こちらに補足しておこうと思う。

ただし重大な人身事故なら、青切符ではなく事故事件として扱われる可能性があります。
運転レベル向上委員会から引用
これはかなり誤解を産む解説になってますが、重大であるか軽微か、人身事故か物損事故かを問わず、交通事故であれば交通違反は全件書類送検になる。
「重大な人身事故なら」「可能性があります」は誤り。
なぜか?
まず交通事故とは「車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(67条2項)」とありますが、そもそも道路交通法の基本は、交通違反は書類送検なのよ。
そのため115条以下に刑事罰の規定がありますが、
本来は刑事罰になるところ、一定の要件を満たしたときには「反則者」として取り扱い、反則者についてはいわゆる青切符で反則金を支払えば刑事訴追しないと定めている。
第百二十五条
2 この章において「反則者」とは、反則行為をした者であつて、次の各号のいずれかに該当する者以外のものをいう。
一 当該反則行為に係る車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)に関し法令の規定による運転の免許を受けていない者(法令の規定により当該免許の効力が停止されている者を含み、第百七条の二の規定により国際運転免許証等で当該車両等を運転することができることとされている者を除く。)又は第八十五条第五項から第十項までの規定により当該反則行為に係る自動車を運転することができないこととされている者
二 当該反則行為をした場合において、酒に酔つた状態若しくは第百十七条の二第一項第三号に規定する状態で車両等を運転していた者又は身体に第百十七条の二の二第一項第三号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(自転車以外の軽車両を除く。)を運転していた者
三 当該反則行為をし、よつて交通事故を起こした者
四 十六歳未満の者
反則行為により交通事故(車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊)を起こしたときは、反則者に当たらない。
そして刑訴法では犯罪捜査したときは書類送検する義務を定めている。
警察は捜査機関にすぎないから、捜査した内容については検察が審理して処分を決めるのよね。
したがって、重大か軽微か、人身か物損かを問わず交通事故であれば書類送検することになる。
現実の一例はこちら。

この記事で紹介した判例は、逆走自転車と衝突した順走自転車が「安全運転義務違反(道路交通法70条)」、「重過失致傷罪(刑法211条後段)」で書類送検されたことについて、書類送検したことが違法だと主張し国家賠償請求したもの。
軽微でも法律上、書類送検することが義務なのよ。
運転レベル向上委員会の解説って誤解を招く内容ばかりですが、逆走自転車と衝突した順走自転車も犯罪の嫌疑があれば書類送検なのよね。
勘違いしちゃいけないのは、「犯罪の成立」ではなく「犯罪の嫌疑」で書類送検する。
原告は、本件交差点を自転車に乗車して左折進行するに際し、進行方向前方の状況を確認すべき義務を負っていたにもかかわらず、本件交差点を左折進行するに際し、前方の状況の確認を怠り、速度を保ったまま左折進行した結果、対向して進行してきた訴外Bが運転する自転車と正面衝突したことが認められ、その際、衝突回避措置も取られていなかったことが認められる。
そうすると、第1事故について、警察官が原告について安全運転義務違反(道路交通法70条)の嫌疑があるとして事件を検察官に送致した判断に誤りがあるとは認められない。
東京地裁 令和3年7月2日
結果的に回避可能性がない(安全運転義務違反が成立しない)と検察が判断したなら、嫌疑不十分で不起訴にするだけ。
ちなみにこの裁判、おそらく弁護士を立てていない。
条件からして文句を言いたくなる気持ちもわかりますが、訴訟提起するほど怒りがあったのかも。
事故であれば重大か軽微か、人身か物損かを問わず書類送検されます。
書類送検された結果として、軽微な人身事故なら不起訴濃厚でしょうが、毎回おかしな解説をして何をしたいのだろう。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。



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