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マヴィックと言えばイソパルス組。フルクラムは2:1。カンパニョーロはG3。

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各ホイールメーカーは独創的なホイールを作っているのですが、その中でも強いアイデンティティがあります。
マヴィックのキシリウム系はイソパルス組ですし、カンパニョーロと言えばG3組。
フルクラムは2:1組ですよね。
もちろん、この組み方は後輪の話です。




そもそもなんでスポークのパターンをこんなことにしているのでしょうか?

特徴的な後輪のスポークパターン

MAVIC イソパルス組

マヴィックのキシリウムでは、イソパルス組が採用されています。
これはフリー側がラジアル組で、

反フリー側がタンジェント組(2クロス)。

マヴィックの後輪では、左右同数スポークで組み方を変えているという点も注目です。

フルクラム 2:1組


Fulcrum Racing 3 Wheelset

 

フルクラムというと2:1組が有名ですね。
これはフリー側14本、反フリー側7本というまさに2:1にスポーク数を配置したパターンです。

 

なお、2:1が採用されているのはレーシング3以上のモデルとなります。
レーシング5以下は2:1にはなっていません。

カンパニョーロ G3組


Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット

 

カンパニョーロのG3組は、見た目で欲しくなる人も多いですよね。
3本のスポークを一つの塊のように配置した独特の見た目ですが、これも2:1の一種です。

 

つまりは2:1の3本を一つの塊として配置している状態です。
一部、G3にはなっていないモデルもあります。

 

これらはホイールメーカーのアイデンティティと言ってもいい組み方です。
キシリウムはずっとイソパルスのままですし、カンパニョーロはずっとG3。
カンパニョーロと言えばG3なので、今更違う組み方されても困る人が多いのではないでしょうか(見た目)?

なぜスポークパターンが決まるのか?

一番の理由は、後輪における左右(フリー側・反フリー側)のスポークテンションの是正です。

 

ロードバイクのスプロケットは、フレームの右側にしかありません。
特に11速化以降は、スプロケットをつけるフリーボディがホイールの内側に食い込むような形になっているため、左右でのスポークからリムまでの距離も変わってしまいます。

 

その結果、左右でのスポークテンションが全然違う結果になり、うまく走ってくれないので、左右のスポークテンションを近づけるようにするにはどうしたらいいのかということを突き詰めた結果がイソパルスやG3、2:1なわけです。

 

シマノでも、オプトバルといって2:1が採用されているホイールもあります。

 

マヴィックで採用されるイソパルスですが、フリー側がラジアル、反フリー側がタンジェントです。
それぞれの特徴はこちら。

ラジアル タンジェント
長所 スポークが短くなり軽量化

縦剛性は強め

空力が良くなる

駆動力の伝達に優れる

横剛性が強い

短所 駆動力の伝達は苦手

横剛性は落ちる

スポークが長くなり重量増加

空力は落ちる

 

前輪の場合、トルクを伝える必要性がないので、完組ならほぼラジアル組です。
空力と軽量性重視なんでしょうね。
こちらがラジアル組の振動吸収性を表している動画です。

こちらがタンジェント組の負荷のかかり方。

 

後輪の場合、左右ラジアルだとグニャグニャして進まないでしょう。
マヴィックのイソパルスでは、左右でのスポークテンション是正のためにフリー側ラジアル、反フリー側タンジェントという特徴的な組み方になっています。

 

ちょっと面白いのが、コスミックプロカーボンSL USTとコスミックプロカーボンUSTの関係性です。
この二つ、リムは全く同じなのですが、スポークパターンが違います。
SLではイソパルス組なのですが、非SLでは逆イソパルスなんですね。

コスミックプロカーボンSL UST(リア24本) コスミックプロカーボンUST(リア20本)
フリー側 ラジアル タンジェント
反フリー側 タンジェント ラジアル
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スポーク数も非SLでは減らしており、意図的にSLから剛性を落としたモデルと言えます。

バリバリレースしたいならSL、ロングライドで楽したいなら非SLという感じでしょうか。

組み方と特性

組み方で乗り味が変わるのかどうかという点ですが、わかりやすいのはカンパニョーロとフルクラムの関係性ではないでしょうか?

