MAVICのホイールは、簡単にメンテナンスできることで知られています。
MAVICのホイールはシールドベアリングなので、ノーメンテでもそこそこ走ります。
ところが、フリーボディのメンテをすると、明らかに回転が上がるので絶対にしたほうがいいのです。
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MAVICのラチェット音は大きい?
MAVICのラチェット音はガラガラ大きい音がすると思っている人が多いですが、残念ながらこれはメンテ不足の結果です。
カンパニョーロも音が大きいと思われていますが、きちんとメンテナンスをすると音は小さくなります。
どういうわけか、ラチェット音が大きいほうがかっこいいと思っている方もいるようですが、音が大きいことに何らメリットはなく、むしろメンテ不足なのでラチェットの摩耗が進むだけです。
ある程度は音が大きくても問題ないようにできますが、基本的にはラチェット音が大きい=ダメな状態といえます。
さっそく、ハブのメンテナンスをしていきましょう
まずは用意する道具から
用意するのは、左から順に
・スプロケ固定工具(チェーンがついてます)
・ロックリング外し工具
・MAVICフリーボディオイル
・モンキーレンチ
・MAVIC Y字型工具
・5mmアーレンキー
これらは全部必要です。
ホイール外し~スプロケ外しまで
まず、リア変速を動かしてトップに入れてリアホイールを外します。
そしてクイックも邪魔なので外してしまいます。そしてスプロケ固定工具でスプロケを固定し、ロックリング外しをかけます。
力を入れる方向は、両方ともに地面に向かうようにします。
硬いですが、グッと力を入れるとロックリングが外れます。
ロックリングが外れたら、スプロケを外します。
このとき、スプロケをバラバラにせずに、そっと取り出すと取り付け時に楽できます。
バラバラにしてしまっても、取り付けるときは順番さえ間違わなければ問題ないですが、楽したい人は塊のままにしましょう。
フリー外し~洗浄まで
モンキーレンチと5mmアーレンキーで、フリーを固定しているナットを外します。
画像では左手にモンキーレンチ、右手にアーレンキーを持っていますが、左右の手が近づく方向に動かすとナットが外れます。
ナットを取った状態。
ナットさえ外してしまえば、あとはフリーボディをゆっくり引き出せばフリーボディが抜けます。
このとき、勢いよくフリーを取らないこと。
中には下のように、ラチェットとスプリングが入っています。
勢いよく取ると、ラチェットとスプリングが吹っ飛んでしまいます。
スプリングが吹っ飛ぶと、永久に見つからないことがあるため注意です。
スプリングは米粒程度の大きさしかありません。
私も過去に二度ほど、スプリングが行方不明になり困ったことがあります。。。
毛足の長い絨毯の上とか、絶対にやめましょう。
フリーボディ内部が黒くオイル汚れしてますから、きれいに拭きます。
ディグリーザーを使っても構いませんが、ディグリーザーは完全にふき取り揮発させてください。
恐ろしく汚いです。
あと、小さなスペーサーがあります。
これはフリーを外すときに、フリー側にくっついている場合もあれば、軸に残っている場合もあります。
このパーツは重要なので、なくさないようにしっかり見守ってください。
フリーがきれいになりました。
組み立て~オイルアップまで
ここからが組み立てです。
まず、ラチェットにスプリングをつけて、フリーの軸のほうにつけます。
くどいですが、スプリングが吹っ飛ぶと永久に行方不明になりますから、本当に気を付けてください。
スプリングが収まる穴があるので、そこにしっかり入れます。
ラチェットもきちんと外れないように取り付けてください。
ここからがオイルアップです。
ここではMAVICのフリーボディオイルを使います。
まずは、フリーの本体にオイルアップ。
ここの白いところにたっぷりとつけてください。
白いところはゴムシールと接触するところで、MAVICの回転が重いといわれる理由はこの白いところがゴムシールと接触するからです。
ここの抵抗の重さが、回転性に関係します。
注:2017年1月30日追記
白いところにたっぷりつけると書きましたが、どうやら付けすぎると逆に問題が生じる可能性もありそうです。
なので白い部分については薄くつけるほうが正解です。
