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今後、プロショップの廃業は加速すると思う。

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どこで書いたのか記事を思い出せませんが、ロードバイク業界は弱虫ペダルブームにより特需が生まれました。
弱虫ペダルブームが去った今、売上を伸ばすメーカー、売上を落とすメーカーもあれば、同じように売上を大きく落としているショップもあるようです。



ロードバイクショップの利益

ロードバイクなどのショップは、売上としては以下の二つです。
・完成車やパーツなどの物販
・作業工賃

 

この二つで成り立っています。
逆に月々のコストとして発生するのは
・完成車やパーツなどの仕入れ
・家賃
・光熱費
・人件費

 

こんなところでしょう。

 

さて、ロードバイク業界の仕入原価がどれくらいなのかイマイチわかりませんが、多くの業界では、だいたい7掛け、つまり仕入れ値は定価の70~80%です。
これはどれくらい仕入れるか(仕入れの量)によっても変わるので、70~80%程度が仕入れ値だと思います。
つまり、店の利益は、定価販売すれば定価の20~30%ですね。

 

ロードバイク業界の場合、代理店とショップが契約することで、そのメーカーのものを仕入れることができるようになりますが、前年の仕入れ実績を元に、翌年の仕入れ値が変動することが多いようです。
前年に頑張ってたくさん仕入れてくれたから、今年の仕入れ値は定価の70%ね!みたいな契約になっているようです。
もしくは今年の中でも、最初の何台までは仕入れ値が高く、一定数以上を仕入れると仕入れ値が安くなるみたいな。
なのでたいして仕入れていないメーカーのものだと、仕入れ値は高くなります。

 

メーカーによってはノルマが結構キツいらしく、何台以上とか何万円以上の仕入れがないと、翌年は契約打ち切りみたいなのもあるようです。
そのため、安易にたくさんのメーカーを取り扱うわけにもいかないんですね。
急にあるメーカーしか取り扱わなくなるというショップもありますが、そういう事情です。
アメリカンブランドは総じてノルマがきついという話は聞きますが。

ロードバイクの場合、取り寄せ、つまりお客さんから注文があったときにメーカーに取り寄せることもあれば、ある程度は店頭に展示車がないと売れにくいでしょうから、ある程度店頭に並べるだけでも結構なコストがかかります。
定価60万のロードバイクが、仕入れ値が70%だったとしたら、税金は別にして42万かけて仕入れるわけですので、予算がそこそこないと出来ない商売ともいえます。

 

最近は完成車販売はせず、メンテナンス専門店だというショップもありますが、そういうところは仕入れでは困りづらい構造ですね。
完成車の仕入れに一番費用がかかるわけですので、店頭展示車がないというだけでも大幅な経費削減です。

 

ちなみにですが、時折ショップのほうで、【50%オフ!】みたいな完成車が出てくることがあります。
あれって、メーカー(代理店)のほうが、在庫処分のために格安で吐き出すことがあるからできるようです。
私が聞いた話ですが、昨年、あるメーカーのあるロードバイクが、仕入れ値10%くらいでショップに吐き出されたらしいです。
これなら大型割引しても割に合うわけですが、そういう格安で吐き出す場合、まずは大口の取引先(ショップ)に声がかかるようです。
仕入れ値10%で仕入れて、定価で売れば最強の儲けなんでしょうけど、さすがにそれをするショップはないのかもしれません。

個人事業の廃業率

弱虫ペダルのブームによって、明らかにロードバイク専門店は増えました。
そういうショップが個人事業でやっているのか、法人組織(株式会社や合同会社など)でやっているのかにもよりますが、政府発行の中小企業白書によると、個人事業の10年生存率はたったの11.6%しかありません。
つまり、10店あれば9店は潰れているという現実です。

 

ちなみに一年の生存率は、62.3%。
一年で3分の1程度は潰れています。

 

法人組織の場合、10年生存率は36.0%です。

 

もちろん、これらはあらゆる業態を含めての数字ですので、一般的に生存競争が激しい飲食店なども含んでいます。

 

私も個人事業で店をやっていますが、やっと8年目になりました。
知人の同業者で、1年持たずに潰れた事例は2件知ってます。
自転車屋ではありませんが。

 

私の商売では仕入れがほぼ発生しませんのでいいですが、自転車屋って仕入れにお金がかかるので、そこそこの資本が無いと成り立ちません。
そうなってくると、大型店とか老舗というのはやっぱ強いです。
大型店は資本があるから成り立ちますし、老舗は老舗で代理店との結びつきが強いですから、激安でメーカーが吐き出す際には安く仕入れやすいのでしょう。