 

カンパニョーロとフルクラムは同じメーカーですので、同じようなグレードのホイールが存在します。
具体的なところでいうと、ゾンダに対してレーシング3、シャマルに対してレーシングゼロですね。

 

ほぼ同じグレードのリムを使っていて、スポークも同等なわけですが、フルクラムは2:1、カンパニョーロはG3と似ていますが組み方が違います。
この組み方の特性の違いだと思いますが、一般論としてフルクラムは駆動剛性が高い、カンパニョーロは乗り心地がいいなどと言われたりします。

 

シャマルもレーシングゼロもどちらもアルミスポークを使っていて剛性は高く、アルミクリンチャーとしては最高峰なのは間違いないですが、同じグレードでもレーゼロのほうが硬いと感じる人が圧倒的です。
シャマルは決して剛性が低いわけではないですが、レーゼロよりはちょいマイルドなイメージとでも言いましょうか。

 

組み方の違いで走りにも違いが出るので、なかなか面白いところです。

 

ここで勘違いする人が出てくるので書きますと、レーゼロとシャマルの違いで見た場合、決してレーゼロのほうが速いというわけでもありません。
ここは難しいところですが、踏み込んだ時の加速性はレーゼロが優位なのですが、巡航しやすさでいうとシャマルな気がします。

 

難しいのですが、レーゼロはスパッと加速していく印象で、シャマルはスルスル加速しながら足に優しく進んでいく感じとでも言いましょうか。
この辺はどっちがいいかではなく、好みの問題かもしれません。

ディスクブレーキ登場で・・・

前にも書いたように、ディスクブレーキの場合スポークが制動力を伝える重要な役割を果たします。
リムブレーキは、ブレーキでリムを挟んでリムの回転を止めようとしますが、ディスクブレーキは制動力はハブで発生し、それをスポークを介してリムの回転を止めようとします。

 

そのため、リムブレーキ時代は主に駆動伝達とかを考えていればよかったのですが、ディスクブレーキでは制動力の伝わり方まで考えないとまともなホイールにはならないわけです。

 

具体的なところでいうと、ディスクブレーキの場合はフロントのラジアル組がNGです。
ラジアル組では、ディスクブレーキによって起こるハブとリムの間の捻じれが酷くなり、まともに使えません。

 

マヴィックのキシリウムエリートUSTディスクでは、フロントホイールは2クロス組になっています。
しかもスポーク数は24本とかなり多めです。

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リムブレーキ版のキシリウムエリートUSTではフロントホイールはラジアル組、かつスポーク数は18本ですので、だいぶスペック上の変更があったわけです。

Mavic【マビック】Ksyrium Elite UST Clincher Tubeless Road Wheelset 2018

 

キシリウムエリートUSTディスクでは、リアホイールはイソパルス継続ですが、スポーク数は24本(リムブレーキ版は20本)です。
こういうあたりがディスクブレーキ用ホイールが重くなる原因でもあります。

 

また、ディスクブレーキではスポークがリムを引っ張って止めようとするため、リムの軽量化もそこまで出来ないようです。
軽量化すると、リムが壊れるのでしょう。
ディスクブレーキ登場時は、【ブレーキゾーンが要らないので、リムの軽量化ができます!】という触れ込みもあった気がしますが、実際はそうでもないようです。

 

ゾンダDBは前後とも21本スポークのG3組になっています。
リムブレーキ時代はF16本ラジアルでしたので、やはりディスクブレーキ対策というところでしょう。

Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ディスクブレーキホイールセット (ボルトスルー, 6 ボルト)

 

前にも質問メールが来たことがあるのですが、カンパニョーロのディスクブレーキホイールは、ローター側がラジアル組になっています。
フルクラムも同様です。

 

ローター側がラジアル組になっていて大丈夫なのか??ということですが、ゾンダについては一応、ローター側と反ローター側でスポークの太さを変えているらしいです。
大手メーカーですのできっちり強度や耐久性のテストを行ったうえで製品化しているはずなので、多分大丈夫なんだと思うのですが、ディスクブレーキ用ホイールについてはカンパニョーロやフルクラムより、マヴィックのほうが理にかなっているような気がします。
考えすぎかもしれませんけど。

 

しかし、ゾンダなどカンパニョーロのホイールがディスクブレーキ化に伴い、前後G3組になったのでカッコいいと思う人も多いようです。
これは確かにそうですよね。
カンパニョーロのアイデンティティ=G3と言っても過言ではないでしょうし、それがフロントホイールにも採用となると見た目でいうと嬉しいと思う人もいるでしょう。

 

こういったG3や2:1、イソパルスなどはやはり手組では出来ない組み方です。
完組だからこそ可能な組み方であって、メーカーごとの強烈なアイデンティティだと思うわけです。




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