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そこは路肩?車道?路側帯?回答編。

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ではこちらの件。

そこは路側帯か?
さて今回のクイズはこちら。どこ走ってるんや😮‍💨 pic.twitter.com/D1bubLbwqP— ウンチくん (@xL0dsppsLF73RLU) August 2, 2026このバイクが通行している場所は、道路交通法上「何」に当た...

このバイクが通行していた場所は、道路交通法上「何」に当たるのでしょうか?

正解は「車道」です。

 

では解説を。
道路交通法では車道をこのように定義している。

三 車道
車両の通行の用に供するため縁石線若しくは柵その他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。

つまり、

①縁石線若しくは柵その他これに類する工作物
②道路標示

のどちらかまでが車道となるのですが、問題なのは車道外側線なのよ。

 

標識令によると車道外側線(103)は道路標示ではなく区間線「別表第三(第五条関係)」になっている。

第五条は区間線に関する規定ですが、

(種類及び設置場所)
第五条 区画線の種類及び設置場所は、別表第三のとおりとする。

道路交通法上、車道の範囲は区間線ではなく道路標示までなので区間線の有無は車道の範囲とは関係ない。
そして道路交通法と標識令は対応する関係だと4条5項で宣言している以上(道路標識等とは「道路標識又は道路標示」、2条1項4号参照)

5 道路標識等の種類、様式、設置場所その他道路標識等について必要な事項は、内閣府令・国土交通省令で定める。

車道外側線は道路標示ではなく区画線だから、車道の定義に関係ないのよね。

車道外側線は、歩道がない場合のみ道路標示となる(標識令7条)。

(道路標示とみなす区画線)
第七条次の表の上欄に掲げる種類の区画線は、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号。以下「交通法」という。)の規定の適用については、それぞれ同表の下欄に掲げる種類の道路標示とみなす。

区画線 道路標示
「車道外側線」を表示するもの(歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられ、かつ、実線で表示されるものに限る。) 「路側帯」を表示するもの

つまり歩道がある場合には車道外側線は区画線に過ぎず、車道の範囲には関係しない。
しかし歩道がない場合には道路標示となるため、歩道がない場合は車道外側線までが車道となる。

 

これ、裁判所も間違っていることが多々あるから要注意なのよ。
正しく説示した判例はこちら。

所論は、車道外側線から歩道までの幅約1.2mの部分は、総理府・建設省令第三号「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」第5条、第6条、別表第三、第四により、車道ではなく、単車の通行は許されないから、被害車の通行可能な部分は約0.5mしかないのに、原判決が、車体幅約0.58mの原動機付自転車の通行には支障のない状態であったと認定しているのは誤りである、と主張する。
しかし、車道外側線は、道路構造令(昭和45年政令第320号)でいう車道と路肩とを区分するために両者の境界に引かれた区画線であり、その線の外側、すなわち車道外側線と歩道との間の部分も道路交通法上は車道にほかならないから、車両がそこを通行することは何ら違法ではない。

 

大阪高裁 平成3年11月7日(最高裁判所 平成5年10月12日上告棄却)

さて。
バイクが通行していた場所が車道だとすると、バイクの通行位置自体には違法性はない。

では双方の注意義務を考えましょう。
これについては重要な判例がある。
判例は札幌高裁 昭和51年8月17日。

 

まずは事故の態様。

 

まず、事故現場はこのあたり。
ただし昭和50年代の判例なので細部は違うかと。
片側二車線、センターラインにゼブラゾーンあり。

事故の態様です。
西行車線は赤信号と渋滞で、200数十メートルまで停止してました。
被告人は道路外に右折しようとして第一停車地点で停止。

この際に西行車線のクルマが「どうぞ」と被告人の右折横断をアシスト。
そして第二停車地点で停止。

 

当たり前ですが、「どうぞ」と促されて右折横断した部分が25条の2第1項に違反するとは解釈できない。

被告人が、第一停車地点において、本件対向車線上を右折、横断して道路外の場所である前記被告人方まで進入しようとするに際し、「他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるとき」は、右折、横断してはならず(道路交通法25条の2第1項)、右折、横断するにあたつては対向車線上を直進して来る車両等の安全確認に十分意を用いる必要のあることは、論をまたないところである。ところで、前認定のように被告人は、対向車線(幅員8m)上を二列に渋滞している車両の各運転者からそれぞれ右折、横断を促す合図を得て、右二列の対向車両に対する関係においては十分安全を確認したうえ第二停車地点まで右折進行したものであるから、被告人が対向車線上を第一停車地点から第二停車地点まで右折、横断した措置は、前記法条に違背するものとは解しえない。

