自転車が歩行者に衝突した上に、救護せず逃走した事件がありましたが、運転レベル向上委員会がまた間違った解説をしている。
「逃げているから重過失」「重い過失、現場から逃げている」と連呼してますが、
【自転車ひき逃げ死亡事故】水やり中の89歳女性が死亡…重過失致死容疑と“自賠責なし”の現実今回は、和歌山市宇須の市道で起きた、自転車による歩行者死亡事故について解説します。報道によると、2026年6月11日正午前、自宅前で水やりをしていたとみられる89歳女性が自転車にはねられ、その後死亡が確認されました。自転車を運転していた40...
逃げたことが「重過失」に当たるわけではありません。
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
要するに刑法211条は、致死に至らしめたこと、つまり衝突に至った過程に「重過失」があることを意味し、衝突した後のひき逃げを「重過失」と捉えるわけではない。
重過失の意味はこちら。
刑法209条、210条が通常の過失により死傷の結果を発生させた場合の規定であるのに対し、同法211条後段は重大な過失により右と同じ死傷の結果を発生させた場合に前2条に比し刑を加重する規定であり、右にいう重大な過失とは、注意義務違反の程度が著しい場合、すなわち、わずかな注意を払うことにより結果の発生を容易に回避しえたのに、これを怠つて結果を発生させた場合をいい、その要件として、発生した結果が重大であることあるいは結果の発生すべき可能性が大であつたことは必ずしも必要としないと解するのが相当である。
東京高裁 昭和57年8月10日
要するに、通常レベルの注意として前をみていれば衝突しえないはずなのに衝突した場合には、「わずかな注意を払うことにより結果の発生を容易に回避しえた」にあたる。
そのほか、信号無視による事故や、歩道上での対歩行者事故、逆走して順走自転車と衝突したみたいな場合には「わずかな注意を払えば容易に衝突を回避しえた」のだから、重過失致死罪になる。
今回の場合は、重過失致死罪+救護義務違反罪の併合罪になるでしょうね。
ところで、自転車が重過失致死傷罪に問われた事案としては、歩道上で時速35キロで歩行者と衝突した事件や、

警視が信号を見落として信号無視し歩行者に衝突した事件や、

一時不停止で交差点に進入し、交差道路を通行していたバイクを転倒させた事件や、車列間横断して対向車を歩行者に衝突させた事件などかある。

しかし、事故発生に関する過失と、事故後の義務違反(救護義務)は別物なのに、こんな初歩的なことすら理解してないのも凄いなと…
そりゃ毎日のように間違える理由も見えるよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。





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