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神奈川県警が一方通行規制を緩和し、原則として「自転車を除く」にする方針を発表。

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神奈川県警が、神奈川県内の一方通行規制の見直しを発表しました。

道路交通法上、自転車も車両に分類されるため、一方通行の標識に「自転車を除く」、「軽車両を除く」等の表記がなければ、自転車も一方通行の交通規制を遵守する必要があります。

この点、県警察では、自転車利用のニーズの高まりとその利便性を考慮し、一方通行規制について、自転車に対する規制を継続しなければならない特別な理由がある場合を除き、原則、規制対象の車両から自転車を除く方針です。そのため、令和8年度から駅、商店街周辺等の自転車利用実態の多い区間等を優先しながら、一方通行の標識に自転車を除外する表記を順次追加していく予定です。

本件について、広く県民の皆様からのご意見を受け付けています。

自転車に対する一方通行規制を解除する対象区間については、管轄する警察署ごとに閲覧できるようにしましたのでご参照ください。

自転車に対する一方通行規制解除/神奈川県警察
神奈川県警察の公式サイトです。

これについて解説しようと思う。

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「自転車を除く」の意味

まずあまり理解されてない点から。
この標識があるときに一方通行規制から除外されるのは「普通自転車」と「特定小型原付」で、「非普通自転車(ハンドル幅60センチ以上のマウンテンバイクなど)」は一方通行規制の対象です。

 

なんでそうなるかというと、標識令では補助標識の「自転車」とは「普通自転車の略称」としているため、「自転車を除く」と表記することは「普通自転車を除く」という意味になる。


そして普通自転車が除外対象に含まれるときは、特定小型原付を含むとも規定している。

三 「車両の種類((503―A))」を表示する補助標識の意味については、当該補助標識のうち、普通自転車が本標識が表示する交通の規制の対象となる車両であることを示しているものについては特定小型原動機付自転車も当該本標識が表示する交通の規制の対象となる車両であることを示すものとし普通自転車が本標識が表示する交通の規制の対象となる車両でないことを示しているものについては特定小型原動機付自転車も当該本標識が表示する交通の規制の対象となる車両でないことを示すものとする。ただし、特定小型原動機付自転車が本標識が表示する交通の規制の対象となるかどうかを別に示しているものについては、この限りでない。

したがって一方通行の「自転車を除く」とは、正確には「普通自転車と特定小型原付を除く」という意味になる。

問題点

いくつかリストを確認しましたが、狭いのに普段から自転車の逆走が目立つ危険な場所も規制緩和の対象になっていました。
まあ、普段から逆走が多発していて事故が起きてないなら、問題ないという見方も出来ますが。

 

この件、私は違う観点から反対します。
違う観点というのは、自動車運転処罰法でいう「通行禁止道路危険運転致死傷罪(2条8号)」に該当する道路が神奈川県内から原則として滅亡することになってしまうからです。

(危険運転致死傷)
第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
八 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

政令で定めた道路を重大な危険を生じる速度で通行して事故を起こした場合に、危険運転致死傷罪として処罰するとしている。

 

自動車運転処罰法では原付も含め「自動車」と定義しているため、特定小型原付も処罰法では「自動車」になる。

(定義)
第一条 この法律において「自動車」とは、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第九号に規定する自動車及び同項第十号に規定する原動機付自転車をいう。

道路交通法2条1項10号に規定する原付には一般原付と特定小型原付が含まれる。
そしてこの概念は政令でも同じだとする。

(定義)
第一条 この政令において「自動車」とは自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「法」という。)第一条第一項に規定する自動車をいう。

そして政令で定める通行禁止道路はこちら。

(通行禁止道路)
第二条 法第二条第八号の政令で定める道路又はその部分は、次に掲げるものとする。
一 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第八条第一項の道路標識等により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分(当該道路標識等により一定の条件(通行の日又は時間のみに係るものを除く。次号において同じ。)に該当する自動車に対象を限定して通行が禁止されているもの及び次号に掲げるものを除く。)
二 道路交通法第八条第一項の道路標識等により自動車の通行につき一定の方向にするものが禁止されている道路又はその部分当該道路標識等により一定の条件に該当する自動車に対象を限定して通行が禁止されているものを除く。