そして第二停車地点で停止して、西行車線の左側端に通行車両がないかを確認。

被告人は、同地点で右外側線に沿つて左方(東方)約6、7m先まで見通し、その限度で本件車道部分を直進して来る車両の存在しないことを確認したうえ、時速10キロメートル以下の微速で自車を前進させ、自車前輪を歩道上に乗り入れて本件車道部分をほぼ横断し終ろうとした矢先に、右車道部分を前記外側線の外側に沿つて時速約28キロメートルで西進して来た被害者運転の第一種原動機付自転車が同所の歩道北端から約80センチメートルの地点において被告人車の左側後尾(後端から約30センチメートルの個所)に衝突

ちょっと拡大します。
第二停車地点の様子。

西行車線の左側端には1.7mの間隙があり、被告人車は間隙から70センチほど頭を出す形で停止して確認してました。
被告人からは6、7m先しか見渡せない状況でしたが、確認して徐行進行したところ、被害者の原付が時速28キロ&前方不注視のまま突っ込んできた事故です。

要はこの件、被告人車が頭を出して停止して確認した点が重要。

そして、被告人が右第二停車地点を発進し、本件車道部分を横断するに際して、被告人車が、すでに前述のようになかば以上対向車線の横断を終え、さらに本件車道部分の安全を確認するため一時第二停車地点にボンネツトが右車道部分に約70センチメートル出た状態で停車したことにかんがみれば、条理上すでに本件車道部分を直進して来る車両に優先して同所を横断することのできる立場にあつたものと解するのが相当である。

 

さらに前認定のように当時第二停車地点から左方(東方)にも西方交差点の青信号を待つて渋滞する車両が何台も続いており、被告人が一たん下車して左方を見通した時点から再び乗車して自車を発進させ横断を完了するまでにすくなくとも数秒を要するものと解されるところ、その間における左方車両の安全をあらかじめ見越すことは実際上極めて困難であるうえに対向車線上の車両の通行にも多大の支障をきたすおそれがあつたものと認められる。また関係証拠によれば、被告人は当時外出先から自宅に帰る途上であつて、格別自車に同乗する者もなく、したがつて車外で左方の安全を確認し被告人車を誘導する適当な第三者も見当たらなかつたことが認められ、被告人の下車ないしは他の者の誘導による左方の安全確認がいずれも期待しがたい状況にあつたことが明らかである。右のように被告人車に本件事故に直結する交通法規の違反を見出すことはできない。

 

札幌高裁 昭和51年8月17日

二輪車の立場としたら、200m以上も赤信号&渋滞で停止している車両の左側端をすり抜けしているわけで、歩行者等の横断が予測可能。
なので二輪車がこの状況ですり抜けするには、大幅に減速する義務があったと認定。

(二)  被害車の運転態度

他方前認定によれば、被告人は、第二停車地点において南側の渋滞車両の側端から本件車道部分に自車のボンネツトを約70センチメートル突き出して停車しており、右車道部分を直進してくる車両に対し、横断中の車両があることを示していわば警告を発していたのであるから、被害者は被告人車の動向、ことに被告人車が同所を横断しようとしているものであることを十分認識しえたはずである。しかも、当時本件事故現場は車両が二百数十mにわたつて二列に連続して渋滞しており、停止車両の陰から横断車両ないし歩行者が出現する可能性を予測しうるところであり、また、南側渋滞車両と歩道の間にはわずか1.7mの間隙が残されているにすぎなかつたのであるから、被害者としては、減速ないし徐行しかつ進路前方を十分注視して、安全な速度と方法で進行しなければならなかつたものといわねばならない。
また関係証拠によれば、被告人車が第二停車地点から衝突地点まで約4.2mを時速約5ないし10キロメートル(秒速1.389ないし2.778m)で進行するのに約1.5ないし3秒の時間を要することおよび被告人が左方車道部分を確認したうえ発進するのにすくなくとも1秒程度を要するので逆算すると、時速約28キロメートル(秒速7.778メートル)で進行して来た被害車は、被告人車が第二停車地点に立ち至つた段階では、同所から約19ないし31m東方(左方)にあつたものと認められ、しかも本件衝突は、被告人車が本件車道部分を横断し終る寸前にその後端からわずか約30センチメートルの左側面に被害車前輪が衝突したかなりきわどい事故であつたことに徴しても、被害車の側で、前方注視、徐行等の措置により被告人車との衝突を避けることはきわめて容易であつたといわねばならない。
しかるに、関係証拠によれば、被害者は、自車の速度を落さないで約時速28キロメートルのまま、しかも進路前方二百数十メートルの交差点にある対面信号に気を奪われ前方注視を怠つた状態で漫然と進行し、わずか5m位手前に至つてはじめて被告人車に気付いたが、すでに間に合わず被告人車の後尾に自車を衝突させたものと認められるから、被害者の運転態度に相当性を欠くものがあつたというほかなく、被告人において被害車の右運転態度を予想すべき特段の事情のなかつたことも明らかであり、同人の運転態度が本件事故の原因となつたことは否定しがたいところである。

