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バスが自転車を追い越し後、幅寄せ!という判例。

車道を走るロードバイクにとって、されたくないプレイの一つに、バスが追い越し→バス停に向けて左寄せ→結果的に幅寄せになることがあります。

実際のところ、ロードバイクがガッツリ巻き込まれない限りは「単に危険だった」で終わってしまいますが、きちんと訴訟を提起した事例もあります。

バスが追い越し後、幅寄せ

判例は神戸地裁 平成30年12月26日(控訴審 大阪高裁 令和元年7月23日)。
まずは事実認定から。

・道路は車道と歩道が縁石で区分されており、片側2車線。歩道の縁石から50-80センチ程度がコンクリート舗装(いわゆる路肩のエプロン部?)、それ以外はアスファルト舗装。
・自転車は時速20キロで、歩道の縁石から1m程度離れた位置を走行していた。
・バスは第1車線を時速30キロで走行し、自転車に追い付いた後、右に進路変更し自転車を追い越した。その際、自転車と縁石の間隔は約1m、自転車とバスの間隔は約1mだった。
・バスは左ウインカーを点灯させ、バス停に向けて幅寄せを開始。自転車はペダリングを停止し、ブレーキレバーを引いたり緩めたりしながら減速し、歩道側に寄せた。
・バスが自転車をほぼ追い抜いた時点では、自転車と縁石の間隔は約0.8m、バスと自転車の間隔は約0.6m。
・バスが自転車を完全に追い越した地点では、自転車は縁石から約0.3mのコンクリート舗装の上(いわゆる路肩)に位置していた。
・バスはバス停で停止したが、自転車はバスと縁石の間(60~80センチ)に入り込み、右手でバスの左側面を押し、その反動で身体を左に傾け、ペダルから外した左足で縁石を蹴りながら前進。バスの運転者に危険な走行であることを抗議した。
・しかしバスの運転者は取り合わず発進したため、自転車は1.2キロ先のバス停まで追いかけ停止させ、警察を呼び、バスは運航を中止した。
・時間的経過でみると、バスが自転車に追い付いたのが9:27、追い越しのため右に進路変更し並走状態が9:29、バスがバス停で停止したのが9:32(9:33に変わる瞬間)。

実質的に6秒弱の間に、追い越しから幅寄せ、バス停で停止された。
これに対し、自転車側がバスを右手で押した時や縁石に左足をついた行為による怪我、急性ストレス障害、PTSDなどを訴え提訴した事件です。

文字を図にするとこんなイメージでしょうか(もしかしたら細部に誤りがあるかもしれないので正確性は保証しません)。

たった6秒程度の間にこのような追越し&幅寄せなので、危険な行為であるは間違いありません。
ですが1審、2審とも請求棄却で終了しています。

前記認定の被控訴人バスの走行は、単なる追越しではなく、本件バス停に停止するための追越しであって、減速しながら幅寄せするというものであるから、縁石との間に約1mの間隔をおいて時速約20キロで走行していた控訴人自転車が、そのままの進路と速度で直進することを妨げることになる。このような被控訴人バスの走行は、道路交通法28条4項との関係では問題のある走行といわざるをえない。

大阪高裁 令和元年7月23日

危険な追い越しは認めたものの、怪我やストレス障害との因果関係は認めず請求棄却、控訴棄却。
要はバス左側面を右手で押した行動は、それをしなければ危険回避出来ないがための行動ではないとの判断です。
その行動をしなければ自転車を停止できないというわけではない。

なかなかこの手の問題は難しいですね。

とはいえ

元々でいうならば、バス停まで近い状況、しかもバス停で停車する予定なのであれば、自転車を追い越しすべきではない。
道路交通法上では問題がある追い越しだと認定されている点は評価できます。

まあ、当たり前なんですが。

もう何秒か後方待機していればお互いにハッピーで何も起きなかったわけなので、無理な追い越し&幅寄せは慎んでもらいたいと願います。




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コメント

  1. kueharaaz より:

    23区の東北という感じの場所ですが、公共交通のバスの運転手は結構信頼していたのですが、そうでもないと思い始めて防衛運転になりました。結構明るいデイライトを前後フラッシュで常時つけていますので見えなかったわけはなかろう、と思いますが、見えたのとそれが意識したことは別なので、走行中に右に左指示器点滅させたバスが視界に入った瞬間にブレーキに掛ける準備に入り、寄せられるという前提で動きます。常時ドラレコをつけているのであまりにもひどいと思った時だけバス会社に通報していますが、どういう処分を受けたのか受けていないのかは関知していません。タクシーも最近ひどいなあ。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      たぶんですが、車から見たら危険性はないと思っているけど、自転車側から見たら危険という体感の差だと思います。
      これは自転車と歩行者の関係性でも同じで、自転車側からしたら大して近くないと思っても、歩行者からしたら至近距離を自転車が通過したと感じる。

      立場により感じ方が違うことに気がつけば、バスも悔い改めると思っています。