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ロードバイクが歩行者にベルを鳴らすのは、威嚇行為ではなく注意喚起ではないのか?【質問いただきました】

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先日の新しい自転車ベル【GENTZ】について、質問を頂きました。
https://roadbike-navi.xyz/archives/9668

 

GENTZの記事で、人通りが多いところで注意喚起のために鳴らすことは、注意喚起ではなく威嚇行為になると書いていましたが、時と場合によっては注意喚起なのではないでしょうか?
歩道に人が溢れていて、塞がってて前に進めない場合などもありますよ。
学生がサイクリングロードいっぱいに広がって歩いている時なども。

法律にも「危険を防止するのにやむを得ない場合は除く」と書いてあるわけですし。




回答します。

やむを得ない場合とは

やむを得ない、という言葉を辞書で調べると、このようになっています。

他にどうすることもできず、仕方がない

道路交通法では、ベルの使用についてこのようになっています。

(警音器の使用等)

第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。

一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。

二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。

2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

で、最後の【危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない】という文言を取って、恐らくは今回のような主張をされているのだろうと思います。

 

やむを得ないと言う言葉の意味から見て、要は【ベルを鳴らす以外に危険を防止することができない】と読みかえることが出来るわけです。
ベルだけがほぼ唯一の危険防止策なのかどうかを問われているわけです。

 

<ケース1 歩道に人が溢れていて、塞がってて前に進めない場合>
まず、歩道に人が溢れていて前に進めない場合に、ベルを鳴らすことが【危険を防止する唯一の手段】になりうるのかというと、違いますよね。
・最徐行し、道が開くのを待つ
・自転車から降りて歩く
・歩道走行をやめて車道を走る
・【すみません、通ってもいいですか?】などと声かけ

いくらでも危険を防止する手段はあります。

 

<ケース2 学生がサイクリングロードいっぱいに広がって歩いている>
これも上と同じです。
・最徐行し、道が開くのを待つ
・自転車から降りて歩く
・【すみません、通ってもいいですか?】などと声かけ

これ、誤解しないで欲しいのですが、正直なところロード乗りの視線から言うと、例えばサイクリングロードで道いっぱいに広がって歩いている歩行者もどうなんだ?という気持ちは当然あります。
しかしながら、サイクリングロードはほとんどの場所で、【自転車の通行も許可された歩道】に過ぎないので、法的にそれを制限するものがありませんし、通行の妨害とも言えません。

 

一方、ベルについてはルールが厳格に決まっています。
今回は【時と場合によっては注意喚起としてベルの使用が正当化されるのではないか】との話でしたが、挙げていただいた例で言うならば、法律を厳密に適応するならば違反でしょう。

法律上、警音器を使える場面は非常に少ない。が、しかし

法律上、車でも自転車でも、警音器を使える場面というのは非常に限られています。
標識により警音器を使わないといけない場所のほか、危険を防止するためにやむを得ない場合のみです。

 

しかしながら、警音器の使用制限違反を警察から指摘されて罰則を喰らうという事は、ほぼないと思われます。
例えば、道路を譲ってくれたときに車が行う【サンキューホーン】だって厳密に言えば違反でしょうし、信号待ちで青に変わったけど前の車が発進しないときにクラクションを鳴らすことも、厳密に言えば違反です。
別に危険を防止しているわけでもないですから。

 

ただそういうので取り締まりに遭うのかというと、まずないでしょう。
ここからは勝手な予想ですが、道路交通法上で警音器の使用についてその範囲が狭い理由は、迷惑行為でクラクションを鳴らすような車に対し、取締りが出来なくなるからではないでしょうか?
自由に使えるなら、例えば嫌がらせ目的で、夜中に他人の家の前でクラクションを鳴らしまくるヤツが現れたときに、取り締まる法的根拠がありません。
かといって【迷惑行為で鳴らすことは禁ずる】みたいに法律で定めると、危険性回避のためにクラクション鳴らしたのに【嫌がらせされた!迷惑行為だ!】と相手が主張しだすとややこしいわけで。

 

なので

危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない

このように、警音器を使うこと以外に危険性回避する手段がないときは、使用を認められているわけです。

GENTZについて

このベルですが、非常に良さそうだなと思って見ています。
よいと思う点は、
・ハンドル周りがゴチャゴチャしない
・バーエンドという、他に使い道がほとんどない場所に付けられる

 

こういう点でアイディア商品だなと思います。

 

しかし、解せない点もありまして、

歩行者に向けて鳴らしてますけど、なんでこんな違反を堂々と勧めるような画像を公開するのか、理解しがたいです。

 

GENTZのHPを見ると、このように書いてあります。

時代のニーズとしての警音器

当初私は警音器(ベル)なんて付けたくないと思っておりました。
しかし、昨今はスマートフォンの普及により”ながらスマホ”が急増、公道やサイクリングロードにおける危険が大変増えております。
衝突を防止し歩行者とローディーを守る為にも間違いなく警音器が必要だと思います。

ロードバイク関連商品の開発・販売|GENTZ
GENTZはロードバイクをより美しい状態で乗り続けたいとの想いで開発されました。ロードバイクは機能性を重視し徹底的に考え抜かれた結果として完成した美しいフォルムです。美しさを保ちつつ警音器を搭載できる方法を考え、ドロップハンドルへの警音器の...