 

横断車両が頭をひょっこり出して停止していた以上、被害者からみても通常レベルで前方注視していれば横断する車両があることを理解できる。

そういう状況なので、被害者原付が減速して進行し、きちんと前方注視する義務があったのに怠ったとの認定。

 

そして右折横断した被告人については、第二停車地点で「わずかに出た形で」停止して安全確認していた以上、左側端をすり抜けてくる二輪車が交通法規を遵守して適宜速度を落としながら進行してくることを信頼してもよいとした判例です。

(三)  以上の事実関係のもとにおいて、被告人のようにそのときの道路および交通の状態その他具体的な状況に応じ、対向直進車に対する安全を確認して適式に道路を横断中の自動車運転者としては、特段の事情の認められない本件において、前記渋滞車両の左側方約1.7mの本件車道部分を直進して来る二輪車など他の車両の運転者が交通法規を守り、前方を注視しかつ減速ないし徐行する等、安全な速度と方法で進行するであろうことを信頼して横断、進行すれば足り、前記被害車のように、注意すれば容易に被告人車を発見しうるのに前方注視を怠り、しかもかなりの速度で比較的狭い本件車道部分を直進して来る車両のあることまで予想し、これに備え一たん下車しあるいは他の者に誘導させるなどのより周到な左方車道部分の安全確認をなすべき業務上の注意義務はないものと解するのが相当である。

 

札幌高裁 昭和51年8月17日

つまり路外へ右折する車両は、車道左側端に2輪車が通行する余地がある以上、わずかに頭を出して一時停止するなどして車道左側端の安全確認を必要とする。

一方の2輪車は、不自然に間隔が空いていれば右折車があることや横断歩行者あることが予見可能なのだから、減速して警戒する義務がある。

 

ここで大事なのは、結果論から逆算するのではなく、それぞれの立場で予見可能な範囲を考えること。
札幌高裁の事例は、右折車は2輪車の通行余地を十分確認していたとして注意義務違反はないとしてますが、要するに被告人は予見可能な範囲をきちんと安全確認したのよね。
なお、わずかに頭を出して一時停止することを怠って事故を起こした事例では、多段階停止すべき注意義務違反を認定して有罪としたものがある。

大型貨物自動車の左側には2輪車等の通行可能な余地があって、この通行余地の見通しが困難であったから、一時停止及び微発進を繰り返すなどして通行余地を直進してくる車両の有無及びその安全を確認して右折進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、(中略)漫然時速約10キロで右折進行した過失

 

高松地裁 令和3年2月22日

一時停止及び微発進を繰り返す「など」してとありますが、例えば助手席に信頼できる成人が乗っていたならば、降りて安全確認と誘導を依頼することも考えられる。
なので必ずしも多段階一時停止じゃなければならないわけでもない。

コメント

  1. かたさん より:

    うわ、車道なのかー。
    駄目だ、解説明日には忘れそう。

    でも要は、カモシレナイ運転の励行ということでしょうか。予見可能な事態に適切に対処できているかどうか、的な。

    どっちにしても、もう判事さんにお任せします。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      結局、車道だろうと路側帯だろうと安全確認が必要だし変わらないんですけどね。

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