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自転車横断帯と特定小型原付の問題点。

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さて、こちらの続き。

LUUP事故について考える。
LUUP利用者が死亡した事故が報道されてますが、LUUP利用者が死亡した事故は二件目になる。一件目は特定小型原付施行前の実証実験中の事故で、駐車場の車止めに引っ掛かり転倒したとされている(なお飲酒運転だったとされている)。さて、今回の事故に...

警視庁は、自転車横断帯を通行した特定小型原付が「逆走」に当たるか確認中だとしている。
要するに、法解釈に疑義があるわけ。

LUUPが渡った横断帯が片側通行であったのか、相互通行であったのか確認していて、片側通行だった場合は逆走にあたる可能性がある

電動キックボード「LUUP」男性が死亡 軽と衝突事故 補償金下げたばかり
2日、都内で電動キックボード「LUUP」を運転していた男性が軽貨物車とぶつかり、死亡する事故がありました。道路交通法改正後、車道での特定小型原付の死亡事故は、都内では初めてです。

自転車が自転車横断帯を通行するときには、逆走という概念はありません。
理由は下記規定にある。

(交差点における自転車の通行方法)
第六十三条の七 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは第十七条第四項、第三十四条第一項及び第三項並びに第三十五条の二の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。

17条4項は「左側通行義務」を定めてますが、自転車横断帯を通行する自転車については17条4項を適用しないと明記してある。
しかし特定小型原付については、自転車横断帯を通行する場合に17条4項を適用しないという規定がない。

 

そしてさらに問題を複雑にしているのが交差点の定義。

五 交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。

条文を素直に読めば「2以上が交わる部分」なのだから隅切りを含まないように思えますが、

最高裁は交差点の範囲に隅切りを含むとしている。

なお、道路交通法2条5号にいう道路の交わる部分とは、本件のように、車道と車道とが交わる十字路の四つかどに、いわゆるすみ切りがある場合には、各車道の両側のすみ切り部分の始端を結ぶ線によつて囲まれた部分――別紙図面斜線部分――をいうものと解するのが相当である。

最高裁判所第三小法廷  昭和43年12月24日

なぜ隅切りを含むと解釈するかというと、

二輪車については「交差点を通行せずに左折」が可能になりかねず、隅切りを含まないとすると隅切りを通行する二輪車には交差点での優先ルールが適用できなくなる危険性があるからだとする。

 

そして今回の事故現場は、隅切りに自転車横断帯がある以上、自転車横断帯も交差点内と解釈せざるを得なくなり、

自転車横断帯を通行する特定小型原付は17条4項の適用から除外されていない以上、逆走と捉える余地がないわけでもない。

 

しかし、しかしですよ。
下記のように交差点内の「車道と車道が交わる部分」に自転車横断帯があるケースと、

今回のように、隅切りという「実質的に左側通行車と正面衝突するリスクがない場所」を同視して17条4項を適用することに妥当性があるのだろうか?

左側通行義務(17条4項)は言うまでもなく正面衝突リスクを避けるためにありますが、その意味でも「隅切りにある自転車横断帯」と「交差点の明らかな内部にある自転車横断帯」を同視することが妥当とは思えないし、何より特定小型原付とほぼ似たような存在に当たる自転車は、自転車横断帯を双方向に通行可能なのでして。

 

前回記事では、「自転車専用」信号の抜け穴についても触れましたが、

「自転車専用」信号がバグと考える理由。
先日取り上げたこちらについてご意見を頂いたのですが、要はこれ。信号についている「自転車専用」の標示板は施行令の管轄で標識令の管轄ではない、ということから起きたバグで、特定小型原付には「自転車専用」の信号の効力がないから「信号がない交差点」に...

特定小型原付のルールについては、法律自体のバグもある。
そもそも、この交差点の自転車横断帯が本当に安全安心な構造といえるのか?という問題もある。

で。
クルマ視点での過失論をするならば、自転車横断帯を通行する自転車が双方向通行可能な以上、仮に特定小型原付の双方向通行がNGだとしても、過失の有無には影響しないと考えられる。
なぜなら、自転車が双方向通行可能な以上は右折車は「右後方の確認義務」が免れず、それを怠り自転車と衝突したか、特定小型原付と衝突したかは単なる結果論に過ぎないことになるため。

 

けど、今さら警視庁が「確認中」と語るように、法解釈については今のところ正解はない。
とはいえ、この自転車横断帯を通行することは「横断」と捉えるほうが他の規定との兼ね合いでもムリがないことになるのだし、

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

横断という行為に左側通行も右側通行もないのよね。
今までナアナアにして曖昧にしてきたツケが出ているし、この交差点を通行する自転車も怖すぎるから避けたいと思うのが人間の心理なのではなかろうか。

コメント

  1. T250 より:

    当該自転車横断帯には最近の映像を見ても自転車マークが消えているように見えます。
    もしそうだとすると、自転車横断帯の要件を満たしていないのではと思いますが、どうなのでしょうか。
    自転車マークが消えていたとしても、そこに自転車横断帯があるのは明らか、という解釈になりますかね。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      自転車マークが消えたから自転車横断帯としての法的意味を失う…というのはちょっと違うかなと思いますが、どの程度の消失なのか次第かもしれません。

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