ながらスマホが急増し、公道やサイクリングロードで危険が増えているという主張はわかるのですが、警音器が衝突を防止するって、それは違うんじゃね?と思うわけです。
ロード乗りの視点から言えば、前方などにいる歩行者に向けて、【注意喚起として】鳴らすことで、歩行者との接触を避けることができたという理論でしょう。
道路交通法上、そんな警音器の使い方は認められていません。

ながらスマホの人が公道にいたら、ロード乗りがすべきことは、徐行であったり、衝突しないように間隔を開けて追い越しすることです。
また、これが歩道上の行為なら、そもそもロードバイクは車道走りなよ?という話です。

 

サイクリングロードもそうですが、こういうのを鳴らすことで、歩行者との接触・衝突を回避した、と考えるのはあまりにも自分本位な考え方であって、本来、安全性をきちんと確保したいのであれば、サイクリングロードで歩行者がいたら徐行して、間隔を開けてパスするのが正解です。

 

GENTZ命名

GENTZのブランド名は、紳士を意味するGENTLEとBUZZERを合わせて命名しました。
「ロードバイク乗りは紳士たれ」その様な想いから製品名に紳士の意味を取り入れました。紳士たるものルールを守った方がいい
GENTZを搭載し意識的にルールを守る行為そのものが紳士的行為であると思います。
また、GENTZがロードバイクの美しさ損なわないこと自体が、ロードバイクへの紳士的行為という意味も含めて「GENTZ」という製品名としました。
http://gentz-tokyo.com

素晴らしい考え方、と言いたいところなんですが、

これは法令違反ですよね。
歩行者に向けて鳴らす理由がわかりませんし、この場面であれば、歩行者との距離をしっかり開けて追い越しすれば十分でしょうし、安全性確保のために徐行もすれば完璧ですよね。

 

で、この商品自体を批判したいわけではなく、商品自体は非常に良さそうだなと思って見ていますが、何が残念かというと、【歩行者との接触を避けるため】という大義名分を借りて、違反行為と思わしきことを勧めているようにしか思えないからです。
いい商品だと思うのですが、宣伝方法を間違うと、あたかも歩行者をどかすために使ってもいいと勘違いされるわけで、事実、既に違反行為を助長するような内容のサイトまで出ています。

・交通量の多い通勤など「移動手段」としてロードバイクに乗る
・トレーニングにおいて、人通りのある道を走らざるを得ない
他のロードレーサーを追い抜かす際に鳴らして接触のリスクを下げる

紳士たる機能美。ロードレーサーのために創られた警音器『GENTZ』【クラウドファンディング※早期割あり】 | 十三峠十三分切り
松木です。   先日の腕時計型LEDウインカー『sig”』に続き、 また面白いアイテムのクラウドファンディングが開始しています。   その名は『GENTZ(ジェンツ)』   「・・・

ほかのロードバイクを追い越すときに鳴らす??
接触のリスクを下げるなら、至近距離での追い越しをせずに、後方を確認しながら距離を取って追い越しすべき話なのであって、この状況での警音器の使用は違反です。
トレーニングにおいて人通りのある道を走らざるを得ない、というのはさっぱり意味が分からないのですが、人通りが多い道でトレーニングする必然性って何ですかね?

 

ロード乗りの端くれとして言いますが、ロード乗りって、マナーが悪い集団と見られてしまうことが残念ながらあります。
もちろん、大半のライダーさんは法律を遵守してマナーもよく走っているわけですが、信号無視、二段階右折しない、強引なすり抜け、その他様々な行為でドライバー視線から見てウゼーと思われていることもありますよね。

 

だからこそ、ルールは厳格に守りすぎるくらいじゃないと、世間の評価って悪いままだったりします。

 

こういう意見も頂きました。

この問題についてはむしろ「ベル鳴らして避けさせる」が特にママチャリ乗りの常識と化している現状から何とかしないと、という気がします。ロードで「注意喚起のために鳴らす」な人もこれが根底にあると思うので。
そもそも「ベル鳴らして“避けさせる”」という考え方自体が感情論排して単なる物理学で考えたら無茶ぶりというか行為強要に等しいんですよね。仮に自転車の時速15km/h(ママチャリでも遅い部類)、相手との距離10m(場所によっては鳴らしても聞こえるか怪しい)としても鳴らしてから(『聞こえてから』ではない。そもそも鳴らした側は相手に聞こえたかどうかを確認する手段がないし多分気にしない)2.5秒で追いついてしまうわけで、結局はその間に避けろと言ってるわけですから。

