ママチャリ修理について、元自転車屋店長さんよりメールいただきました。

だいぶ前に書いた、電動アシストのママチャリのスポーク修理についての記事なのですが、

出来ないのか、やりたくないのか?それとも高いものを売りつけたいのか?【買い替えですね・・・】自転車屋の謎。

これについて元自転車屋店長さんから異論を頂きました。
どう思うのか、どう感じるのかは人それぞれ自由ですし、記事自体は私が感じたことを素直に書いてあります。
自転車屋はこういう考え方をするんだと知ることは、ユーザーにとってメリットが大きいと思うので、あえて紹介させて頂きます。



頂いたメール

客視点だとそういう風にみられてしまうのですね。。
店側視点では突っ込みどころがかなりあるのですが、全部話すと長文になりますし、たぶん理解はしてもらい難いかと思います。
数年間、チェーン店の自転車屋で働いてみたら、このような記事は書けないはずですし、これだけの文章を書く方でしたら、私よりも長文で反論したくなるはずです。
この記事の9割に異論を唱えたいところですが、これにはこういう事情があるというの全て説明するのは大変ですから少しだけ。

3万くらいというのは概算ですから正式な見積もりを待てば2万~25000くらいだった可能性もあります。すぐに正式な見積もりを出せない以上、それは仕方のないことです。
ハブを活かしても2万円以上するのは妥当かと思います。
リム スポーク ニップル 作業代(車輪組や諸々込で約1万)を合わせると約22000~26000、メーカー純正の完組車輪と交換するのと大差ないというのはおおよそ間違っていないかと。
数百円の差、というのも概算でしかないわけですから。
3万の車輪があったとして、高いものは仕切り価格も高いわけですから利益は知れてます、工賃サービスなんてむしろそれで良いの?と思ってしまいます。自転車屋は工賃ありきで成り立っています。

2軒目のリムは問題ないというのは、たぶん大丈夫じゃない?というくらいのニュアンスではないでしょうか。スポーク2本交換しただけでリムまで正確に把握は出来ないと思います。
テンションメーターで計ればテンションはバラついてるはずです。
リムが正常であったとしても、劣化したスポークが混じっている場合それは普通です。すべてのスポークを新調して組み替えるのとでは全然違います。
古い車輪の場合、固着やサビで、振れ取りでニップルを回した際に劣化スポークが折れることも珍しくありません。
ロードバイクでもなければテンションのバラつきはさほど重要視されてないのも現実です。
スポーク交換は応急処置として考えた方が良いです。
リスク回避、かなり重要です。
お客様は神様みたいな思考の人がいるのも現実ですから、クレーム出されたら店は謝り譲歩するしかありません。クレームというのは店舗を飛び越え、本社にいくケースもあります。そうなればどうなるか…色々な側面があります。たとえ理不尽だろうとなんだろうと。

これを修理するの? というような状態の自転車が持ち込まれるのは日常茶飯事です。
自転車屋が言うのですから、買い換えも検討された方が良いというのはほとんどの場合において妥当な意見です。

パンク修理のミスというのは自転車屋で働いてる人なら誰もが経験してるかと思います。
ミスと言い難いものもあります。あなたの馴染みの自転車屋もミスはしたことあるはずですし、あなたがもし自転車屋勤務だった場合、おそらくミスはするでしょう。
だから許せということでもないですが、そういうものなんです。

これは店側の一方的な意見です。どのような仕事でも傍からでは分からない事情があります。

このサイトはこれまで何度も拝見していました。ためになる記事も多いです。運営するにあたっての苦労もきっとあるのでしょう、また絡まれた、面倒くさいと思うのかもしれません。
今回自転車に関する調べ物をしていたところ、たまたま目に留まり、自転車屋を非難する内容にショックを受けましたので、いくつか反論を致しました。
あなたの客側の一方的な意見と合わせ、気持ちの落としどころを探って頂ければと思います。
返信を求められれば応じますが、意見を伝えたかっただけですのでこれ以上の発展は特にありません。
長文失礼致しました。

こちらからはこの時に起こった状況をより詳しく書き、せっかくなので書き足りない点も含めて全て教えて欲しいと返答しましたが、現時点では回答がありません。



私が【出来ない・やりたくない】と感じた理由

記事のあらすじですが、こんな感じです。

ママチャリのスポークが二本折れる

チェーン店のママチャリ屋に行ったところ、振れが大きいのでホイールごと新品に交換、代金は3万ちょっとと言われる
(リムが歪んでいる可能性と、スポークが折れやすくなるので修理は不可)