 

新参者はどうしても最初の仕入れからして実績が無いので高めに設定されてしまいますし、不利ではあることは間違いありません。

 

その店メーカーの直営店だと、代理店=ショップになるわけで、仕入れ自体は困りませんね。

 

個人店でロードバイクショップを開こうとした場合、仕入れ値も高め、資本も大手には勝てない、そうなると技術とか接客とかで何とかお客さんを繋ぐしかありません。
たまに来る質問で【自転車屋であるロードバイクを注文したけど、キャンセルしたい】という話を聞くことがあります。
キャンセルの理由は、【もっとカッコいいロードバイクを見つけたから】などと言われることがあるのですが、これをされると個人店だと大打撃でしょう。
既にメーカーに発注かけているので仕入れは発生している、その分はお金を取れない、仕入れたロードバイクが売れるかどうかはわからない、という不良在庫化する可能性も秘めているわけです。
そういうキャンセルしたいという人の話をよくよく聞くと、

でも違うロードバイクもそのショップで注文するんだから、その店はその分儲かっているし、迷惑はかかんないでしょ?

などと言って来た方がいるのですが、あなたがキャンセルしたロードバイクの発注は済んでいるわけで、売れるかどうかもわからないロードバイクを仕入れているのでその分はメーカーにお金払うわけです。
もっとカッコいいロードバイクが見つかった、というのは、そんな程度なら安易に注文しないというのが大人のマナーな気がします。

 

自分の知り合い、同業者で1年以内で潰した事例を2件知っていると書きましたが、正直なところで言いますと、潰れて当然レベルのことだと思って見ていました。
主には人間性の問題と、準備不足です。
人間性の問題と言っても、人として何か問題があるわけではなくて、言い方は悪いですがごく普通の人間だったということです。
何かしらのスペシャルな要素がないと、今の時代商売するのは難しいですし。

 

準備不足というのは、自分の力量を把握する自己分析、競合他社がどうなのかという競合分析、マーケットとしてどれくらいの客数が見込めそうかというマーケティング分析が出来ているように見えなかったという話です。
自転車屋も技術職ですので、職人的な要素はかなりあります。
技術が優れているから儲かるというほど単純な時代ではないので、そこに気が付けない人は苦しいのかなと。

大手のショップでも閉店している時代ですし

ここ最近、大手のワイズロードでも閉店した店舗がいくつかありますし、そのほかにチェーン店としてやっている大型店でも閉店したところは知っています。

 

大型店でも苦しいところは苦しいですし、個人店でもお客さんが多いように見えて売り上げが苦しいというショップもあるでしょう。

 

個人的な印象としては、ブームに乗らずに地道にやってきているところ、ブームに乗らずに店舗拡大してないところのほうが安定している気もします。

 

いわゆるママチャリ専門の個人店って、今はほぼ見かけなくなりました。
需要がないというか、ママチャリの場合はメンテナンスするという感覚を持つ人はほとんどいませんし、売ったら売りっぱなし、パンクしたときくらいしか行かないという人が多いでしょう。
ママチャリ専門の個人店はどんどん減り、あさひやイオンバイクみたいな大型店、チェーン店のみが生き残る時代です。

 

ロードバイクの場合、メンテナンスでショップにお世話になるという人も多いので、売ったら売りっぱなしということは少ないでしょうけど、それと同時に海外通販で買うことでショップに行かなくなるという人も増えているわけです。
確かに、海外通販や国内通販というのは、ショップからすると脅威なのかもしれませんが、過去にこのようにツイッターで呟いたショップがあります。

これ、このショップ自体にも問題があったらしく、実際には同情を買うというよりは単に炎上しただけなんですが、海外通販や国内通販で買う人がいても、順調にやっているショップもあります。
この差は一体何なのか?と聞かれたら、最後は人間性とかそういう部分なのかもしれません。

私がよく行くショップは、私の仕事上のお客さんを何人も紹介しています。
とりあえずここに行っとけば安いし間違いないから!ということで紹介していますが、どんな商売でも、紹介のお客さんが来ない店って苦しいです。
宣伝広告費はどうしても高くつきますが、紹介というのは最強の宣伝ツールなわけで、ここに自分の大切な人を紹介したいか?と思わせるものも必要なんだと思います。

 

前はショップの近くに住んでいたので、それこそタイヤ買うにもディグリーザー買うにもショップでしか買ってませんでしたし、値段的にも通販価格と大差ないので重宝してましたが、今はショップからそこそこ離れた所に住んでいるので、タイヤとか小物はアマゾンが多くなってしまいました。
それでも大物、フレームなどはショップで買うほうが安心ですね。

