自転車屋をバカにしている気がした話。

読者様から頂いた情報です。
誰が何を思おうと、それは自由です。

しかし、自転車屋の工賃というものをもう一度考えて欲しいなと思ってまして。



頂いた情報

こちらになります。

この方は、ブレーキシュー交換で工賃とられたことについて不満を持っているようです。
ちょっと思うところがありまして、取り上げたいと思います。

プロショップの工賃

プロショップは当然ですが商売、営利目的で営業しています。
プロショップが得る報酬は、おおよそ以下のものです。

・新車販売、パーツ販売による利益

・作業工賃

大雑把に言うと、この二点以外では利益を生み出すものがありません。
プロショップによってはユーチューブで広告収入を得ている可能性もありますが、それはまだマレなケースでしょう。

この中で作業工賃というのは一体なんなのか?という話ですが、組み立てや修理などプロに作業を依頼したことに対する対価です。
自転車屋は商売ですので、タダでやってあげたら食べていくことが出来ません。
趣味でやっているわけではなく、営利目的ですので。

他人を働かせておいて、タダというのはあり得ません。
もちろん、当事者がタダ働きでいいと納得しているのなら、それはそれでしょうけど、プロに作業を依頼したら、その報酬を請求されるのは当たり前のことです。

サービス残業しろと上司に言われたら、イヤじゃないんですか?

私は自転車屋ではありませんが、店舗を構えて商売しています。
サラリーマンではないので、正直なところサラリーマンの苦労といってもよくわからないところもあるのですが、一生懸命働いたのに報酬はもらえないなんて絶対にイヤです。

工賃取られることに不満を持つのはその人の勝手ですが、もしあなたがサラリーマンで、上司から【今日、サービス残業しろ】と言われたらイヤな気持ちにならないのですか?という話です。
大人の世界では、働いたらその分の報酬をもらえて然るべきです。
ブラック企業でサービス残業が当たり前、という人もいるのかもしれませんが、サービス残業することに不満はあるでしょう。

ブレーキシュー交換の場合、ブレーキシュー代金+工賃が発生することが普通です。
いろいろ調べて見ましたが、業界大手のワイズロードさんで【前後2400円(税別)】です。

ちなみにですが、ブレーキシュー交換を依頼した場合、単にシューを変えるだけという作業ではありません。
もちろん、擦り減ったシューを新品に変えます。

交換したら、シューのリムへの当たりが適正になっているかの確認をするのと、ブレーキワイヤーの調整を行います。

ブレーキシューが擦り減っている状態から新品のシューに変えれば、シューの高さが増えますよね。
そうすると、今までのレバーの握りだと、握り始めの早い段階でシューとリムが接触するようになるわけですので、お客さんの好みのレバーの硬さを聞きながら、ワイヤーを調整してレバーの握りとブレーキングの調整を行います。

きちんとネジ類が締まっているか、ブレーキがちゃんと効くかどうかを確認してお客様に引渡しです。

この作業、時間がかかるかどうかでいうと、プロがやるので素人よりも手早く出来ますし、そもそもそれほど難しい作業でもありません。
しかしながら、店員に取り付け依頼しているわけですので、タダであるはずがありません。
工賃取られるのがイヤなら、自分でやればいいだけの話です。

前の店長はタダでやってくれた

前の店長さんのときはタダでやってくれた、と書いてますが、これはその店長さんが、そのお客さんを上客と見なしていて、いろいろいつも買ってくれているからなどの理由でサービスしてくれていただけの話でしょう。
それは前の店長さんのご厚意であって、それが当たり前とは思わないほうがいいです。

実は私も、よくいくショップで簡単な作業だと、工賃を請求されないことが過去に何度もありました。
そういうとき、いつもこちらから【いくらでしょうか?】と聞くのですが、【今回はいいよ】と言われてしまったりします。

私も自分で店舗を構えている商売人ですが、確かに何らかの理由でお客さんにサービスすることは、ごくまれにあります。
ですが、私自身の考え方としては、自分がよくお世話になっている人ほど儲かっていて欲しい、という考えがあるので、【工賃要らない】と言われてしまったときには、オイルなど消耗品を買っていくことにしています。

その結果、家にオイルの在庫がたくさんある結果になったこともあるのですが(笑)、例えばディグリーザーだとかはしょっちゅう使うわけですし、クリート、オイル、ディグリーザー、チューブ、ブレーキシューなどのうちどれかを買ってお金を落としていくことがほとんどです。

もちろん、そういうパーツ類は、お店側にしたらたいした利益になっていないでしょうし、オイルなんて売れても、ショップの利益はせいぜい100円とか200円とかでしょう。
なので申し訳ない気持ちもありますが、とりあえずは感謝の気持ちは大切だと思っているので。

ちょっと前に相談を受けていたケースなのですが、ある方がどこでホイールを買うのが一番安いか?ということで相談受けていました。
ロードバイクを買ったショップで買うと、ホイールは定価、取り付け工賃が別途、ということらしく、安くてホイール買った場合は工賃無料で取り付けしてくれるショップがいいというお話です。

安いにこしたことはないので、そうやって探すのも1つの方法です。
この場合、そのショップの正規の料金で比較しているだけなので、特に問題があるとは思いません。

ただ、一つ気になったのですが、ロードバイクはA店、ホイールはB店、サドルはC店、ハンドルはD店、みたいになったときに、何かメカトラブルが起こったときにどこに頼むことになるのかなと思って聞いてました。
気にせずA店に持ち込む、というのもアリでしょうし、工賃が安いショップを探すというのもアリでしょう。

しかしながら、そういう薄っぺらいと言ったら失礼ですが、薄っぺらい付き合いばかりしていると、いろいろ教えてくれる機会を失うだけな気がします。
私は、ショップに相談して作業してもらうときに、店員さんにお願いして作業をみせてもらうことが初心者時代はよくありました。
忙しくなければ、店員さんはネットや本に書かれていないコツまで教えてくれたりします。(もちろん、作業工賃は払います)

工賃は安いけど、メンテナンスは原則としてお預かりなので作業は見せられない、というショップもあるそうです。
そういうところだと、何か質問して実演して欲しくても、見ることすらできません。

いろんな考え方があると思うので、ショップの店員さんとそれなりに付き合いを持つ人もいれば、そういう付き合いはそもそも苦手という人もいるでしょう。
ただ、そこそこ顔見知りになると、作業のコツなど教えてもらえることもあります。

恐らく、このツイッターの方は、前の店長さんとはそのように関係性が出来ていたので、前の店長さんのご厚意で工賃無料にしていたんでしょう。
よく買ってくれているし、など何らかの事情があってのことだと思いますが、それが当たり前に感じてしまうのは良くないと思ってます。
そういう工賃無料は特別サービスであって、それが当たり前だと思うのは間違いですし、新しい店長さんに同じことを求めるのも筋が違うかと。

どんな分野でも働いて、働いた分の報酬を得て、それで生活が成り立っています。
自分さえよければいい、というようなニュアンスに感じて、ちょっと残念でしたし、自転車屋さんをバカにしているように感じてしまいました。

人によって特別サービスがあることは否定しませんが、それが当たり前だと思ってしまうのは良くないですし、特別サービスしてくれたことについての感謝が無さ過ぎると重い、非常に残念な案件でした。

※あくまでも私の感想です。