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6歳が乗る自転車でも過失割合50%。

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以前チラっと書いた件ですが、

 

未就学児が乗る自転車=小児用の車=歩行者。
こちらの記事ですが、 ちょっと質問の意味がわからないのですが、未就学児(6歳より下)が乗る自転車は道路交通法上では小児用の車となり、歩行者になります。 ただし、絶対的な基準はありません。 警察庁の通達だとこんな感じです。 ○小学校入学前まで...

 

この中の判例について。

6歳が乗る自転車でも過失割合50%

判例は東京高裁 平成26年12月24日。
事故概略です(イメージ図。正確性は保証しません。)

加害車両はバス、被害車両は満6歳が運転する自転車。
対向車線はバスや大型車で、加害車両が優先道路。

 

一審はバス:自転車=60:40としましたが、東京高裁は50:50とし確定しています。

 

争点の1つに、被害者は満6歳で18インチの自転車であることから、小児用の車として歩行者とみなすべき(法2条3項1号、令1条1号)というものがあります。
裁判所の認定は、小児用の車を否定して自転車であるとしています。

 

この場合はバスが優先道路な上、徐行義務が課されていない(42条)。
バス側の主張としては、被害者を発見した時点で回避可能性がなかったことや、優先道路であることから予見可能性もなかったとしています。
東京高裁は交差点内安全進行義務(36条4項)を理由にバスの無過失は認めず、被害者が一時停止せず、右側通行で、減速もせずに優先道路を横断したことを「著しい過失」として50:50。

 

子供は10%程度減算することを考えると、自転車に大きな過失を認定したと言えます。

 

こういうのって刑事責任はどのように処理されたのかはわかりませんが、刑事責任はさすがに問われないのかな。

予見可能性ですが、バス運転者だからこのあたりの状況は把握していたことや、都営住宅が並んでいて子供が飛び出すことは「予見可能」としています。
なので事実上、優先道路でも対向車線が塞がり見通しが悪い上、子供の往来が想定されるなら減速して進行すべきとしているわけです。

 

時速28キロなのでそこまでスピードが出ていたわけではありませんが、民事責任としてはこのように50:50。

小児用の車

小児用の車は道路交通法上では歩行者になります。
小児用の車と判断された判例は、東京地裁昭和53年12月14日判決にありますが、4才11ヶ月が乗る補助輪付き自転車を小児用の車としています。

 

この判決は見通しが悪い交差点で子供と車が出会い頭に衝突していますが、小児用の車(歩行者)なので一時停止義務がないとしています。
なお被害者に過失25%としていますが、これは子供の後ろを歩いていた母親の監督義務懈怠についての過失。

 

子供に対する自転車ルールの教育をどうするか?という問題はありますが、6歳でも容赦なく過失50%とするのが法。
横断歩道を降りて押して渡るのが一番かなと思いますが(乗ったままでは38条の対象外)、「ちゃんと左右を確認してからね!」と教えてもその通りに実行できるわけでもなかったりするのが子供。

 

車が注意するのは当たり前ですが、子供の往来が多い場所では相応の注意義務が加重されるわけ。
車が注意することも当然必要ですが、自転車側の注意も必要かと。

 

民事責任としては優者危険負担の原則があるので、無過失になることはマレです。
予見可能性も回避可能性もないような場合以外は、無過失は認められません。

 

仮にバスではなく、ロードバイクだったら回避できましたかね?
バスよりも小回りが聞くし、左側端通行している分回避可能性は高くなるでしょうけど、調子こいてダンシングアタックなんかしていたら終わりです。





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