1号)、横断歩道を横断しようとする歩行者が明らかにいないとは言えないのだから減速接近義務もある(38条1項前段)。
少なくともどれかを遵守できていればこのような危険には至らなかったのかと。
これってそもそも、交差点の対岸にある横断歩道ではなく、交差点の入口付近を横断する歩行者のために一時停止していた可能性すらある(なおその場合の歩行者は違反ではない/「横断歩道の付近」には当たらない)。
そうすると結局、指定通行区分遵守や交差点進入時徐行の意味が重要になるのよね。
ちなみに横断歩道がすぐ近くにあるけど、法律上の「横断歩道の付近」に当たらない場合とはこれ。

ところでこの場合に、交差点入口の停止線で止まるべきか、横断歩道の直前で止まるべきかという問題があり、

結論からいうと、どちらも間違いではない。
どちらが好ましいかについても、状況次第としか言えない。
さらにいうと、「横断歩道は横断する場所だが安全な場所ではない」を連呼するYouTuberもいますが、
「そんなことはみんな知っている」
小学校低学年では横断歩道の渡り方を習うように、ほとんどの事故では「既に歩行者は通常レベルの注意を払っている」のが実情。
これにしても、
避けようとしたんだよね…。
— 日本から世界を見る🇯🇵 (@twibuznew) January 16, 2026
後続車が追い抜きすることまで想定することは困難で、先頭が停止すれば後続車も停止することが通常なのだから、異常事態を予見して生活しろというのはムリがあるし、
そもそも、注意能力が劣る視覚障害者や高齢者はどうするの?という話でもある。
「横断歩道は横断する場所だが安全な場所ではない」と力説するのは、現状を改善しようという意思もなければ視覚障害者等を蔑ろにした話でしかなく、何の役にも立たない。
今回頂いた質問についてですが、38条2項の対象なのかは明らかではないですが、どちらにせよ指定通行区分や徐行義務等が遵守されれば危険には至らなかっただろうし、道路交通法は38条しかないわけでもない。
そしてそもそも、こういう事態が起きないように構造改良するのが海外ではスタンダードになりつつあるわけで。


ちなみにこれ。

どちらでも間違いではないですが、横断歩道直前のほうが後続車には分かりやすいかも。
というのも、交差点入口で停止すると「左折しようとしている」と勘違いするドライバーもいるかと。
「左折する車両でも、一時停止義務があるんです!」とガセネタを語るYouTuberもいたりしますが…


インターネット上はガセネタの宝庫よね…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


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