これについて誤解があるので指摘しておきます。
まだ理解出来てないようだな
理解するまで復唱しなさい「できる限り」=「道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない」https://t.co/mKiKNPU7Wk
やむを得ない事情がない限り、限界まで寄る必要があるんだぞ
マージン取って〜とか言ってると厳密には条文に反するからな https://t.co/nmBp0VNEB8— 道交法界隈摘発 (@police2approach) March 16, 2026
改正道路交通法18条4項は、追い抜きされる自転車について「できる限り左側端に寄り」通行することを求めている。
3 車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)は、当該車両と同一の方向に進行している特定小型原動機付自転車等(歩道又は自転車道を通行しているものを除く。)の右側を通過する場合(当該特定小型原動機付自転車等を追い越す場合を除く。)において、当該車両と当該特定小型原動機付自転車等との間に十分な間隔がないときは、当該特定小型原動機付自転車等との間隔に応じた安全な速度で進行しなければならない。
4 前項に規定する場合においては、当該特定小型原動機付自転車等は、できる限り道路の左側端に寄つて通行しなければならない。
「できる限り」とは18条1項でいう「ただし、道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない」と同じ意味になるのだから、結局は18条1項の違反と言えるかの問題になるわけ。
それは警察庁が国会で答弁した内容とも整合する。

第213回国会 参議院 内閣委員会 第14号 令和6年5月16日
○酒井庸行君 いわゆる例外という部分で、これもそういう規定があるんでしょうけれども、これもある意味では大変危険な部分もあるのかなというふうに感じます。
またこれはそれぞれの皆さんからもいろんな形で質問はあるというふうに思いますけれども、次にもう一つ、私がちょっとうんっと思ったのは、今回のその法改正の中で、この十八条にあるんですけれども、当該の特定小型原動付自転車等はできる限り道路の左側端に寄って通行しなきゃならないと書いてあるんです。できる限りという表現が、よく、曖昧のような気がするんです。その辺をまたちょっと、御説明をしていただける時間、大臣に質問する時間がなくなっちゃうので短くお願いしたいと思いますけど、その辺をちょっとまずお伺いしたいと思います。○政府参考人(早川智之君) 自転車の側方を自動車が通過する場合のその義務に関する規定についての御質問でありますが、先ほどお答え申し上げたように、元々自転車は車道の左側端を走行しなければならないというような規定がございます。自動車が側方を通過する際は、自転車は元々車道の左側端、走行しておるんですが、可能であれば、可能な範囲で左側端に走行してくださいということで、本来、もう元々左側端を走行しているのであればそれで十分であるというような規定の趣旨でございます。
「できる限り」の解釈については、他の条文も取り上げて比較してますが、一番分かりやすいのは駐停車のルール。
第四十七条 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
| 停車 | 駐車 |
| できる限り左側端 | 左側端 |
駐車は「左側端」、停車は「できる限り左側端」としてますが、なぜそのように規定したかについては道路交通法を作った宮崎氏が解説してます。
停車の説明
なお、「できる限り」としたのは、本来は左側端にぴったり寄るのが望ましいが、道路工事その他障害物のため左側端に寄ることが不可能な場合を考慮したからである。
宮崎清文、条解道路交通法、立花書房、1961(昭和36年)
駐車の説明
本項においては、停車の場合と異なり、「できる限り」という言葉が用いられていない。したがって、車両は、駐車しようとするときには、かならず道路の左側端に寄らなければならぬことになる
宮崎清文、条解道路交通法、立花書房、1961(昭和36年)
「できる限り」とは「できない事情がある場合を除外する趣旨」だと言えます。
結局、18条4項でいう「できる限り左側端に寄って」に違反するかは、18条1項でいう「左側端に寄ってしなければならない。ただし、道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない」に違反するかと同じことになりますが、
冒頭の人が挙げるこちらについては、18条1項にも4項にも違反していません。
車が追い抜いた方ですね
これです車に寄せられて左に逃げる余裕があるってことは左側端に寄れていないってことですね
pic.twitter.com/e8VTmJguHE— 道交法界隈摘発 (@police2approach) March 14, 2026
「左に逃げる余裕があるってことは左側端に寄れていないってこと」にはならないのよね。
