ロードバイクでDHバーってどうですか?【質問いただきました】

DHバーについて質問を受けましたので回答いたします。
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ロードバイクに乗っているのですが、速くなりたいのでDHバーを付けたいと思っています。
あまりつけている人がいないように思うのですが、速くなりますか?
デメリットなどもあれば教えてください。
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回答いたします。

DHバー??

DHといっても、指名打者ではありません。
こんなやつです。

これをハンドルにつけることで、今までよりも【前方】に手を置く位置が増えるわけです。
肘を乗せてかなりの前傾姿勢が作れるというものですね。

これは基本的にはトライアスロンとかTTレース向けのものです。
要は前傾姿勢を強くでき、なおかつ肘を乗せられて楽に、空気抵抗を抑えるという代物ですね。

DHバーのメリット

まずはメリットから挙げてみましょう。

空気抵抗が減る

これは当たり前の話ですが、ロードバイクのドロップハンドルよりもはるかに前方に持つ位置が増えるわけですので、身体がかなりの前傾姿勢になります。
またそれでいて肘を乗せて走れるので、楽に前傾姿勢を作れると言っていいでしょう。

ハンドルの持つ位置が増える

ドロップハンドルでは、ブラケット、上ハンドル、下ハンドルの3か所しか持つ位置がありませんが、DHバーを付けることでもう一か所持つ位置が増えるわけです。

ロードバイクに乗る人ならわかると思いますが、ブラケットを持つのと上ハンドルを持つのと下ハンドルを持つのでは、それぞれ使っている筋肉が違います。
ロードバイクで長距離を走る上で、一つの筋肉に負担を集中させすぎないというのは重要な要素で、様々な筋肉を使い分けることで疲労を分散できますが、DHバーをつけることでもう一か所持つ位置が増え、場面に応じて使う筋肉を変えることができるというわけです。

お尻が痛い人は痛みが減少する可能性も

DHバーを使うことで重心が前に行くわけですが、重心が前に行くということはサドルへの圧が減ります。
その結果、お尻の痛みで悩まされている人が改善できる可能性はあります。

ただし、お尻が痛いのを何とかしようと思ってDHバーを使うというのは根本的に間違っています。
そんなことよりもポジションを見つめなおすとか、パッド入りのパンツを使うとか、サドルを変えるなどもっと先にやるべきことはたくさんあります。

見た目の変化

DHバーを付けることで見た目は大きく変わりますね。
ちょっと戦闘的なルックスになるような感じです。

DHバーに憧れる人って、まずは見た目の問題が大きいのではないでしょうか?
それと肘を乗せられるので、楽できそうとか。

DHバーのデメリット

世の中、メリットしかないというものは存在しません。
メリットがあればデメリットもあるのが世の中の常です。

ブレーキ、どうやってかける??

DHバーにはブレーキレバーをつけることが出来ないのです。
これが最大のデメリットでしょう。

なのでDHバーの先っぽを握って巡航しているときに、ブレーキをかけるならばドロップハンドルのブラケットなりに持ち替えなければなりません。

人間の動作というのは、前と下に行くのは意外と素早くできます。
上ハンドルからブラケットに持ち帰るのは、【前に行く動作】ですよね。
ブラケットから下ハンドルに行くのは、【下に行く動作】です。

逆に下ハンドルからブラケットは【上に行く動作】、下ハンドルから上ハンドルに行くのは【上かつ手前に行く動作】です。
この動きって、先に書いた動きよりも若干ですが遅れると思います。

これの理由ですが、前とか下に行くときは、身体を倒す、つまり重力に従う方向だからです。
上に行くとか手前に戻す動きは、重力に反して筋力を使う動きと言えます。

DHバーを握っていてブラケットに持ち帰る動作というのは、身体を起こして手前に持ってくる動きですが、これはとっさの時に対応できません。

なので公道を走っていて、例えば歩行者が急に飛び出してきたときとか、緊急事態にはブレーキングがかなり遅れる、もしくはブレーキング不可能な事態になります。

ハンドリングが悪くなる

これはDHバー自体の重量からくる問題と、ポジション的な問題の両方だと思いますが、DHバーを握っている状態では、曲がるという動作が極端に苦手になります。
なので直進するのみ!みたいな道具だと思ったほうがいいかもしれません。



DHバーをオススメしない理由

上でも書きましたが、一番の問題点はブレーキングをどうするかだと思います。
要は【何かあったときに急に止まることはできない】という最大の弱点を抱えているわけで、様々なトラブルが予想される公道では使うことが困難です。

例えばですが、普通にロードバイクに乗っていた時に、急ブレーキを強いられることってありませんか?
歩行者がいきなり飛び出してきたとか、対向車が店に入ろうとありえないタイミングで右折してきたとか、歩道を走っているママチャリがノールックで車道に出てきたとか、前方にいる先行車が何らかの理由で急停止したとか。

いろんなケースがあります。
もちろん頻繁にあるわけではありませんし、私も急ブレーキを強いられることなんて1ヶ月に一度あるかないかだと思います。

なんですが、そういう時にDHバーを握っていることでブレーキング不可能になるのって、超危ないです。
こういうことを書くと、必ず言われることですが【慣れれば大丈夫】という人もいます。

私が見ている限りですが、どういうわけかご老人って、横断歩道ではないところでいきなり渡ろうとする人って結構いませんか?
私は過去に、ご老人が横断歩道でないところをいきなり横断しようとして車道に出てきて、ビックリして急ブレーキかけて後輪が浮いたことがあります。
そのときはブラケットを握っていたのだと思いますが、車通りもまばらな道(といっても一応国道ですが)でいきなり飛び出てきた歩行者に対して、DHバー握っていてブレーキングできますかね??

慣れの問題ではないと思っています。

こういうケースでは、本来は悪いのは【横断歩道ではないところで飛び出てきた人】のほうです。
ですが事故を起こすと、ロードバイク側が加害者になるんですよね・・・
ケガさせたり、死亡事故起こすと逮捕される可能性すらあります。

また、DHバーにブレーキレバーをつければいいという人もいますし、何かしら工夫して付けている人も知っています。
あんな前傾姿勢、前輪荷重でブレーキングしたらどうなるかくらい予想付くと思うのですが・・・
信号で停車するなど、ゆっくりブレーキングするときはそれでも対応できる可能性はありますが、あんな前傾姿勢でフルブレーキかけたら吹っ飛びますよね。

なので公道でDHバーを使うというのは、私は絶対にやめたほうがいいと思います。
というよりもやめてほしいです。

DHバーについては、あくまでもクローズドな空間、サーキットとかレースみたいなところ限定です。
前に出たサイクリングイベントでは、DHバーの装着は禁止されていました。
ですが所詮はファンライド形式のロングライドイベントだったので、車検はありません。
残念ながらDHバーを付けている人を見かけました。

かっこいいとか、楽できそうとか、そういう自分の利益だけを考えずに、安全かどうかをしっかり考えた上で公道以外で使ってほしいと思っています。
よくいる【俺は大丈夫!】みたいな根拠のない自信とかも要りません。




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