 

あとはタイムのペダル。
これも安さにつられて通販で買うとひどい目に遭うことを実体験として知ったので、多少高くてもショップ購入がオススメです。
http://roadbike-navi.xyz/archives/5476

 

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あとロードバイクのショップの場合、よく知られたこととして、メーカーから納品される完成車は、7部組みといって70%が組み立てられていて、残り30%をはショップで組み立てます。
これについても、メーカーが組み立てた70%部分について気に入らないということで、一度全てバラバラにしてから組み立てなおすショップもあります。

 

当然ですが、すべてバラバラにするショップのほうが人件費はかかりますね。
スタッフを雇わず自分一人でやるショップなら、時間がかかるので働いた時間が増えるだけで、得る利益は変わりませんし、他の作業に着手できないと言うことで儲けが減る可能性もあります。

 

私も以前は、すべてバラバラにして組み立てるショップはさすがだと思っていたことがあるのですが、熟練の職人であれば、むしろそれは無意味な作業になる可能性もあるわけです。
触って動かしてみて、異常があるところだけやり直せばそれでいいわけで、一度バラバラにして組み立てても、性能的に変わらないようであればそこれは時間の無駄ともいえます。
パッと見てワイヤーの長さがおかしいと思えば直せばいいし、ちょっと動かしてみておかしいようならバラして確認すればいいわけで、そこに異常がないのにバラす必要もないでしょう。
このあたりは職人さんの考え方の違いとも言えますし、自営業で一人でやっているのであれば、自分の作業時間が増えるだけなので自己責任でしょう。
しかし、こだわりが強すぎるがためにお客さんをうまく捌けないで取り逃がすなら、その分収益が減るということになるわけです。

 

技術がないショップは論外ですが、理想を追い求めすぎても経営が苦しくなっていくのですから、技術職って難しいところですよね。

 

ちなみに当サイトでは時々、ある【コスパがいいといわれるブランド】について、あまりオススメしていません。
そろそろ大丈夫そうかなと思うところもあるのですが、やはり代理店が弱いというか、あまりにもメーカーサイトがお粗末すぎます。
ショップではなくてメーカーサイトが貧弱だと、このメーカーは大丈夫なのか?と商売人としては思ってしまうところがあり、いい素材を使って安く売っているとかそういう要素は全く関係なく、代理店が弱すぎに見えてしまうのです。
どうしても、【金があまりなくて宣伝広告費をかけることが出来ず、ホームページすらまともに外注できないのかな?】と見てしまったりします。

 

ロードバイクを買った後に代理店にお世話になることなんてほとんどないのですが、万が一代理店がポシャったときに、ディレーラーハンガーも手に入らない可能性が出てきますし、そもそも代理店が弱いと、初期不良で対応してくれるのかという疑問も沸いてくるので。

 

このあたりは人それぞれ考え方は違うでしょうけど、あまりにも安く売るというのは逆の見方も出来るわけで、安くしないと売れないとも言えます。
そうなるとメーカーの利益は圧迫されるわけですから。

 

安く買えるからコスパがいい、という風潮はどうにも好きにはなれませんが、フレームメーカーでも、事実上もう作るのをやめたところだっていくらでもあります。
自転車屋だって、これからは淘汰されていく時代に入るのかなと。




コメント

  1. かっぱ より:

    通販で買って、ネットの組み立て動画観ながらなんとか走れるようにしたバイクと、ショップが組み上げたバイクってやっぱり全然クオリティが違うけど、「安い」に勝るアピール材料はない市場原理主義社会では厳しいですよね…。
    しかも工賃も店によりけりだし。私が通ってるショップは接客も腕もいい方だと思いますが、それでも時たま「ワ○ズロードの方が工賃かなり安いよな…」と思うことはあります。ただ、ワイ○は店員の当たり外れが激しすぎるので避けてますが。。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      すみません、巧みに〇の一変えちゃダメですよ笑
      安さに勝るというのはあると思いますが、ある読者様から教えてもらったブログがありまして、その方は海外通販で激安のカーボン車を買ったようなのですが、メカトラブル時に、やってはいけない解決法を【皆さんにオススメ!】とか書いていたりします。
      一時的に解決したかのように見えて、実は長い目で見ると悪化していることですが、そういう間違いを指摘してくれるショップがないというのも、通販の1つのデメリットなのかなと。
      馴染みのショップがあれば、相談できるでしょうし。

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