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「ショートクランク化」は目的ではなく、クランク長を最適化した結果に過ぎない。

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最近疑問に思ったことがあるのですが、いわゆるショートクランクの話。

 

「ショートクランク=ケイデンスを上げる目的」と理解して話を進める人がいて、思うんだけど、確かにその要素が全くないわけではない。

 

しかしショートクランクの理論って、至適筋長なんじゃないのか?と。

 

至適筋長とは、「最大張力を発揮するために一番いい筋節の長さ」と定義されます。
ショートクランクの場合、股関節や膝関節の屈曲角度が変わる。

 

一般的にはサドル高は、クランクがシートチューブに沿った一番遠い位置で決めます。

もしここからクランク長が5mm短くなるということであれば、当然ですがサドル高さもシートチューブに沿って5mm上がります。

170mmクランクの軌道を青、165mmクランクの軌道を緑だとします(比率がおかしいのは気にしないこと)。

下死点でサドル高をあわせているなら、先ほども書いたように、5mmクランク長が短くなると、その分サドル高は上がります。
そして上死点ではクランク長が5mm短いわけなので、170mmクランクのときに比べて、165mmクランクだと10mm分上死点を下げる効果が出ているわけです。

これは下死点でサドル高を合わせる場合の話で、ショートクランク化してもサドル高を変えないという前提で行くならば、上死点は5mm下がるだけの効果になります。
一般的には下死点でサドル高を合わせると思うので、クランク長を5mm短くする効果は、上死点でのペダル位置は10mm下がるということになる。

 

屈曲角度が変わるということは、筋力を発揮する際の筋肉の長さが変わることでもある。

 

ペダリングで使われる筋肉については、こちらがより正確かなと思われます。

引用:https://www.welovecycling.com/wide/2016/05/06/kind-muscles-used-pedal-stroke/

 

ペダリングを図式化すると、こういうイメージです。

時間 股関節 膝関節
A 11時~2時くらい 屈曲 伸展
B 2時~5時くらい 伸展 伸展
C 5時~7時くらい 伸展 屈曲
D 7時~11時くらい 屈曲 屈曲

ここでいう、屈曲とか伸展というのは、関節位置というよりも関節が動く方向を意味します。
股関節が伸展位から屈曲方向に動くことを、ここでは「屈曲」としています。

 

要するにこのようなペダリングに関する筋肉の働きの中で、クランク長が短くなると関節の屈曲角度が変わるのだから、筋力の発揮に影響する。
ショートクランクが「合う」人は、クランク長を短くしたことにより筋力を発揮しやすくなったと考えられ、「合わない」人はそうではなかっただけなんじゃなかろうか。

 

そしてもう1つ。
ショートクランク化によりペダリング中の関節の最大屈曲角度は減少する。
これが股関節や膝関節への負担を減らす可能性があり、パワー云々だけではなく一般人にも恩恵がある可能性があるわけよ。

 

鍛えているアスリートと異なり、ロードバイクを楽しむ層はもっといろんな人がいる。
股関節や膝関節など「関節」に不安を抱える人に対して、ショートクランク化は関節への負担を減らし、結果的に痛みから解放されたりパフォーマンスが上がる可能性もある。

 

さて。
クランク長の決定方式は従来では「身長基準」、それが「下腿長基準」になっていった。
しかしそれでもまだ十分な評価方法ではなく、関節の柔軟性やペダリングスキルなども加味して決めるべきなのかと。

 

で。
「ショートクランク化」としてクランク長を短くすることが「手段」であるかのように捉えがちだけど、本質的には「クランク長の最適化」なのであって、クランク長が短くなるのは結果に過ぎない。
結果的に今までと変わらないクランク長が最適となることもあるはずだし、短くすることが目的ではないのよね。

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