この事実を鑑みれば管理人のおっしゃる通り「注意喚起もいいけど、自転車側の自発的な回避や安全確保の努力も重要というか必須」になるのがある意味当然ですよね。

歩行者目線からですが、後からベルを鳴らされた⇒気が付いて振り向いた、の時点で、この方が言うように避ける暇なんてないんですよね。
私はママチャリも乗りますが、当たり前ですがベルを鳴らして歩行者を避けさせることはしません。
しかし、たまたま前にいたママチャリが、歩行者を避けさせるためにベルを鳴らすのを見ることがありますが、歩行者のほうは【ビクン】となっている人もいます。

注意喚起のために鳴らすという行為は、法的に許されていないということもそうですが、ロードバイク側の自己満足に過ぎないと思ってます。
鳴らされても歩行者目線で言うと恐怖にしか感じないとか、そういう側面は無視するのですか?ということです。
単に衝突や接触を回避できたというだけのことですが、衝突や接触を回避する手段はほかにもあるわけです。

 

サイクリングロードで前方に歩行者がいたとして、同じ進行方向だとしましょう。
徐行して、きちんと側方距離を確保して追い越せば、歩行者を怖がらせることもないでしょうし、接触も衝突もないですよね。

 

警音器鳴らしてだと、歩行者側はビックリしてしまう可能性もありますよね。
気が付いて振り向いたら、既に自転車が迫っているという状況。
結果的に接触も衝突も回避できても、なんか違うんじゃね?と思うわけです。

 

なので思うことですが、単に法令上求められている警音器として、このGENTZは取り付け場所がバーエンドという点では非常に優れていると思います。
しかし、法律上許されていない使い方は、絶対にやめてください。

 

そして思うことですが、作ってる側も、違反行為の助長と思わせるような書き方は慎むべきで、正しい警音器の使用方法を宣伝すべきではないでしょうか?
というよりも、警音器の使用制限について知らないのかもしれませんが・・・

 

ちなみにですが、ロードバイクにカウベルを付けることで、サイクリングロードなどで歩行者への注意喚起をしている方もいます。
私は好きになれませんが、カウベルの場合は【鳴らしている】のではなく【勝手に鳴っている】なので、警音器の使用制限違反には当たりません。

 

もはや屁理屈レベルの話ですが、カウベルの場合はそういう扱いです。

 

私がカウベルを好きになれないのは、カウベル付けることで満足して、サイクリングロードで歩行者がいても減速もしない人を見かけるからと、ロードバイクから余計な音を出すことを好まないからです。

 

 




コメント

  1. えるく より:

    前略
    いつもお疲れ様です。

    注意喚起だとか歩行者をどうこうさせる前に自分が回避する。
    歩行者が優先なのです。当たりまえの事です。
    相手が自転車でもこれは同じことです。

    それでもダメな時は口で言えばいいのです。
    「すみません、右(左)側通りますね~」と。
    例えば仮に学生さんたちが道一杯に広がっていたとしたら
    「すみません、通してくださいね~」と。

    カウベルなんて論外です。クマよけではないでしょう。
    走る騒音でパラリラの暴走族と同じです。

    以下私のひとりごちです。

    しかし私は義務付けられている警音器にこの商品を使おうなどと思いません。
    なぜなら、警音器を鳴らすのにハンドルから手を離さなければいけないから。

    仮に警音器を慣らさなければならないシチュエーションが発生した場合
    「ハンドル、ブレーキから手を放してエンドまで指を伸ばして鳴らして
    またハンドルに手を戻してブレーキを掛ける?」
    そんなの怖くてできません。事故発生リスク極大です。
    ハンドル、ブレーキから手を放すべきではありません。

    このメーカーを叩くつもりもやり玉に挙げるつもりもありません。
    この商品は「単に法律をスマートにクリヤするための物」だと思います。
    (メーカーはこれを堂々と言うわけにも行かないでしょう?)
    カッコよい商品だと思いますが、安全性は危惧すべきです。
    判って取り付けるのと、そうでない場合では
    意味が大きく異なるものではないでしょうか。

    私が単に勘違いや考えすぎでしたら申し訳ありません。
    しかし少し気になったので。

    草々

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      おっしゃる通りで、何があっても歩行者優先です。

      で、実はこの記事の追記も既に完成しているのですが、アップするかどうか迷っていまして。
      というのも、このベル、開発のきっかけは【スマホ見ながら歩行している人に対し、ストレスなくロードバイクとして走りたいから】という目的で開発されています。
      開発者さんの表現だと注意喚起なんでしょうけど、歩行者の立場からすると威嚇行為でして。

      操作性の問題(ブレーキレバーから手を離す)にも問題はありますが、これは既存のベル全てにおける問題なので、そこはいいとしても、開発の経緯が残念すぎて・・・

      後日記事でアップします。

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