ママチャリにそこまで修理費かけるつもりはないので、リムとスポークを全交換でハブ活かして組みなおししたら安いんじゃね?と提案

それ自体はできなくないが、新品ホイールを買うのに比べて数百円安いくらいにしかならないから、新品ホイールにしたほうがいいと言われる

セカンドオピニオンでほかの自転車屋へ

普通にスポーク2本を交換して終了。工賃などで約5000円。

最初の自転車屋がスポーク修理がスポーク修理できない、もしくはやりたくなかったのでは?という記事を掲載

元自転車屋の店長さんより反論メール(←今ココ)

こういう流れです。
人それぞれいろんな意見があっていいと思いますし、自転車屋の内情を知らない私の意見と自転車屋の意見が食い違っても当然だと思うのですが、ちょっと憶測も入っているので正しい話で書きたいと思っています。

まず、

3万くらいというのは概算ですから正式な見積もりを待てば2万~25000くらいだった可能性もあります。すぐに正式な見積もりを出せない以上、それは仕方のないことです。

これについては概算なのでその通りなのですが、【3万以下にはならない】と自転車屋は明言されていました。
このやり取りの意味ですが、よく行く自転車屋でヤマハの新品の電動アシストママチャリが9万に値引きされていたから、リアホイールに3万出すなら自転車ごと買い替えでもいいかなという気持ちを伝えていたからです。
その上で【3万は確実に超える】という話があったのを覚えています。

もちろんですが、高い見積もりを出した後に実際にはそれより低い分には問題が生じにくい(その逆はトラブルになる可能性大)ので、正規の見積もりを取ると話は変わるのかもしれませんが・・・

で、問題にしているのはそこではないのです。
曖昧な概算値しか出していないのに、スポーク&リム交換だと【数百円安いくらいにしかならない】とそこそこ具体的な数字を出せるほうがおかしいと思うわけです。

店員さんが経験上言っている話なのかもしれませんが、数百円という具体的な数字を出すなら根拠を示すべきと思った話なわけです。

その自転車屋の工賃表を見ると、確かホイール組工賃は5400円と書かれていました。
リム代、スポーク代など考えてもママチャリのリアホイール組で3万になるとはとても思えず、おかしくね?と思った話です。
数百円などと単位を出さず、【ちょっと安いくらい】とか曖昧にされたら話はわかるのですが、どうにも数百円の根拠がないと思った話です。

例えばですが、ちょっと安くなるくらいだと思いますよ?⇒どれくらいですか?⇒計算しないとわかんないけど数百円とかじゃないかな?、という流れなら、まだわからなくはありません。
店員さんのほうから数百円安くなるくらいといきなり提示してきたので、私もドシロウトではないので頭の中でパッと計算して、リムとスポーク全交換で3万はいかないだろと思ったわけです。

また、こちらの主張としては【数百円でも安いなら、リムとスポーク交換でお願いしたい】でした。
これは数百円が惜しいわけではなくて、絶対にホイール組で3万も行かないという自信があったからです。
ですが時間がかかるとか、いろいろ言い訳してやりたくなさそうな雰囲気がマンマンだったので、ここのチェーン店ではホイール組をしたくない、もしくは出来ない可能性があると判断した次第です。

ホイール組めない自転車屋はある

この辺の事情はの〇ラボさんのブログにもよく出てきますが、まともにホイール組めない自転車屋さんはそこそこあると思います。
別にそれ自体はいいんです。
出来ないものを無理して頑張ってもらう必要もありませんし。

スポークが二本も折れていれば振れているのは当たり前だし、リムが歪んでいる可能性もわかっていますし、もしリムに歪みがなくてスポークを二本新品に交換した結果、古いスポークと新しいスポークの問題で折れやすくなるリスクももちろんわかっています。
しかしリムの歪みも確かめずにリムがもうダメポと断言するのは違うんじゃね?と思うわけです。

二件目の自転車屋には、【スポーク補充でダメそうなら、リム交換やスポーク全交換でも構わないので】と最初に伝えています。
結果、問題なさそうだということでスポーク修理のみでした。
もちろん、リムを完全に調べたわけではないでしょうし、実際にはスポークが折れやすくなることもわかってはいますが、一件目の自転車屋はとにかくやりたくない話ばかりでしたので、【出来ないのかやりたくないのか】という感想に至ったわけです。

うちの近所に、大型ショッピングセンターの中にある自転車屋があります。
一度ここにパンク修理をお願いしたところ、1週間かかると言われました。
対応したオッチャンはすることもなく暇そうでしたし、すぐにやればいいんじゃね?と思ったわけですが、いろいろ調べてわかったのはこのオッチャンはあくまでも販売員であって修理できるスキルもないということです。
せいぜい空気入れるとかサドルの高さを変える程度のことしかできない販売員のようでして、修理要員はチェーン店の中で巡回してたまに来る程度の話でした。

