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ロードバイクのベルは、付けていれば問題ないと言えるのか?

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ちょっと思うのですが、

ベルって「付いていればいい」ではなく、「使える状態にしろ」なのよね。
自転車ベルについては、道路交通法71条6号公安委員会遵守事項に定めがある(なお、宮城など4県については公安委員会遵守事項に定めがなく、ついていなくても違法ではない)。

 

東京都の規則をみよう。

(運転者の遵守事項)
第8条 法第71条第6号の規定により、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)の運転者が遵守しなければならない事項は、次に掲げるとおりとする。
(9) 警音器の整備されていない自転車を運転しないこと。

東京都の例では、道路交通法71条6号、東京都道路交通規則8条6号が要求するのは「警音器の整備」であって、警音器の目的を考えたときに、警音器の整備とは①他人が判別できる程度の音量、②他人が警告音と認識できる質、③容易に鳴らせる構造や位置、を要求しているとしかいえず、画像の状態を「警音器が整備されている」とは言えないのよね。

 

愛知県はこのように規定する。

十 有効な性能の警音器を備えていない自転車を運転しないこと。

容易に鳴らせないものを「有効な性能を備える」とは言えないと思う。
なおちょっと調べた限り、大阪府は愛知県と同じで「有効な性能を備える」だし、神奈川県は「整備」となっている。
千葉県は「自転車は、完全な機能を有する警音器を備え付けたものを運転すること。」としているが、法文上は「警音器に完全な機能」があればいいにしても、警音器の目的を考えたときにこの状態が「備え付けた」と言えるのだろうか?

 

「ゴム必須」というルールを設けたお風呂屋さんにおいて、人差し指にゴムを装着していれば問題ないと考える人はいないのよね。
ゴムの目的を考えれば、明示せずとも「チンコに」であることは言うまでもないし、ましてや輪ゴムの話でもないのは明らかなのでして。

 

確実に違法と言えるかはさておき、目的を容易に達成できない位置にベルを付けても意味はない。
そしてこのアカウントって一応はメーカーなんでしょ。

 

メーカーが法の趣旨を無視したグレーゾーンを広めるかのような発信をしたら、終わりだわな。

 

どこぞのレスバしまくっているケミカル屋のアカウントとか、滅亡したホイール屋のアカウントとかもそうだけど、SNSの使い方が下手すぎて頻繁に炎上している。
広報担当って専門職なのでして、広報担当の技量次第でメーカーへの印象が変わるのよね。

 

ハンドル周りやシートポストあたりまでなら容易に鳴らせる位置と言えても、クランクの付け根とか馬鹿馬鹿しくて話にならない。

 

ちなみにですが、個人的には自転車ベル装備義務は削除して問題ないと思う。
なぜなら自転車のように不安定な2輪車においては、ベルを鳴らさないと危険を回避できない場面がほぼないから。

 

片手運転になってまでベルを鳴らすよりも、両手でブレーキングしたほうが安全だし、いわゆる「警笛鳴らせ」についても見通しが悪いから標識があることと自転車の車幅を考えれば、ベルを鳴らすよりも両手でハンドルを保持した方が安全なのはいうまでもない。

 

ちょっと興味深い判例がある。
事案は原付による出前の岡持運転で、検察官は「安全運転義務違反罪(道路交通法70条)」を主張。
安全運転義務違反罪にあたる根拠の一つとして、岡持運転では警音器を操作できないことを挙げている。

 

裁判所の判断はこちら。

なお、検察官は警音器を吹鳴することができないような方法で運転すること自体が同条違反の行為に該当する旨主張する。しかし、本条の趣旨とするところは、運転者以外の者に危害をおよぼすおそれのある運転方法を禁ずる点にあると解されること、警音器の使用は、ハンドル操作等と異なつて必要な場合が限られ、その使用も制限されていること(同法第54条参照)、警音器は他の者に自車の存在を知らせて警告を与えるためのものであるというその性質上、警音器を使用することができなくとも、状況によつては声で知らせることもでき、一旦停止し、あるいは減速する等の方法で十分事故の危険を避けることも可能であること等を考えると、周囲の状況からみて、事故を防止するために警音器の吹鳴が是非必要であつたとか、その必要が十分予想されたのに、漫然警音器を使用しないで、あるいは使用することができない状態のまま運転進行した等のため、それが他人に危害を及ばすおそれのある運転方法と認められる場合は別として、本件のようにそれらの状況が認められない場合は、本条の違反に当ると解することはできない。