処罰法でいう自動車には特定小型原付が含まれるのは明らかだから、下記は「一定の条件に該当する自動車に対象を限定して通行が禁止されているもの」に該当しちゃうのよね…

つまり「自転車を除く」の一方通行道路交通法を増やすことは、危険運転致死傷罪の「通行禁止道路」に該当する道路を減らすことになる。

 

政令を改正するならまだしも、改正なしに「自転車を除く」の一方通行を増やすことは後々困るんじゃなかろうか。
この問題は以前から取り上げてますが、道路交通法は警察庁、処罰法は法務省と管轄が異なることから見逃されているようにすら思える。

 

そもそも、通行禁止道路から「一定の条件に該当する自動車に対象を限定して通行が禁止されているもの」を除外しているには理由がある。

この罪で追加する運転行為としましては,これまでの議論にございましたが,一方通行道路,高速道路の中央から右側の部分,いわゆる逆走をするというものでございますが,あるいは商店街ですとか歩行者天国等の自動車の通行が禁止されている道路というような,通行禁止道路を進行し,かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する,こういう行為を規定してございます。法定刑については,この「一」の罪といいますのは,従来の危険運転致死傷罪に追加をするものでございますので,危険運転致死傷罪と同じということにしてございます。
まず,「通行禁止道路」というものにつきましては,自動車の通行が禁止され,ほかの通行者としては,自動車が来ないはずであるという前提で通行している道路に限定することにしております。具体的には,道路交通法上の通行禁止の規制のうち,それを更に限定しまして,禁止に反して通行した場合の危険性ですとか悪質性に応じて,所要の手続を経る政令を定めるということで考えておるものでございます。
あわせて,資料22-2というものを御覧いただければと思います。資料22-2には,この関係の政令で定めるものを対象とするものと,そこには定めない,つまり対象としないものと分けてございます。「通行禁止」といいますのが,道路標識等によるものというのと,法令の規定によるものとございますので,まず,大きく二つに分けまして,その道路標識等による通行禁止のうち対象とするもの,そして対象としないものを,そちらに標識等と一緒にお示しし,法令の規定によるものにつきましても,対象とするものというのと対象としないものというのをお示ししているところでございます。
この「一」の罪というのは,他の危険運転行為の場合と同様に,故意に一定の危険な運転行為を行った結果,人を死傷させたものを,その行為の実質的な危険性に照らして,暴行により人を死傷させたものに準じて処罰しようというものでございますので,当然のことながら,この通行禁止道路を進行したことの認識は必要であると考えております。この認識といいますのは,道路標識等によって具体的な規制内容を認識している場合はもちろんでございますが,例えば,道路の幅員や対向車からの合図などによって,通行禁止道路であるということを認識した場合も含まれて,それで足りると考えているところでございます。
これまでの御議論におきましては,例えば一方通行道路でありましても,時刻ですとか道路状況等によっては,ほかの人とか車の通行がおよそないという場合もあるではないかということを理由としまして,危険性の要件として,ほかの人や車との関係について言及する御指摘もございました。しかしながら,この事務局試案におきましては,考え方としましては,まずこの「一」の罪というものが適用になる場面といいますのは,実際に人の死傷の結果が生じているということが前提でございまして,そもそもほかの通行者がおよそ存しないという場面ではないのではないかと考えられること,従前からある赤色信号を殊更無視という危険運転行為の類型につきましても,同じように時刻や道路状況等によっては,ほかの人や車が通行をおよそしない場合もあるのではないかということは言えるわけでございますが,赤色信号を殊更無視の類型につきましてそのような限定する要件は付されていないということを踏まえまして,この事務局試案におきます「一」の罪につきましても,ほかの人や車との関係というものの要件は付しておりません。
「一」の罪に関する説明は以上でございます。