こういうところだと、当然ですがホイール組んだりは無理でしょう。

で、何が言いたいかというと、確かにリスク回避で新品ホイールにするという提案は自転車屋的には当然だと思うのですが、こちらも完全なドシロウトではありませんので、ハブ活かして組み換えでも対処できそうだという感触はあります。
それに対し、うちでは出来ないというのならそれでいいのです。
実際に出来ないのかどうかは知りませんが、あれだけやりたくない雰囲気を出されたらそう思うしかないわけで、それならそれで【うちではホイール組めないのでよそに行ってください】でいいと思うんですね。

カレー屋に行ってラーメン注文したら、そりゃラーメン屋に行けと言われるでしょう。
注文いただいたからと言って無理して作ってもらう必要もないし、出来ないなら出来ないと言ってもらえれば話はスムーズだと思うのですが。

工賃の考え方

記事中で【新品ホイール売ったほうが売上が上がるしね】みたいなことを書きましたが、自転車屋はパーツを仕入れて売ることでの仕入れ値と販売価格の差が儲けです。
工賃は作業した分に対してかかるので、恐らくですがリムとスポーク全交換したほうが、自転車屋の実質的な売り上げは多くなるでしょう。

しかし、かかる時間に対する対価で見たら、新品ホイールをポン付けしたほうが短時間で儲かるわけです。
ホイール組むには時間がかかりますので、かけた時間に対する対価としては微妙なんだと思うという話です。

記事の件について

この記事中で書いていることは、自転車屋がミスしたことを責めるという話ではありません。
そもそもミスしていませんし。

ただ数百円の差、と断言するなら根拠を出すべきだと思いますし、数百円差でも組み換え希望なのにやりたくなさそうにするのは違うのでは?という話です。
最初の見積もりが曖昧なのに数百円差と結構具体的な数字を出している点は違うでしょうということがまず一つ。
数百円差というと当然ですが1000円以下の差額という話です。

次に、やりたくないならやりたくないとハッキリ言ってもらったほうがこっちもそうなんだと納得する点。
うちでは組む能力がないので無理ですとか、面倒なのでうちではやらない方針なので、組み換え希望でしたらほかに自転車屋を紹介します、というのなら納得します。
もしくはその店員さんの信念として、この場合はホイールごと新品に変えないと絶対ダメだと思うなら、それを力説してもらえば【リスク重視の人なんだ】と理解できます。
そこを曖昧な言葉でやりたくなさそうな雰囲気だけ出されるから、こっちも不信感を募らせるだけなわけです。
私も商売していますので、無理難題を押し付けるつもりはありません。
店員さんもスポーク折れの可能性などリスクを説明しているわけですし、そこにいちゃもん付ける気もありませんし。
商売というのは契約ですから、お店がやらないと言ったらやらないものです。
【うちでは能力的に難しいので、新品ホイールのほうが安心です】と言ってくれればほかの店を探すしかないですし、自信がないものを頑張らせるよりは新品にしようかと思うでしょう。
変な言い訳がましいこと言ってやりたくなさそうな雰囲気を出すのなら、無理と言ってくれたほうがお互いにハッピーだと思うんですね。

この内容は全ての自転車屋さんについて書いている話ではありません。
私がよく行く自転車屋はきちんとしていますし、二件目の自転車屋もしっかりしている方です。
ロード専門のショップでも、ホイールを組めない店もあるでしょうし、組まない店もあるでしょう。
それはその店の方針なので、ユーザーはそれに従うしかないわけです。
嫌ならほかを当たればいいだけの話。

繰り返しますが、全ての自転車屋がホイール組めないわけではありません。
私がよく行くショップでは手組ホイールも一つのウリにしていますし。

この記事で言いたかったことは、
・根拠がない見積もりは、ドシロウトは騙せても知識がある人には看破される
・やりたくない態度を取るなら、出来ないと言って欲しい
・ほかに理由があって新品に交換するべきと考えるなら、きちんと伝えるべき

こういうことです。
私も商売人ですが、自転車屋だから許されるということはないでしょうし、メールいただいた元店長さんが言う【チェーン店で働いてみればわかる】という理屈は絶対におかしいと思います。
客目線で物事を考えられない商売なんて、淘汰されるだけです。

ご意見ありがとうございました。
現場をよく知る方の声は勉強になります。




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