森簡裁 昭和42年12月23日

「警音器は他の者に自車の存在を知らせて警告を与えるためのものであるというその性質上、警音器を使用することができなくとも、状況によつては声で知らせることもでき」とあるが、自転車ベルの音量を考えたときに、声で代用可能なのよね。
本当に自転車にベルが必要なのかは疑問だし、だからいまだに4県についてはベル装備義務が定められていない。
なお横井・木宮の註釈道路交通法によると、ベル装備義務がない自転車については、「警笛鳴らせ」の標識の効力がないと解するほかないとする。

なお、二輪の自転車については、道路運送車両法では軽車両とされていないので、警音器を備えつける義務が課されていないので、警音器の備えつけられていない自転車については、本条の適用はないものと考えるほかない。

横井大三ら、註釈道路交通法、有斐閣、1967年

わりとややこしいのは、二輪の自転車は道路交通法上は軽車両ですが、道路運送車両法上は軽車両に当たらず、道路運送車両法による保安基準の定めがない。
そもそも道路交通法54条において警音器吹鳴義務から「自転車を除く軽車両」が除外されている理由は、リアカーや馬車など自転車以外の軽車両は低速であり、危険回避のために警音器を要しないからとされてますが、自転車についても警音器の装備義務がない4県については、二輪の自転車には「警笛鳴らせ」の義務が課されていないと考えるしかないでしょう。

 

本当にベルが必要なのかは疑問。


コメント

  1. いいだす より:

    逆に、常に鈴をチリンチリン鳴らして走ってるロードバイクは警音器使用制限違反にならないんですかね?何をもって警音器なんだろう?

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      見方によっては、故障した警音器が鳴りっぱなしみたいな話ですよね笑

  2. より:

    実は私もダウンチューブ下部(ボトルケージの下側付近)に装着していますが、案外とボトルを取る時と同じ感覚で走行中でも鳴らせます
    ベル装着義務が無いとする解釈は疑問に思ったのですが、ライトも車体に装着する義務はないけど必要な時に点灯しなければ違反になりますよね?

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      標識がある場合のみ鳴らす警音器と夜間につけっぱなしの必要があるライト。
      声や徐行で代用可能な警音器と、代替手段がないライト。

      これらからすると、同一線上で捉えるのは不適切かもしれません。

  3. かみくぼ より:

    いつも楽しく拝読させていただいてます。

    先の交通安全週間に一斉取り締まりがあり、防犯登録と
    ベル、反射板などチェックされました。

    シートポストに付けたベル、お巡りさん「鳴らせるの?」
    「はい、こうすれば鳴らせます。」
    「危ないときにその格好はちょっと無理があるんじゃ無いの?」
    「でも危ないときは、ベルならすより両手でブレーキかけないと。。」
    「ーーー。そうだけどーー」

    「ところでお巡りさん、手信号の反則金詐欺があったみたいだけど、
    手信号、片手運転しながら出し続けないといけないんですか?」
    「んんん~、規則では出し続けるだけど、片手運転は危ないし、、
    後続車に伝わればそれでいいんじゃ無いかな。
    まあ、とにかく安全運転してください。ありがとうございました。」

    お巡りさんもよく分からないみたいでした。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      答えがないというのが唯一の正解なんですよね。
      自転車に道路交通法を厳格適用すると、支離滅裂なのでして。

      そうすると、ルールがおかしいとも言えます。

  4. 通りすがりのチタンスキー より:

    私も自転車にベルって意味ないんじゃね?派ですが、警察に止められたときに難癖付けられないようにキャットアイのフレックスタイトに付くベルを最近付けました。
    自転車のベルって大きな車道では音量が小さいし、住宅街の小さい道や自転車歩行者道路などで歩行者に対してはビックリさせないように減速して「すみませーん、通りまーす」って声掛けで済みますし。
    使うシチュエーションが無い感じですね。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      森簡裁判決がいうように、声で代用可能なんですよね。

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