○上冨幹事 御説明いたします。
22-2を御覧いただきながらお聞きいただければと思いますが,ここでは,例えば車両通行止めの道路,あるいは自転車・歩行者専用道路といったものについては対象にすることを考えておりますが,他方,ここに例として挙げておりますものとしては,大型自動車等通行止め道路,あるいは二輪の通行止め道路,指定方向外通行禁止といったものを対象としないこととするのが適当ではないかとお示ししております。
このように分けた理由でございますが,ここで,通行禁止道路として対象にする道路というのは,私どもの考えでは,この禁止に違反して自動車で走行することの危険性,悪質性が類型的に高いと思われるものを選んだつもりでございます。具体的に申し上げますと,他の通行者,例えば歩行者から見たときに,自動車が来ないはずであるという前提で通行していて,禁止に違反して自動車が仮に通行してきた場合には,これを回避するための措置をとることが,通常は困難ではないかという意味で,類型的に危険性,悪質性が高いと思われるものを選定したつもりでございます。
例えば,選定しないものの例として,大型自動車等通行止め道路というものがありますが,こういった規制の場合には,大型自動車でない自動車というのは,当然,進入してくることが前提となっておりまして,例えば歩行者の立場であっても,大型であるかはどうかはともかく,自動車が通行していることは前提としている道路であると言えるのではないかと思っております。
この点は,二輪の自動車や原動機付自転車通行止め道路の場合も同様でございますし,また,指定方向外進行禁止の場合は,例えば交差点のところに指定方向外進行禁止の規制がなされていたとしても,その方向からの進入でないところからの進入が必ずしも禁止されているわけではなくて,そういった意味で,先ほど申し上げたような危険性が必ずしも同等にあるとは言えないのではないかという意味で限定させていただいたものでございます。

○山下委員 何点かあるんですけれども,続けてよろしいですか。
今回,政令で定めるものを通行禁止道路と定義するんですが,この政令で定める際に,この今回の資料22-2にありますけれども,道路交通法が引用されているんですが,その政令の中で道路交通法を引用することになるのか。そうだとすると,政令の中に道路交通法が改正されて変わった場合には,当然,その政令の内容も変わることになる。そういう意味で,これは危険運転致死傷罪の危険運転の認識というところに関わる問題ですけれども,そもそも政令にしたことによって曖昧になる上に,その政令が道路交通法を引用してしまうと,道路交通法が変わると政令の中身も変わるということで,前提となる通行禁止道路の概念に対する認識について非常に認定が難しくなるし,行為者としても,何が通行禁止道路かということについて,政令が変わり,かつまたその先の道路交通法が変わることなどによって,しょっちゅう変動するということであると,何が通行禁止道路なのかということに関しての認識が非常に難しくなるように思うんですけれども,その辺の技術的な問題ですね。
これを特別法にするということで回避しようとしているように見えますけれども,特別法にしたからといって,それでいいということが言えるのかどうか。これまで危険運転致死傷罪という刑法にあった罪を,たまたま特別法にしたからといって,政令を引用して故意の認識を曖昧にしていいというわけではないと思いますので,その辺の技術的な問題についてどのようにお考えなのか,お聞きしたいと思います。
○上冨幹事 まず,通行禁止道路の範囲を政令で規定するということについてでございますが,まず,ここで私どもが,今,お示ししております通行禁止道路というものは,既に道路交通法におきまして,まず通行が禁止されている道路であることが前提でございまして,その中から更に本罪の対象となるものを政令で限定しているという構造になっております。
したがって,運転者,通行者の立場からすれば,広くそもそも通行してはいけないという規範があって,その規範は当然知った上で道路交通をしているということが前提でございますので,その中から更に政令で限定するとしたとしても,政令に委任されている範囲は元々明確でございますし,そのことによって故意の対象が曖昧になる,あるいは行為者にとって不利益な扱いになるということにはならないのではないかと考えております。

https://www.moj.go.jp/content/000108873.txt

現実的に一方通行規制を遵守する自転車が少ないことと、それにより事故が多発している現状ではないことを考えると、「自転車を除く」の一方通行規制に緩和しても実務上の影響はほとんどないでしょう。
しかし、極めて悪質なクルマの事故が起きたときに、通行禁止道路危険運転致死傷罪が適用できない道路になるので、そこはきちんと政令を改正するなど整理することが先ではなかろうか?