例えばなんだけど、理屈の上ではペダルが歩道の縁石に擦らないようにペダルと縁石の間に5センチみたいなギリギリのところを通行しようと思えばできなくはない。
しかしそんなギリギリだとわずかにハンドルを取られただけ/もしくはわずかな操作ミスで歩道の縁石にペダルを引っかけて爆死する。
道路交通法は円滑と安全の二軸を目的とするのは明らかなところ(1条)、安全を犠牲にしてまで円滑に振れという趣旨には到底解せないわけで。
なお「警視庁道交法(実務のための道路交通法逐条解説、警視庁交通部)」によると、軽車両が左側端寄り通行といえるには、路端から車体もしくは乗り手の左側面が50センチ程度だとする。
この場合の路端とは歩道の縁石になりますが(道路交通法17条4項カッコ書き)、警視庁道交法の記述は昭和の時代には見かけるものの、平成以降は重視してない様子。
その理由を推測すると、立法経緯からみても一律の数字基準を示すことが不合理だからなのではないかと思われる。
なお18条1項に罰則規定がない理由は、どこまでが左側端寄りでどこまでが左側寄りなのかが必ずしも明らかではないことから罰則を以て強制することが適当ではないことを挙げている(注解道路交通法、宮崎清文)。
第1項の規定の違反行為については、罰則が設けられていない。これは、この規定による通行区分は、道路一般についての車両の通行区分の基本的な原則を定めたものであり、また、道路の状況によっては、道路の左側端又は左側といってもそれらの部分がはっきりしない場合もあるので、罰則をもって強制することは必ずしも適当ではないと考えられるからである。(従前の通行区分の基本的原則を定めた旧第19条の規定についても、ほぼ同様の理由により、同じく罰則が設けられていなかった。)。
宮崎清文、注解道路交通法、立花書房、1966
同条1項の「道路の左側に寄って」とは、軽車両の通行分を考慮し、軽車両が道路の左側端に寄って通行するために必要とされる部分を除いた部分の左側に寄ってという意味であり、「道路の左側端に寄って」とは、道路の路肩部分を除いた部分の左端に寄ってという意味である(宮崎注解)。このように自動車及び原動機付自転車と軽車両とで若干異なる通行区分をしたのは、速度その他通行の態様が著しく異なる両者がまったく同じ部分を通行すると、交通の安全と円滑が害われるおそれがあるためである。もっとも軽車両がまったく通行していない場合に自動車または原動機付自転車が道路の左側端まで寄って通行することまで禁止したものではないだろう(同旨、法総研・道交法87頁)。
ところで、キープレフトの原則の本来の趣旨は、通常走行の場合はできるだけ道路の左側端を通行させ、追い越しの場合は道路の中央寄りを通行させることにより種々の速度で通行する車両のうち、低速のものを道路の左側端寄りに、高速のものを道路の中央寄りに分ち、もって交通の安全と円滑を図ることにあるとされている(なお、法27条2項参照)。右のような趣旨ならひに我が国の道路および交通の現状にかんがみると、18条1項の規定をあまり厳格に解釈することは妥当ではなかろう。
判例タイムズ284号(昭和48年1月25日) 大阪高裁判事 青木暢茂
警察に動画の状態が左側端寄り通行義務違反かを質問すれば、ほぼ全員が違反ではないと答えるでしょうし、そもそも名古屋簡裁判決も読み違えているとしか言えない。
なお交差点部分で「さらに左側端に寄れた」と解釈するのは誤り。
それは違う道路に進入する話になる。
で。
この「g」という人は法律解釈の間違いが散見され、しかも間違っているのが明らかでもなぜか認めない。
それは路側帯通行自転車と信号の関係の時に明らかでしたが、だからといって全ての発言が間違っているわけでもない。
憎さが先に出ると公平な視点が失われる…という意味では反面教師にさせていただきますが、18条1項の解釈や「できる限り」の解釈はたくさんの専門書と判例を集めて総合的にみると、なかなか面白い。
なので調べてみたらいかがでしょうか?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。

コメント
この動画の青い車は、前車(プロボックス)の位置に比べて明らかに左に寄せすぎで、信号待ちで停まるのが分かりきっている上に、停まるまでに追い抜きが完了するわけ無いのに、無理やりプロボックスと自転車の間に割り込もうとしていて悪質ですね。
目測を誤って追い抜きが完了出来なかったとしても、自転車の存在場所を無くすような幅寄せは慎むべきと思います。
残念ながら、幅寄せオプションなしなら、赤信号手前で追い抜きをしてくる車は、普通にいる。
18条3が出来ても、事故でもないのに車の取り締まりがあるとは思えないですし、予防策として路肩までの安全マージンは確保する必要はありますね。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りです。
ちなみにこの件、クルマの側方間隔が少ないのですが、18条3項は「側方間隔が不十分な場合には安全な速度」としており、安全な速度に違反するとは言えないかと。