詳しくは走行中にチェーン落ちした、驚きの理由をご覧ください。
フリー内部にギザギザした場所がありますが、ここがラチェットがガラガラあたる部分です。
ここにもたっぷりとオイルをつけます。
ラチェットにもオイルをつけます。
フリーを取り付けます。
フリーを軸側に被せ、ラチェットを手で閉じてそのすきに押し込みます。
このとき、手でフリーを回転させてみて、回転が軽くなっているかチェックします。
問題なければナットを締めます。
スプロケを取り付けます。
フリー側にはスプロケ取り付けの溝がありますが、一か所だけ溝が広いところがあります。
スプロケ側の広いところとフリー側の溝を合わせてつけます。
私の場合、11sスペーサーはフリー側に残したまま作業しましたが、取り付け時はきちんとスペーサーが入っているか確認です(11sスプロケの場合は不要です。私は10s105なんです・・・)
スプロケ取り付け時は、チェーンがついている工具は不要です。
ロックリング回しだけできちんと取り付けます。
フレームにホイールを戻した後、MAVIC独特の作業があります。
まず、リアホイールを横にゆすって、ガタがないか確認します。
ガタがあれば、Y字型工具でガタがなくなるまで締めます。
ここの締め付けは、強すぎるとホイールの回転が悪くなりますし、弱すぎるとベアリングを痛めます。
なので弱すぎず、強すぎず。
わからないときはとりあえずガタがなくなるまで締め付けて、自転車屋で最適な強さを教えてもらってください。
マヴィックはクイックを締めた状態でも玉当たり調整ができるのですが、逆に言えばクイックの締め付けの強さでも玉当たりが変わります。
作業前後での違い
作業前ですが、結構ラチェット音がしています。
作業後はラチェット音がなくなります。
ピラピラ変な音がするのは、リムのロゴシールが剝がれかけてフレームに当たっているからです。
オイルはなるべくMAVICフリーボディオイルを
MAVICはほかのホイールと違い、オイルを使います。
カンパとかだとグリスです。
MAVICでここにグリスを使うと、不具合が出ます。
MAVICの場合、フリーボディのシール性が強く、白い部分とゴムが接触しています。
これのおかげで、マヴィックはホイールのみを空転させても、フリーの接触性でクランクが供回りします。
なのでここの潤滑が大切になります。
ここを硬いグリスとかにすると、回転性が悪くなるだけでなく、走行中にペダリングを止めてホイールの空転をさせたときに、チェーンがどん詰まりになりチェーンが外れることもあります。
なので危ないので絶対にグリスは使わないこと。
オイルは何でもいいかというと、そうでもありません。
ゴムへの攻撃性があるオイルはダメです。
なのでマヴィック純正が一番いいと思います。
注:2017年1月30日追記
マヴィックの純正オイルがベストと書きましたが、その後のリサーチや自転車屋などの意見を聞くと、ゴムへの攻撃性がないオイルならばむしろマヴィック純正よりもほかのオイルのほうがいいかもしれません。
詳しくは走行中にチェーン落ちした、驚きの理由をご覧ください。
どれくらいの頻度でメンテすべきか?
私は高頻度のメンテが好きなので、おおよそ1000キロに一回程度しています。
走行中にラチェット音がうるさくなってきたらメンテのタイミングだと思えばよいです。
メンテすれば明らかに走りが変わるので、やれるときはやったほうがいいですね。
あと、MAVIC純正オイルは、ほとんどの自転車屋には置いていません。
取り寄せになったり、いつくるかわからないほど待たされたり。
なので通販でしか買えないと考えたほうがいいです。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
はじめまして。いつも記事を参考にさせて頂いております。
先日、マビックキシリウムエリート 2015を譲り受け、ボディーのメンテをした所、ボディー側のアルミキャップ(ベアリングを押さえてある蓋)がどうしても回らず開きません。また、フロントも専用レンチで回そうとしても途中で引っかかり回らず、やはり外せません。
もし、何かお分かりになるようでしたら、ご教示頂けると幸いです。
突然のご相談で大変恐縮ですが、何卒、宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
具体的な相談でしたらコメント欄ではなくメールでお願いします。