コメント

  1. 元MTB乗り より:

    現状を追認するは猿でもできるわけで、法治国家としては行政・警察の怠慢にも感じますね。管理人さんの懸念もありますけど、穿った見方をすれば青切符制度で県民からの突き上げを回避するために、取り締まりを不要にする施策にも見えたりはします(流石にそんな事はないと思いますけど)。兎も角、一方通行を逆走する自転車は歩行者から見ても危険と感じるケースが多い(危ない箇所を知らせる標識がことごとく見えないので)、自転車を除くの標識自体止めて欲しいのが心情ではあります。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      全国的には「自転車を除く」が多いので、それに合わせた可能性もあります。
      むしろ異常な気がしますが…

  2. A-O-Man より:

    コメント失礼します。

    穿った見方をするのであれば。

    1)この間に不祥事で2700件の道交法違反でっち上げってのがあったので、住民の人気取りをしないと春からの取り締まりに影響が出る可能性が大きい。
    2)警察内部の引き締めもしなきゃいけない(人手が足りていない)ので、違反の内容に区別をつけて、見逃せるものは見逃していかないと、「あっちは良くてこっちは何で駄目なのか」みたいな不公平感が出る。
    3)政令の改正をしない状態であれば、「やっぱり元に戻します」と手続きができる。

    っていうのがあるんだと思います。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ちょっとややこしいのは、多くの都府県では一方通行に「自転車を除く」をつけるのが主流なので、神奈川県の従来の運用はむしろ異端でした。
      なので全国的に合わせようとしているのかもしれません。

      あと神奈川県警の不正取り締まりの件ですが、県警発表では「違反ではないものを違反としてでっち上げた例はなかった」です。
      切符の内容に虚偽記載があるから切符が無効と解さざるを得ないことと、取り締まり手法が県警基準に達してなかったことが原因なのであって、違反自体は成立していることに注意が必要かと。

  3. 山中和彦 より:

    京都では、1車線の片道一方通行で、「自転車除く」にしただけではなく、両方向の自転車ナビラインを付けた道路があります。
    更に、歩行者用と思しき幅を取ったラインも引いてある。
    繁華街なので、クルマも多く、危険なのに・・・。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      最近そういうのは多いですよ。
      ムリがあるのも見かけます。

  4. 通りすがり より:

    いつも貴重な情報をありがとうございます。

    自転車走行圏が都県を跨ぐものとしては嬉しい限りです。

    以前県警本部に問い合わせた際は各警察署の判断で県警本部
    として何らかの指示をしているわけではない、と逃げられて
    4月の青切符施行以降は迂回箇所が増えて困ってましたから。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      まあ、どちらがいいかはもう少し議論があってもいいように思います。

      • 通りすがり より:

        >どちらがいいかはもう少し議論があってもいいように思います。

        自歩可規制見直しの大号令を踏まえれば既に大勢は「自転車除く」で決着しており
        議論の余地はないものと思ってます。当方にとっては本当にありがたい限りです。

        • roadbikenavi roadbikenavi より:

          コメントありがとうございます。

          歩道の規制とは関係ない話なので…

          • 通りすがり より:

            相模原地区の実情を申せば補助標識の無い一通に沿った自歩可歩道があり
            これまでは逆走できましたが見直しにより迂回せざるを得なくなります。
            このため自歩可規制見直しの影響は大きいものと考えています。

            この問題は平行線のままなのでこれで終りにします。

            今後とも貴重な情報をお願いいたします、ありがとうございました。

          • roadbikenavi roadbikenavi より:

            コメントありがとうございます。

            標識がなくても歩道通行できるのでして…

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